外国人英語トラブル・クレーム対応達人への道①「日頃からの備え~プロの能力から逆算した研修を~」
理想の「英語クレーム対応研修」は、
「現場でのクレーム対応」だけをお伝えするものではありません。
研修等にて現場での対応力を磨けば、その後半年くらいは、外国人客トラブル解決はスムーズに行えます。
ただし、
現場での対応力を磨くだけでは、外国人客トラブル対応のプロにはなれませんし、
「自立型教育企業」を実現する社員の育成にも繋がりません。
トラブル対応云々に関わらず、外国人客対応のプロは誰一人、現場での対応(=現場で出来ること)が全てだとは考えていません。
Contents
トラブルを感動に変えるプロになるための「備え」①HOW TOに偏るなかれ
外国人客トラブルをスムーズに解決し、トラブルを感動に変えることができるプロ集団を作りたい、
そう願う教育担当者は、既に気が付いています、
社員ひとりひとりが「現場でのトラブル対応力」を身に付けるだけでは不充分であり、
もっと根底から「なにか」を変えなければいけないのではないか、ということに。
現場でのトラブル対応力を身に付けるために
接客現場で働く多くの日本人は英語が得意ではありませんし、外国人客対応に慣れていません。
社員の外国人客対応力をアップさせようと考えた場合、教育担当者は社員の課題を踏まえて教育を企画します。
すると、「英語対応」「外国人客対応」「外国人クレーム対応」などという、
「日本人が苦手であろう能力」が課題だと決めつけて、研修を企画してしまいます。
結果、「英語クレーム対応研修」「英語接客」などの、現場対応力を磨くための教育を取り入れます。
更に講師自身も、外国人客に対する英語対応力・異文化対応力を磨くことが、外国人客トラブル対応力を身に付けるための最善の方法だと思い込んでいる場合が非常に多いため、
現場での英語対応力、外国人客対応力を身に付けることにフォーカスしすぎた研修ができあがります。
しかし、その場にいる教育担当者や講師に「現場対応力にフォーカスしすぎた研修だった」という感覚はありません。
本当の「外国人客対応のプロ」が身に付けている能力から逆算して研修を企画する
マラソンでオリンピック優勝を狙う選手は、
マラソンで結果を残した経験のある選手や、
マラソンで結果を残した選手を育てた経験があるコーチのもとで練習するものであり、
同じ「走る」競技だからと言って、競輪の元選手からは決して習いません。
社員の「外国人客対応力」を本当に上げたい場合は、
外国人客対応のプロと呼べる経験を持つ講師か、
外国人客対応のプロを育てた経験がある講師から学ぶものであり、
「単に外国人客対応の経験がある」講師から習うことはしないでしょう。
しかしながら、このような場合もあります。
マラソン金メダリストの高橋Qちゃんを育てた小出監督は、マラソン金メダリストではありません。
金メダリスト、イコール、実力ある指導者、ではありません。
実力ある指導者、イコール、金メダリスト、ではありません。
指導に長けた人がいるのです。
外国人客対応の場合はどうでしょう。
外国人客対応のプロを生む指導者自身が、
「外国人客対応のプロレベル」ではなく、
「外国人客対応経験者レベル」である場合、
指導力に長けているからと言って、「外国人客対応のプロ」を育てることが可能なのか。
これは、不可能だとは言えません。
ただし、プロレベルになって初めて得られる勘・さじ加減・緊張・準備、
このようなものが存在するのは事実です。
プロが身に付けている能力から逆算した研修とは
一般的な英語クレーム対応研修には、クレーム対応の基本手順、お詫びの方法、要望の確認方法、こちらのスタンスを示す、英語の使い方、ケーススタディなどが組み込まれていると思います。
これらは対応力HOW TOを身に付けることだけにフォーカスした内容に留まっている場合が多いのです。
つまり、研修受講半年後から、社員の対応力は再び低下し始めてしまう研修です。
イギリス・ロンドンの5つ星ホテル ザ・サヴォイで日本人として初めてヘッド・コンシェルジュとなった町田氏、
正に「外国人客対応のプロ中のプロ」です。
町田氏の元で働くコンシェルジュ達が、町田氏から学んでいるものは、
HOW TOだけではないはずです、絶対に。
むしろ、HOW TOは各自にお任せするので、
もっと深く根底を支える力、一度身に付ければ揺るぎないもの、
主にそのようなものを町田氏から学んでいるはずです。
研修に含まれていてほしい項目例
ボリュームに制限はあるでしょうが、研修には、外国人客対応におけるマインド養成を狙った内容が組み込まれていることが理想です。
絆グローバルの研修では、現場での対応力養成以外の項目として、最低25の「事前準備(マインド・行動)」指標がありますが、
以下のような側面から、受講する社員が置かれている環境をリサーチしています。
- Communication
- Ability
- Mind
- Environment
- Role
- Decision making
- Leadership&Management
- Co-operation
- Situation Awareness
「プロからの逆算」でも不充分
ここで注意すべき点があります。
それは、既存のプロの能力から逆算した教育で、安心してはいけないということです。
なぜなら、それは、既存のプロ以上に成長するチャンスを、社員から奪っていることになり兼ねないからです。
既存のプロの能力を参考にしながら社員の能力を引き出す、です。
マインドに時間を掛けられない、まずはスキルから!という現実を教育担当者は抱えています。
それは当然かもしれません。
ですから一層必要なのは「効率的な」研修です。
マインドに時間を掛けなくても、マインドが整うスキル研修です。
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