【自己承認シート】自分を認めて初めて他者承認力を得る【主体性の確立】

本記事では、以下のような疑問を解決します。

  • なぜ人を認める他者承認力が必要なのか?
  • 人をありのまま認められないのは、なぜなのか?
  • 他者承認力を得るには、どうすれば良いのか?

 

【自己承認シート】自分を認めて初めて他者承認力を得る【主体性の確立】

【自己承認シート】自分を認めて初めて他者承認力を得る【主体性の確立】

 

グローバル人材力やリーダーに関する過去の記事で、何度か出てくる「自己承認」「他者承認力」。

【グローバル人材㉜】協調性を養うための行動2【自己承認・他者承認力】

「協調性を養うための行動②【自己承認・他者承認力】」記事はこちらから

 

今回は、承認力を養うための方法を解説します。

 

承認されないと人は心に穴が残る

まず、承認すること・承認されることがなぜ必要なのか?という点です。

 

あなたは、このような経験はありませんか?

「私はこう思う!」と主張したら、相手に否定された。

「それ違うでしょ」「そんなことどうでもいい」「それおかしいでしょう」「なんでそうなるかなぁ」などと。

 

否定された人は、自分の中の自己承認が不充分の場合、以下のようになりがちです。

 

  • もう傷つきたくないと相手を避ける
  • 「自分が正しいことを証明してやる!」「あの人を見返してやる!」「認めさせてやる!」などと、自己証明に走る
  • もう否定されないように自己防衛に走る

 

一方、自分の考えを受入れられ、

「分かる分かる!」「自分もそう思う」などと理解して貰ったり、

「へぇ!なるほど」「自分の考えとは違うけど、どういうことか詳しく教えて」などと興味を持たれたら、以下のようになります。

 

  • 嬉しくなり、もっと自分を知って欲しくなる
  • 自分も相手を認めたくなる
  • 相手の異なる考えを自分も聞いてみたいと思う

 

 

自分が認められていない(否定された)と感じ、且つ、自分で自分を認める自己承認が不充分の場合は、心に穴がある状態です。

その人にとっての最大の関心事は、「その穴を埋めること=自分を認めさせること・自己証明」になります。

これは、人が持つ5大欲求のひとつ「承認欲求」を満たすための本能と言っても良いでしょう。

一方の、認めて貰っている人は、心に穴はありません。

ですから、持っている力を、ただストレートに目的のために活かせるのです。

◆承認される・されないの差

◇認められる・受入れられる 

➡ うれしい・自分も相手や他者を認めたい

➡ 自分の力を目的のために素直に使える

 

◇認められない・否定される 

➡ 悔しい・傷つく

➡ 心に穴

➡ 自分の力を自己証明・自己防衛に使い、穴埋めを優先させる(当然の本能)

 

 

 

活躍する人材に不可欠な「他者承認力」

たとえば、部下や後輩をうまく育てたり、力を発揮してもらうための関わり方や考え方を身につけるための教育で、必ず学ぶのが「承認」です。

◆発展や成長に欠かせない「承認力」

  • 上司や先輩に「人をありのまま受入れる承認の心」があるかどうか、どこまであるか、というのは、会社が発展するためにはとても重要なこと
  • しかし現実は、管理職研修などで「承認の大切さ」を学んでも、実際は部下をありのまま承認していない人が多くいる
  • 頭では承認の大切さを理解していても、いざ仕事が始まると、承認できない場合がある
  • 承認が浸透していない組織では、問題が起こったり、風土が悪くなったり、成果が出せなくなる
  • 問題が起こると、管理職は立ち止まり、対策を考え、部下を承認していない管理職は、部下の問題点を改善することに力を注ぐ
  • 人をありのまま承認せず、その人の可能性を信じることもない管理職には、部下に問題があるという前提をもっている
  • しかし、真の課題は、承認されていない人々の集まりが組織を創っていること。皆が、心の穴を埋めることを最優先し、働いている

 

 

自分のことを、欠点含めありのまま認め、受入れ、大切にしている人は、自分の可能性を信じています。(自己承認)

そして、自分に能力や魅力、可能性があるように、他人にも同様に素晴らしい能力や可能性があると分かっています。(他者を承認)

つまり、人をありのまま認められず、受入れられず、可能性を信じることができず、「あの人はもっと変わらなければだめだ」などと思っている人は、自分のことを認め、信じられていないのです。

 

◆承認力が身につく仕組み

  1. まず自己承認を完結(自分のことを欠点含めありのまま認め、受入れ、大切に扱い、可能性を信じている)
  2. 他者に対する存在承認(他者のことを欠点含めありのまま認め、受入れ、大切に扱い、可能性を信じている)
  3. 他者の存在以外を承認(努力・成果・意識など)

 

※2や3を身につけるには、1の自己承認を踏まえなければ、結局、承認力は一過性のスキルに終わります。

 

 

自己承認あり・なし(上司AとBの比較)

承認が大切と分かっていても、他者をありのまま承認できない原因は、往々にして、自己承認が不完全だからです。

自己承認ができているorできていない上司の違いを見てみましょう。

◆上司自身が「自己承認をしていない場合A」と「自己承認している場合B」の考え方の違い

上司AとBは、同じ後輩(彼)に対して、それぞれどのような考えを抱いているのでしょうか?

 

◇上司A (自分自身が自己承認していない人)

  • やっぱり彼は何をやってもダメだ
  • 彼は、なぜもっと○○しないのだろう
  • いつになったら彼は成長するのだろう
  • 彼が変わらなければチームはうまくいかない

 

※上司Aの特徴

  • 後輩の不足点・課題にばかり目が行き、良い所を見ていない
  • 後輩の中に眠っている可能性が見えていないので、もっと能力を身につけるべきなどという「穴を埋める発想
  • うまくいかないことの原因を自分以外の人や環境に見出す他責思考
  • 今見えているモノが全てだと思っている
  • 上司自身が自分のありのままを認めず可能性を信じていないから、後輩もどうせ何をやってもだめだと信じ切っている

 

⇒後輩の思い

  • できていないことばかり指摘してくる
  • やる気が失せるから、なるべく口をききたくない
  • 上司自身は一体どれだけ出来る人なのか疑問

 

◇上司B (自己承認できている人=自分自身をありのまま認め、可能性を信じている人)

  • 彼は本当に○○が得意で安定しているし、△△は部署一の正確さだ
  • ✖✖がまだ苦手のようだが、その他で充分カバーしているし、周囲もうまくフォローできている
  • ○○の仕事をしている時の彼はとてもイキイキしている。この調子で大丈夫だ。彼はもっと伸びる

 

※上司Bの特徴

  • 人の課題よりも、素晴らしい点に目が行っている
  • 人に不得意なことがあっても、「現時点では不得意だが、」「まだ今は苦手だが、」と成長を前提に見ている
  • 課題を片っ端から直そうとせず、本人の気づきに任せつつ、チーム単位で成長を見ている
  • 上司自身が自分のありのままを認め可能性を信じているから、後輩の可能性も当然大きいと信じ切っている

 

⇒後輩の思い

  • 上司Bは、自分の良い所や頑張りをいつも見てくれている(承認欲求が満たされていて心に穴がない)
  • 自分でも気づいていなかった特技を、上司Bは気づいてくれている( 〃 )
  • 自分の課題は自分が一番分かってる。✖✖のスキルを上げて、もっと良い仕事をしよう!(力を素直に目的のために使う)
  • 自分はきっと、もっと凄い仕事ができるようになる気がする。頑張ろう!( 〃 )
  • 同僚は皆、本当に優秀で良い人ばかりだ。○○さんが苦手なことは自分が率先してカバーしよう(自分がされたことを組織に循環させる)

 

 

この「彼」は同一人物です。

 

自己承認していない上司たちは、問題が起こったり、思い通りに部下が成長しない場合でも、「自分が部下たちを承認できていないことが原因ではないか?」とは、ピンと来ません。

なぜなら、「人を承認していない自分」に違和感を感じないからです。

 

 

 

自己承認・他者への承認を当たり前の習慣にする

人をありのまま承認しない自分に、なぜ違和感を感じないのかというと、承認が自分の中の当たり前・習慣になっていないからです。

「頭の中だけで、必要だと理解していること」に留まっているからです。

 

ですから、

◆承認を当たり前の習慣にする

 

若い内から、相手をありのまま受入れる承認を、自分の当たり前にすることが大切です。

  • 歯を磨かずに外出したら、違和感を感じるように
  • 準備体操をせずに試合をしたら、体が違和感を感じるように

相手のありのままを認めていない自分がいたら、自分に違和感を感じてください。

歯磨き、準備体操と同じように、承認を自分の習慣・当たり前にしてください。

 

そのためには、自己承認を完結させるしかないと思います。

自分の良さも欠点もありのまま認め、受入れ、自分を大切に扱い、可能性を信じることです。

 

 

自己承認できないには理由がある

「自分を認める」「受入れる」「可能性を信じる」ための方法は、

  • 自分をなんとか認めようとすることではない
  • 自分を受入れようととにかく頑張ることではない
  • 自分の可能性を信じようとすることではない

 

 

自分を認められない人に対して、「自分を認めて!」と言っても、

自分に自信がないと言う人に対して、「自信をもって!」と言っても、

何も変化を生みません。

 

認められない理由、自信を持てない背景に関心をもたず、「認めて!」「自信をもって!」などと言っても、言われた人は、

  • 認めたくても認められない
  • 自信をもちたくてももてない
  • 簡単に言わないで

などと思っているかもしれません。

 

自己承認していないのには、必ず理由があります。

「自分を認めてごらん!」

「うん分かった!今日から認めるね!」

などと簡単に解消するようなものではありません。

 

理由には、どのようなものがあるのでしょうか。

 【人が自己承認できない理由】

◆自分の良さに目が行っていない

  • 多忙さ、ストレスなどが膨大であれば、自分の良さなど見えるものではありません(例:真っ赤な目立つ車さえ、濃霧の中では見えません)
  • 自分の良さより欠点に目が行きがちで、そこには謙虚さ、自信のなさなどが影響しているかもしれません
  • 人から、自分の良さより欠点に目を向けられてばかりいた経験が多いのかもしれません
  • 自分の良さを誇りに感じてはいけないという圧力を継続的に感じていた過去があるかもしれません
  • 過去の失敗で得た心の傷が深いために、新たな情報を取り入れることを恐れ、視界・視野を狭めているのかもしれません

 

いかなる理由があったとしても、それは、思いやり、寄り添うに充分足る事柄ばかりだと気づくと思います。

 

自己承認するために

自分をありのまま認め、受入れ、可能性を信じるために必要なことは、自己承認できない背景・理由を丁寧にほぐし、心を埋めることです。

◆自己承認するために必要な2つのこと

  1. 自分をありのまま認めるに足る情報を得ること
  2. 自分に自信をもつに足る手応えを得ること

 

 

1.自分をありのまま認めるに足る情報を得る【自己承認シート】

まずは、自分を知ること、これしかありません。

良いことも、欠点も、自分を丸ごと知る、そして、今もっている能力や特技が手に入っている背景に対して理解を深めます。

以下のシートを参考にご紹介します。

◆自己承認シート【主体性の確立】

このシートのポイントは、以下3点です。

  1. 自分の良い所に目を向けること
  2. 自分の特徴や苦い経験全てが、価値感の形成や特技に繋がっていると知ること
  3. 自分だからこそできることがあると知ること

 

自己承認シート【主体性の確立】「自己承認シート」PDFはこちらから

 

【シート解説】

◇「1.自分の性格」

  • 長所と短所を挙げ、それぞれにつき、可能な範囲で、それらの長所・短所が手に入った「背景・理由」を挙げる
  • 長所が少なくならないように、なるべく多く挙げてみる
  • 長所か短所か迷ったら、両方に書く

◇「2.自分の価値感」

  • 自分が良いと思う価値感や考え方、好きな言葉などと、苦手な考え方などを挙げる
  • 良いと思うまではいかなくても、ふと気に止まるもの(例:言葉、人の態度、音楽、場所、活動、ニュースなど何でも)

◇「3.実現すると嬉しいこと=ビジョン」

  • 2番で挙げた自分の価値感や考え方に基づき、自分や世の中に関して実現すると嬉しいと思うことを挙げる

◇「4.自分の特技・人と違う特徴・感性」

  • 1番の「長所」との重複もあるかもしれないが「特技・人と違う自分の特徴」を挙げる
  • 自分がこれまでに得た幸せも挙げる
  • 特技は、人より少ない努力でできることや、やっていて楽しいこと・熱中することなど
  • 人との違いは特技・特性・長所として位置づける
  • 特技が身についた背景を、1番の右欄「長所・短所を手に入れた背景・理由」から矢印で繋げる
  • 可能な範囲で、1番の右欄「背景・理由」の多くから矢印を繋げてみる

◇「5.自分にできること・やってみたいこと」

  • 4番の特技を活かし、自分だからうまく出来るかもしれないこと、やってみたいことを挙げる

◇「3.実現すると嬉しいこと=ビジョン」へ戻る

  • 実現すると嬉しい世の中の幸せへ繋がる仕事などのために、自分の特徴が活かされていることを改めて確認する
  • 現実的には自分の特徴が活かされていない仕事をしていたとしても、ビジョンを眺めてみる

 

 

このように自分を理解することは、何を生み出すのでしょうか。

◆自己承認のために自分を知ることによって得られる3つの効果

1.自分の特徴や人生の全てに意味があったことに気づき、自分を大切にし、認めやすくなる

➡ 他者の特徴にも意味があることを理解し、他者をありのまま認めやすくなる

 

2.自分以外の人にも同じように特徴・価値感・経験・思いなどがあると気づく

➡ 他者への寄り添いへ繋がる

 

3.全ての経験が将来へ繋がると気づく

➡ 他者の成長を信じる力へ繋がる

 

簡単に言えば、相手との心の距離が近くなる効果があります。

これは、多様性の理解や協調性を養う上においても、欠かせない土台になります。

 

2.自分に自信をもつに足る手応えを得る

自分を知った後、自己承認作業を止めてしまうと、自分を信じられず、他者を認められない元の状態に戻ります。

継続して、以下の作業を行うことが大切です。

 

◆自分に自信をもつに足る手応えを集める

  1. うまくできたことを小さな事でも挙げる(自己評価、他者からの評価含め)
  2. うまくできたこと1つにつき複数の理由・背景を挙げる

 

【手応えを集めるポイント】

  • うまくできたこととは、仕事の成果だけはなく、人と楽しく関われたこと、誰も気づいていない自分だけの行動など何でも
  • 1で挙げたことがうまくできた背景には、必ず複数の理由がある。(自分の努力・経験を積み重ねた過去・感性など)
  • 「複数の理由・背景」には、他者や環境など自分以外に対する感謝を含めるよう意識する

 

集めた手応えは、・・・眺めましょう。PC・スマホから離れ、お茶でも飲みながら。

Just start with making time for yourself.

 

自分や相手をありのまま認める「承認」が当たり前という人々によって、より良い未来は創られていくでしょう。

 

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