【外国人VIP対応研修】VIPのサービス価値判断から逆算した教育を【英語/接客】
本記事では、以下の疑問を解決します。
- 外国人VIPに対応するために必要な能力とは
- どのような教育が効果的か
Contents
【外国人VIP対応研修】VIPのサービス価値判断から逆算した教育を【英語/接客】
外国人のVIPに対応する上で大切な能力は「確かなマインド」
外国人VIPに対応する上で大切な能力は、英語力?異文化理解?スマートな身のこなし?臨機応変な対応?ウィットに富んだ会話?
これらの能力があれば、やはりスムーズに対応できると思うので、VIP対応英語、異文化理解、対応力向上、会話力、等々の教育を行い、能力を身に付けていきましょう。
これらの教育は、間違いなく役に立つと思います。
しかしそれは、肝心要を抑えてからです。
外国人VIPを対応する人に必要な要素、それは、「どんな人物」が対応するのか=「マインド・心」です。
その対応者の魅力、人間性、仕事に対する姿勢、です。
外国人VIPが、「良い対応だった」「対応されて心地よかった」、そのように感じる時は、その対応/サービスの価値をプラスに評価した時です。
そして、外国人VIPが、対応/サービスの価値を評価する基準の中でも最も重要と言って良いものが、「どのような対応をされたか」以上に、「誰に対応されたか」です。
つまり、その対応者の「人として」の部分を見ているのです。
実際に観察しようと「見ている」というよりも、その対応者の「人」の部分を「察し」「感じ」、早い段階で「見抜き」、以降のご自身の心のスタンス(対応者との心の距離)を「決め」、結果、「その対応者に合わせつつ表面上は平和な態度を取る」又は「その対応者と人と人として関わることを自ら楽しむ」のです。
再度お伝えします。多くの外国人VIPは、目の前の対応者の英語力、異文化理解力、スマートな身のこなし、会話力自体を細かく気にして見ていません。
彼らは、目の前の対応者の「人」を感じとっているのです。
このように研修でお話すると、多くの受講者は顔を歪め、「怖いー」と仰います(笑)
外国人VIPは怖い存在?
確かに、もし対応者が、目の前のお客さまに興味を持たず、最低限の会話だけで対応業務を終わらせ、自分の仕事が大嫌いで、人の悪口を言って元気になるタイプでしたら、瞬時に相手を見抜くVIPが怖いと思うのは分かります。
ただ、もしかすると怖さは感じない程一瞬のうちに「場外」の存在になっているかもしれません。。。
もし対応者が、「目の前のお客さまを 今よりもっと 幸せにするためには?」を考え、自分なりの対応を模索・挑戦してみようという気持ちがあり、そして周囲の人々と楽しく働くことが出来ているのであれば、外国人VIPは怖い人ではないはずです。
むしろ、仕事であることを忘れるほど楽しくコミュニケーションを取れる相手になるかもしれません。
では、その「人」の部分とは、具体的には何で、どのように伸ばしていけば良いのか、ここが大切ですが、その前に、外国人VIPが心地よいと思う対応とは何かについて考えてみましょう。
外国人VIPが満足する対応に欠かせない2つのポイント
2つのポイントがあります。
一つめは、された対応や、相手と共に行った仕事等が、「仕事として完璧」であることです。
◆①まずは「仕事として完璧」であること
例えば
1.時間
- 準備をしっかり行い無駄な時間を産み出さなかったか
- 効率的、生産的に自分や皆の時間を使えたか
2.人
- 適材を配置できているか
- 共に働く人の仕事に対する姿勢や能力は整っているか
3.場所/環境
- そこにあるもの全てに意味があるか
- その場、環境を選ぶ意味があるか
4.価値
- 納得できる仕事ができたか
- 関わる人々の価値が活かされているか
私が出会ってきた多くの外国人VIP達は、このようなことを大切に、時には厳しく、気にしているようです。
たとえ英語堪能でコミュニケーション力の高い人であったとしても、仕事が雑であれば、外国人VIPは、その人のことを、心の中で「場外」に位置づけます。
相手が一緒にいて心地よい人物かどうか、どのような人間性を持っているのか、という部分に意識が向くには、相手がしっかりとした仕事を行う人物であることが大前提です。
たとえるならば、車を持っていないタクシー運転手が「私は安全運転をする高い意識と、車を動かすガソリンを沢山持っています!」と言っても、周囲からは、いち車、いちタクシーとして認知されていないような状態です。
優しい人格でも、仕事が雑ならば、いちパートナーとしては、そもそも認められないのです。
そして、「人」という部分についてです。
◆②対応者の「心・マインド・姿勢」が整い豊かであること
- ビジョン・目的意識
- 自己理解と承認、自文化理解と説明
- 他者理解・異文化理解と受容
- 仕事に向き合う姿勢
- 自主性・多様性・協調性
- チームに対する意識
◆ファーストクラス外国人VIPの言葉
外国人VIPは、温かい心をお持ちの人間味溢れる方が多いのですが、一方ではシビアに人を見ています。
以前、ファーストクラスに、 カナダ人のVIPがご搭乗になりました。そのお客さまは、仕事を兼ねて日本とシンガポールに行き、現地ではご友人とお会いになることを楽しみにしながら機内でお過ごしでした。
そのお客さまは、家具等を取り扱うインテリア関係の事業をされている方でしたが、話の流れから、仕事の成果を左右する要素についてのお考えをお話しくださいました。
色々な意味でのマネジメント(会社でのマネジメント、自分自身のマネジメント等)と、「誰と仕事をするか」が非常に重要だと仰いました。どのような人と仕事をすれば成果が出やすいかと言えば、仕事を完璧に行う為のマネジメントができることは基本であり、その先の成果を更に分けるのは、その人の人間性だそうです。その人間性の中には、明るく前向きかどうか、コミュニケーション力が高いかどうか、発想が柔軟で、多様性を受け入れることが出来るかどうか、だそうです。
そのお客さまは過去、知識やスキル面ではとても能力が高い部下をお持ちだったそうですが、人間性の部分で気になる要素があったそうです。それは、「リスク管理」という仮面を被った、「マイナス思考」「保守的な発想」でした。そのような特徴を持つ部下を一人、チームの中に置いておくだけで、チームの可能性とパワーが奪われていくのが分かったそうです。その部下は、結局その後すぐに、「平和に退職していった」そうです。
では、これから外国人VIPを応対する機会が増える日本人は、何を、どのように準備すれば良いのでしょうか。
外国人VIP対応力を上げる3つのポイント
まずは、仕事の質を高めることです。同時に、今のご自身の人間性を意識し、自信を持ち、高めながら、コミュニケーションの質を高めることです。
①仕事の質を高める
まずは、普段の仕事を、「私はこの仕事のプロ・職人・第一人者である」という意識を持って行っているかどうかが大切です。実際には、第一人者とまでは言えなくても、将来はそうなる意識を持って仕事に臨んでいるかどうかです。この意識が、「仕事に対するこだわり」を生み、仕事の質が高まり、相手が受け取るあなたの「姿勢」に対する印象が変わります。
では、その意識を、具体的にどのような行動に落とし込むのか、ここが重要です。絵に描いた餅で終わる人と、本当に「第一人者」になる人の分かれ道ですね。
次に、
②自分の人間性を意識し高める
まず、「あなたはどういう人間ですか?」という突然の問いに対して、どのような答えを返しますか?
自分では良く分からないわ~とか、自分のことをマイナス表現で語るとか、質問に向き合えずはぐらかすとか、このような方が研修でも何人かいらっしゃるのは事実です。
質問を変えてみます。「あなたはなぜこの仕事をしているのですか?」
この答えは、人によって分かれますね。自分の強みと合わせて、仕事をする理由が語れる人と、そうでない人。
しっかりと語れる人でも、その先の質問をすると、別人のように、動きが止まってしまう人が多いです。
「あなたは、仕事をする先に、どのようなイメージを持っているのですか?」「仕事をする目的は何ですか?」
簡単に言えば、大切なことは、自分を知ること、魅力を誇りに思うこと、目的意識がどこにあるのか、というグローバル人材に欠かせないマインドが備わっていることが大切です。
【2021年最新版】グローバル人材の定義と必須6大要素「あなたの育成能力も診断」
③コミュニケーションの質を高める
外国人VIP応対の質を高めたい場合は、そもそもの、社内コミュニケーションを高めておく必要が出てきます。なぜなら、外国人VIPを満足させる仕事は、対応者一人では達成出来ないことが多いからです。
また、社内という一番身近な人々とのコミュニケーションの質は、VIP対応の質に比例します。
VIPには「よそ行きの顔(対応)をする」、その仮面は通用しません。
「素の状態」が「周囲の人とのコミュニケーションを 気持ちよく築いている状態」であることが非常に大切なのです。
そして、相手のタイプを問わず、お客さま対応におけるコミュニケーションが高くなくてはいけません。察知力、会話力、所作、表情、そして、これらの土台になる意識です。
その上で、外国人VIPに応対する上でのコミュニケーション力が必要です。
外国人VIP対応力を高める教育(VIPのサービス価値判断から逆算)
グローバル顧客対応力向上の中でも、外国人VIP対応力向上というのは、ハードルが高いと感じる教育かもしれません。
弊所では、半日で導入部分を知って頂く導入研修と、2日間の総合研修の2種類の研修を提案しています。
【導入】外国人VIP対応を理解するための研修
ここでは、外国人顧客への応対とは何か、外国人顧客CSの理解、必要なマインドとスキル、実際の事例を知る、という外国人顧客対応やVIP対応における基本的なことを理解していただけます。
◆導入研修の目標
- 受講者が、仕事を通して関わる外国人とのコミュニケーションに対して前向きな気持ちになること
- 受講者が、外国人と関わる上での、ご自身なりのコミュニケーションを築くヒントを得ること
◆内容例(3時間)
- 日本人が 陥りやすい考え方や対応/日本の接客現場の現状理解
- 理想の外国人のお客さま対応とは 《「対応の目標」を決める基準 / 対応を目標に近づける為に欠かせない、CSを高める8要素/ 「対応」を決める基準 /グローバル顧客対応に欠かせない柔軟な発想を促すワーク等》
- スキルについて考える
- 落とし込み(「分かった」を「できる」に繋げるワーク)
※当研修では、英語コミュニケーション等のスキル付与をメインとしていません。
【総合】外国人VIP対応力養成研修
最低2日間が望ましいのが、外国人VIP対応力養成研修です。
◆総合研修の目標
- 受講者が、仕事を通して関わる外国人とのコミュニケーションに対して前向きな気持ちになること
- 受講者が、実際の業務において役に立つコミュニケーション力を身につけること
◆内容例(2日間)
- 外国人顧客CS向上に必要なマインド
- 異文化理解
- 価値が「伝わる」英語コミュニケーション&プレゼンテーション
- 対応力向上(お客さまのタイプ/英語の必要性/理想の英語レベル/基本の英語コミュニケーション/職種に応じた英語コミュニケーション) 等
※研修の特徴は、「分かった」を「できる」に変換するための実践型ロールプレイを中心としたワークです。
◆ロールプレイ
研修では、以下2点の観点から、ロールプレイを大切にしています。
1.ロールプレイで得る手応え・満足に注意
「ロールプレイをやって満足」「これで実践でもスムーズにできるようになるだろう」という「勢い任せの満足」で終わるのは、ロールプレイを行う意味を半分しか 満たしていません。
ロールプレイ中は、「ロールプレイを行いながら何を考え実行するのか」が非常に重要であり、その取り組み方が研修効果、現場品質を左右します。 意外に、ロールプレイは、行うことがメインの目的になっている教育が多いように感じます。
ロールプレイ中から、PDCAサイクルを 回す考え方をすることが大切です。ロールプレイでつまずいたことがあれば、その場で「二度とつまずかないための対策」を取って頂きます。
そして、接客現場における対応品質を上げるためには欠かせない「現場でのPDCA習慣化」は、そのまま現場へ持ち帰って頂きたいと願っています。
2.事例
そして、外国人顧客対応におけるロールプレイでは、多様性を踏まえた事例を取り扱うことが、非常に重要です。
同じ事例内容であっても、お客さまの数だけ要望や振舞いがあります。
その多様性を徹底的に事例に活かすことで、現場での実際の顧客対応が簡単に感じられるようになります。
事例によって、どのような種類の多様性を 選択することが効果的かという点については、事前のお打合せを踏まえつつ、講師の経験で判断させていただいております。
◆その他(受講者人数・英語力)
- 受講者人数は8名以下が理想です。
- 受講者人数に関わらず、2名の講師が担当します。
- 通常時の接客がある程度できる英語力が必要です。(英語が初級レベルの場合はカリキュラム内容と研修所要時間が変わります)
担当講師
この研修は、航空会社JALとANAで外国人VIP対応に豊富な経験を持ち、そのマインドとスキルを数多くの企業に対する研修で伝え続けている日本人バイリンガル講師2名が担当させて頂きます。
講師①
- グローバル人材教育 コンサルタント
- 元ANA国際線CA、18年の乗務歴
- 世界航空業界格付け機関Skytraxによる品質調査便指名チーフパーサー、ファーストクラス、多国籍クルーのチーフパーサー、VIP・皇族フライト
講師②
- 元JAL国際線CA、約20年の乗務歴
- 海外基地訓練、ファーストクラス資格付与訓練等の社内教育経験豊富
- 「英語」を楽しいに変えるCS講座、英語で日本のおもてなしを伝える講座
それ自体がサービスの価値になる「外国人対応力」を使い、お客さまを益々笑顔にしていってください。
update notice
最新の更新を
プッシュ通知で受け取る