【企業/自治体取り組み例】外国人へ安心安全の提供を
私共は日頃から、グローバル化対応教育を通し、企業/自治体/教育機関の方々へ、
「外国人に対する安心安全の提供の大切さ」をお伝えしています。
Contents
企業/自治体の「外国人へ安心安全の提供を」取り組み例
その草の根運動が、少しずつ実ってきたように思います。
取組み例をご紹介します。
緊急時館内放送の設定とアナウンス練習(地震/台風時対応)
ある企業では、それまではなかった「安心安全を提供するための館内放送」を新たに作りました。
従業員は、地震等が発生した場合は、基本的には日本語と英語で定められたアナウンスを読みます。
緊急時のアナウンスにおける大切なポイントの理解と、実際にアナウンス指導を受け、何度も練習を行いました。
まだ実際に館内で緊急時の放送を実施する機会はないようですが、従業員のみなさんは、「緊急時でも慌てずに外国人のお客さまに対応できる準備が整っていることで、普段の業務にも自信がもてるようになった」と仰っていました。
外国人のお客さまへの声掛け運動の浸透
普段お伝えしていることですが、外国人に安心安全を感じて頂きたいと願う気持ちも心寄せた親身な対応も、緊急時に突然湧いて出るものではありません。
普段から、従業員が外国人のお客さまのことを身近な存在として、心寄せて、家族や友人かのように思うことが大切です。
しかし、思うだけでは少し足りないのです。
そこを埋めるのが、普段からの信頼関係構築、身近な存在として接する機会を作ることです。
そのための簡単な方法が、「外国人(のお客さま)への声掛け運動」です。
「こんにちは!」とか「いらっしゃいませ!」「ハロー!」など、日本語でも英語でも良いので、声を掛けること、笑顔を交わすことが大切です。もし困っている外国人であれば、そこで助けを求められるかもしれません。
この声掛け運動は、外国人が安心を感じられることだけが目的ではなく、日本人の従業員や住民側にとって、外国人との心の距離が近くなったり、話しかけることへの抵抗が軽減されたりするというメリットがあります。
実は更なるメリットもあります。それは、そのお店や地域の価値が上がるというものです。(これは別の記事でお伝えしています)
ある企業/自治体では、この声掛け運動を研修受講直後からスタートさせましたが、1年、2年経ち、それが従業員たちに浸透してきたそうです。
これが理想です!!素晴らしい!!
ちなみに、研修で行う「声掛け運動練習」を受講者全員が行う効果は絶大のようです。
「声掛け運動をしましょう!」と言われても、いきなり外国人に声掛けなんて簡単にはできません。
しかし、この練習を行うと、「な~んだ!できるわ!たのしいわ!」と思いやすくなります。
食品アレルギーのお客さま対応
弊所HPで、一番アクセスが多いページのひとつが、飲食店@アレルギー確認用★英語が話せなくてもOK「外国人のお客さまへアレルギーの確認を正確に行うためのシート」 です。
どこかで役立てて頂いているのかと思うと、本当に嬉しいです。
ある飲食店では、シート下半分の「お持ち帰り部分」をアレンジし、次回のご来店に繋げるためのチケットにしていました。
実際に使用した店員さん曰く、アレルギーをもつお子さまを連れた外国人のお客さまからとても喜ばれたそうです。
「こんなサービス初めてだ」「親身な対応に心から感動した」と言われたそうです。
そして、「このシートはずっと使わせてもらうよ」と言って、お財布に入れて帰られたそうです。
アレルギーの確認は、口頭確認でも充分可能です。
しかし、「お客さまの健康に関わるアレルギーの確認は丁寧に行いたい」という姿勢が大切なのかもしれません。
今後へ向けた取り組み例
日本人による文化体験発信
日本人従業員による普段の「日本文化体験」は、外国人のお客さまにとっては、ガイドブックにも載っていない、日本人の生活を垣間見なければ知り得ない貴重な情報です。
このような情報を外国人のお客さまに積極的に発信しようと取り組んでいる企業もあります。
この企業は同時に、外国人のお客さま向けのイベント等も行っています。
どのような情報が喜ばれるのかを外国人にリサーチしたり、トライアルをしてみても良いと思いますが、従業員達に「外国人のお客さまに発信して喜んでほしいものはなにか」という考えがあることが重要です。
これがその企業の芯・軸になっていきます。
地域の魅力を発信
教育で様々な地域を訪れて思うことは、その地で働いたり、生活している人々は、あまりにもその地域の魅力に無自覚だということです。
教育含めた相談では、地域の魅力の再認識と発信の大切さについてお伝えしています。
外国人が「その地で生きる人々の中に見たいもの」とは何なのかを考えて頂くことが効果的です。
その「見たいもの」に外国人自身が気付いていないことがあります。
でもまず、そこに生きる意味や価値に、人々が気付くことが重要なのです。
外国人のお客さまへの声掛け運動練習を行っていても、そこに生きる日本人の、この「スタンス」が大切な影響を与えています。
学生・小学生が外国人とのコミュニケーションに感心をもつ
最近の傾向は、学校機関での教育のご依頼を頂くことが増えているということです。
外国人とのコミュニケーションを教える授業はあるけれど、不足があると考える先生方がとても多いことが分かりました。
私共が社会人、学生問わず伝えているのは、
- 異文化の理解と受け入れ
- それを支える自文化への理解と誇り
- コミュニケーションに必要な主体性
- コミュニケーションを共に創っていく協調性
という部分までは、学校では教えきれないそうです。
取り組みに正解はない
様々な外国人が日本へ訪れ続ける現状において、「これをやれば正解!」というサービスはありません。
とにかく「やってみよう!」と、どんどん動いてみるしかないのです。
他社で成功したサービスが、自社でも成功するとは限りません。
成功する確信が持てれば動いてみる、という考えも見受けられますが、まずは思いついたサービスを少しずつやってみて、外国人のお客さまの反応を見て、継続したり修正してはいかがでしょうか。
新しい取り組みを行おうとしても、うちは従業員が多いから難しい、ということもあると思います。
しかし、従業員が多いことと、新しいサービスを取り入れお客さまに喜ばれ成功することは難しいことは、イコールではないはずです。
従業員が多いこと、現場の人間が柔軟ではないと嘆くなど、どの会社も似たようなような悩みがあるようです。
「それでも、動きを止めないから成果が出ているのだろう」と感じることがあります。
新しいサービスにチャレンジしたり、チャレンジを止めない企業/自治体に共通していることは、「熱い思いを持った人が働いている」ことです。
やはり、人なのです。ここに尽きると感じます。
思いを育てることが大切です。
自治体「住民の幸せと外国人の満足を両立させるために」
「住民の幸せと外国人の笑顔の両立」と「外国人から選ばれ・更に愛される地域作り」には、大切な要素があります。
ハード面だけではなく、グローバルマインドや受け入れの心を、地域に広めてください。
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