飲食店@アレルギー確認用★英語が話せなくてもOK「外国人のお客さまへアレルギーの確認を正確に行うためのシート」
今回は、飲食店で外国人のお客さまにアレルギーの確認を正確に行うためのヒアリングシートをご紹介します。
このシートの目的は、 言語で充分コミュニケーションが取れない日本人従業員と外国人のお客さまが正確に意思疎通を図るための一助となることで、日本を訪れている外国人のお客さまに安心安全を提供することです。
店舗で、外国人のお客さまに安心安全の提供を心掛ける取り組みをまだ行っていない場合は、是非参考にしていただけると嬉しいです。そして、自社仕様に作り替えていってください。
アレルギー対応における大切なこと
日頃から
- アレルギー食材に関する知識を深めておきましょう
- 従業員同士のコミュニケーション力を高めておきましょう
アレルギーをお持ちのお客さまがいらっしゃった場合
- アレルギーの確認は、お客さまの命に関わりかねない大切な作業です。正確な知識を持ち、お客さまとのコミュニケーションには念には念を入れて丁寧に行うことで、誤解が生じないよう最大限の注意を払いましょう。
- アレルギーをお持ちのお客さまの情報は、全ての従業員が、同じ情報を、瞬時に共有しましょう。
お客さまが、万が一重度のアレルギーをお持ちであれば、誤った食材を口にすることは、命に関わりかねません。アレルギー確認は、それほど重要なのだと思って対応するスタンスが大切だと思います。
そして、お客さまにアレルギーがあると分かった時点で、その情報は、すぐに、そこで働く全ての従業員(そのお客さまに関わる機会が1%でもある方)に周知されることが大切です。小麦粉アレルギーのお客さまがいらっしゃることを、そのテーブル担当の従業員は把握していたけれど、その情報を知らされていなかったその他の従業員が、気を利かせて「パンのおかわりはいかがですか?」とアプローチしてしまうことのないように。
質の高い接客サービスには、チームの力、チームのコミュニケーション力が必要です。日頃から、従業員間のコミュニケーション力を高めておきましょう。
ヒアリングシートを使うメリット
今回のシートは、言語で充分コミュニケーションが取れない日本人従業員と外国人のお客さまが、正確に意思疎通を図ることを目的としています。
シート下部のアレルギー表は、お客さまに示しながら活用したり、従業員と話しながらお客さまご自身にご記入いただくと良いと思います。日本語と外国語で書かれている今回のようなヒアリングシートを使うメリットは、
1.必要な情報をお客さまから漏れなく頂戴することができます
ヒアリングシート内のアレルギー食材チェック表を、食材に付けられた番号と共に相互確認しましょう。どのお客さまがアレルギーをお持ちなのかも、しっかりと確認しましょう。(親御さんがお子さまのアレルギーを説明する場合、通訳者が他の外国人のお客さまのアレルギーを説明する場合等、注意しましょう)。
2.お客さまが感じる安心感がアップします
アレルギーをお持ちの外国人のお客さまにとっては、言葉も通じない、誰もお店の人は対応してくれない、対応してくれても日本語が話せないから通じ合っていないと感じる・・・これは不安で、食事を楽しむ以前のお気持ちだと思います。
自分のアレルギーを正確に把握しようとアプローチし、視覚情報を用いながら丁寧に情報を聞き出そうと努力する日本人がいることは、大きな安心に繋がるでしょう。
3.お客さまの快適な日本滞在のお手伝いに繋がります
ヒアリングシートを基に聞き出した情報は、そのお客さまがその後、他の飲食店を利用する際にもまた日本人店員に伝えなければならない情報です。
使用後のシートは、そのお客さまにお渡しし、「今後の日本滞在で必要になった時は、これを使ってください」とお伝えしましょう。
ヒアリングシート使用にあたって
それでは、シートを使う際のポイントをお伝えします。
- まず信頼関係が大切です。対応スタッフは、ご来店くださったお客さまに歓迎の気持ちを伝え、 「私が対応させていただきます。」と、 ご自身の名前をゆっくりと名乗りましょう。
- なるべくお客さまの目を見て対応すると良いでしょう。
- 上手な英語は必ずしも必要ありません。英語が話せない外国人のお客さまが聞いても、聞き取りやすくて理解しやすいことを一番意識して話しましょう。
- お客さまご自身にアレルギー食材表にチェックを付けてご記入いただいた場合は特に、スタッフは食材名とその食材に付けられた番号を、口頭で復唱しながら確認しましょう。
- お客さまがアレルギー食材表に記載されていない食材にアレルギーをお持ちの場合は、スマホ等を活用し、食材の名前や写真を相互確認しましょう。
ヒアリングシートの目的は、前述の通り、「 英語が話せないスタッフでも、外国人のお客さまに安心安全を提供すること」です。
そのためには、ヒアリングシートを活用することは良いのですが、シートに頼りすぎることはNGです。つまり、「シートに記入してください」だけで済ませては、シートの存在が逆効果になりかねません。
大切なことは、「不安なお客さまに少しでも安心を感じてほしい」という気持ちを忘れないこと、そして、安心を感じていただきやすくするために、ヒアリングシートをコミュニケーションツールの一つとして利用する、ということです。
日本語や英語でコミュニケーションを取ることが難しくても、お客さまと向き合い、安心を感じてもらおうと、誠意を持ってコミュニケーションを取ることが何よりも大切です。
以下の情報も、是非ご活用ください。
「電車内アナウンス★電車を利用する外国人のお客さまへ安心の提供を」
「商業施設内アナウンス★買い物を楽しまれる外国人のお客さまへ安心の提供を(地震発生等に備えて)」
「安全/警備スタッフ用ヒアリングシート★体調不良のお客さまへの聞き取りヒアリングシート」