「責任者を出せ!」上司のクレーム対応簡単5ステップ【悪質クレーム&英語対応も】

本記事では、

  • 「責任者を出せ」と言われたときの責任者としての対応と心得を知りたい
  • 悪質クレームの場合はどうすれば良いの?
  • 咄嗟の対応に使える対応チャートやスタッフ教育ツールが欲しい

このような疑問に答えていきます。

 

このような方へ向けた記事です。

  • 顧客対応の責任者
  • スタッフ教育担当者

外国人のお客さま対応を前提としていますが、日本人のお客さまに対しても同じです。

記事を書いている私は、グローバル人材教育 コンサルタントです。

  • 20年以上のグローバル人材のマネジメント・採用・育成の経験
  • 航空機関格付け調査Skytraxにて日本で唯一5つ星★獲得のANAで品質調査便責任者の経験
  • 世界一のレストラン・デンマークnomaの海外初出店舗にてグローバル顧客対応教育実施(ミシュラン星★獲得/World Restaurant Award等受賞)

 

それでは、責任者の対応を解説していきます。

※悪質クレームの場合は、目次「悪質クレームの場合」へ飛んでください。

「責任者を出せ!」上司のクレーム対応簡単5ステップ

クレーム対応「上司を出せ!」責任者の対応簡単5ステップ

 

責任者としてのクレーム対応簡単5ステップはこちらです。

Step.1マインドセットマイナス感情の置き換え・寄り添う①・感謝・謙虚・自分を信じる
Step.2状況整理ロジカルになる・問題の本質を見極める
Step.3寄り添う②意識はお客さまと対面ではなく「隣にいる」
Step.4解決お詫び・解決策の提示・解決のための行動
Step.5寄り添う③お客さまの納得度を見極める
事後即!!再発防止策原因の本質を見極める・即時に対策を取る

 

順番に解説していきます。

 

Step.1 マインドセット

お客さまは、こちらが思っている以上に、スタッフの心の声が聞こえています。心が伴った顧客対応・クレーム対応でなければ、クレームは形を変えて頻発し、自分自身の心も組織もいずれ追い込まれます。

目先のクレームが解決できれば充分であれば、本記事はお役に立てないかもしれません。

 

瞬間的なマインドセット

トラブル発生の一報を受けたら、マイナス感情(嫌だな・・・怖いな・・・忙しいのに・・・)が出てくる前に、瞬間的に以下のマインドセットをします。

 

  • 【寄り添う】お客さまの立場になり寄り添う
  • 【感謝】声を挙げてくださったお客さまに感謝

 

しかし、咄嗟にマイナス感情が出てくる状態を解消しなければ顧客対応スキルは一向に上がらないので、日頃から以下のポイントを踏まえ、じっくりマインドセットにも向き合いましょう。

 

じっくりマインドセット

  1. トラブル発生第一報を受けた際の感情を瞬間的に前向きに置き換えることを忘れない
  2. お客さまを自分の大切な人にあてはめ思い、心情に寄り添う
  3. お客さまが意見を挙げてくださったことに対し、心から感謝の気持ちを抱く
  4. 原因を謙虚な視点で予測する
  5. トラブルは必ず解決し、お客さまの心もほぐれ、良い関係が築けるという前提をもつ
  6. 解決できると自分を信じ、積極的にお客さまの元へ出向く
  7. (こちらに不手際がある場合)お客さまが被った迷惑を重く捉え、心から申し訳なかったと思う
  8. (こちらに非がない場合)トラブルに遭ったお客さまに対して心から同情する
  9. お客さまとの関係構築のスタートに感謝する
  10. 前向きに、誠心誠意対応する自分の背中を見て後輩が育つと理解する

 

 

これによって、咄嗟の時に自分から「寄り添い、感謝、謙虚さ」が自然と滲み出てくるようになるでしょう。

次に、問題の状況を整理し理解します。

 

Step.2 状況整理

状況整理のポイント

  1. 誰よりも冷静に、誰よりもロジカルになる
  2. 真の原因を見極める

 

まず、外国人のお客さまのクレームの特徴です。

◆外国人のお客さまのクレーム特徴

クレームを言うときの外国人のお客さまは、「今、自分が話をしているスタッフの 権限がどこまであるのか」ということを、日本人のお客さまより気にすることが多いようです。

Are you the chief? と、まず確認するお客さまもいます。

I need to talk to the chief. と、最初から言うお客さまもいます。

「外国人」と言ってもひとつのパターンでは決して、決して、ありませんが、外国人のお客さまは、建設的に話したい!という想いが、日本人より強く感じられます。

クレームを言う場合、日本人(アジア圏)は感情任せに主張する方が比較的多い気がします。アジア圏以外の外国人の場合は、感情豊かな性格や国民性などは当然あるものの、ロジカルな印象があります。

 

誰よりも冷静に、誰よりもロジカルになる

ですから、外国人のお客さまからのクレームを頂いたらまず最初に行うことは、あなたもロジカルになることです。

  • 冷静に考える努力をします
  • 目の前のお客さまがもしも激高していても、あなたの心は振り回されてはいけません
  • 建設的に話を進めることが、お客さまのためだと理解します

 

もしお客さまが感情的に主張をする場合は、その感情を受け止めることが最初のステップであると冷静に考え、受け止めます。知っています。言うは易く行うは難し、です。「冷静になれ」「ロジカルになれ」と言われて簡単になれるものではありません。特に、怒っているお客さまが目の前にいる場合は。

これはもう、自分なりに経験を積み、感覚を掴むしかありませんが、その手助けとして、クレームをいただいた時にまず最初に行うStep1マインドセットの練習を日ごろから意識して行いましょう。

ポイントは、「目の前のお客さまの立場になること」です。慣れれば簡単になり、1秒でマインドセットできるようになります。

 

マインドが適切にセットできた状態でお客さま対応をすることは、「理想」なのではありません。サービス品質を真剣に考えた場合、これは「必須」の手順とも言えます。

 

真の原因を見極める

その上で、真の原因を見極めます。お客さまが思っている原因が真の原因とは限りません。

適切に問題を解決してより良い状態を得るためにクレームを言う人もいれば、高ぶった感情をぶつけたいからクレームを言っている人(店員を言葉で責めることでスッキリする)もいます。

つまり、クレームのマニュアル本に沿って対応していては、解決できないのです。お客様の状態、目的に合った対応が求められるのですね。

この、「お客様が怒っている真の目的」を的確に把握して初めて、自分が取るべき態度、対応が分かるのです。誰よりも冷静でロジカルなあなたが、最も的確に真の原因を見極められるはずです。

 

Step.3 寄り添う②

お客さまの前に出たら再度寄り添います。

 

「お客さまVS自分」ではなく「お客さま=自分」に

Step.1のマインドセットで「お客さまの立場になり、お客さまのきもちに寄り添う」は行いましたが、この意識は、ご立腹のお客さまの前に出た途端に静かにフェードアウトし、代わりに「お客さまを説得する」「こちらの事情を主張する」という、「お客さま VS 自分」という構図にすり替わることがあります

それを避けるために、お客さまの前に出たら再度寄り添い、「お客さま=自分」という構図を作ります

「お客さま VS 自分」ではなく「お客さま=自分」

 

お客さまを自分の大切な人に置き換える

自分の大切な人が困っている・怒っている情景を見たら、「どうしたの?」「何があったの?」「私に教えて」「私にできることはない?」と心は瞬間的に寄り添うでしょう。

同じことを、怒っている・威圧的な・感情的なお客さまに対しても行うことができれば、問題は比較的早く解決します。

お客さまを自分の大切な人に置き換え考える

 

Step.4 解決

では、責任者が出ていくことになりました。責任者のあなたは出ていきました。俯く可愛い後輩(部下)が、お客さまから不快な顔をされています。さあ、どうしましょう。

 

責任者は「チーム力」を勘違いしてはいけない

たまに見かけるのが、責任者としての対応が、これは痛い…という場面です。

たとえば、社員に団結力があるのは良いのですが、部下や後輩を信じるあまり、お客さまの前で後輩の肩を持つような態度を取ることです。これはいけません。お客さまの主張を信じていないことになります。

そのような対応を見たお客さまは、「この会社とは、話しても無駄だ。責任者がこれじゃあ…」となります。責任者がこのレベルでは話す時間が無駄になってしまうのです。これでは、貴重なご意見であるクレームの詳細を聞くこともできず、何の発展にも繋がりません。

 

しかし、責任者を責めてはいけません。悪気はありませんし、後輩思いなのです。または、責任者が若いころ、正しい対応を見せてくれる先輩がいなかったのかもしれません。人を責めても何も生まれません。これから正しく対応出来るようになればいいのです。

 

◆責任者としての「相手を思うこと」とは

責任者に良く見られる、間違った「思いやり」。後輩をかばう気持ちがあるのは良いのですが、ここでもポイントは「相手の立場で考えること」です。

お客さまからクレームを貰った後輩のためを思うと、肩を持つ、かばってあげることが、後輩のためになるのでしょうか。クレームの原因は分かりません。後輩に非があるのかないのか、まだ分かりません。

でも、後輩がクレームを担当したのは事実です。後輩が同じような事態を再発させないためにも、お客さまが怒るまで至らぬようにトラブルの芽を摘むためにも、後輩が今後同じような事態を自分で解決できるように成長するためにも、トラブルの事実を確認もしないで、後輩をかばっていてはいけません。後輩のためになっていません。

 

責任者は、目の前のクレームを適切に解決して見せることが、後輩のためです。更にそれだけではなく、何よりも、お客さまの気持ちや立場を考えて行動しなければいけません。

 

責任者としての対応とは

では、責任者のあなたは、どうしたらいいのでしょう。答えはひとつではありませんが、まずは、

 

①ご意見を下さるお客さまに誠心誠意対応し、お困り事やお気持ちを解決

  • クレームが起こってしまった原因を正しく把握し、解決します
  • お客さまの気持ちを考え、出来る限りの対応をします
  • トラブルの原因を責めるのではなく、防げなかった自分のマネジメントを反省します
  • お客さまの主張が明らかに間違っていても、お客さまがそれを「正しい」と思い込んでいるのには、何かしらの理由があります
  • お客さまの間違いを責めたり、「明らかにしてやろう」としてはいけません
  • 何故お客さまの「誤解」は本当に防げなかったのか?会社のサービスや自分たちの業務について振り返る機会をいただけたのです。

 

②責任者が代わりに、後輩の状況をお客さまに説明

後輩に非があった場合は、何が原因でトラブルが起こったのか、という状況を、冷静にあなたがお客さまに説明することによって、お客さまは、何故この問題が起こったのかを冷静に理解することができます。

後輩が当然と思って行ったことがお客さまにとって不快だったとしても、後輩が何故それを当然と思ったのか、その背景を伝えます。責任者としてお客さまに説明し理解していただくことで、悪気がなかった後輩を、結果かばうことにもなります。

目の前でお客さまのクレームを解決し、お客さまの気持ちを和らげて信頼関係まで築く責任者の姿を後輩に見せてあげましょう。

 

※状況の説明

  • お客さまが抱えるトラブルや要求等を最初に解決してからの方が良い場合があります。
  • 解決前に説明をすると、言い訳に聞こえる場合がありますが、解決前に伝えることが効果的な場合もあります。
  • こちらの伝えたいことは同じなのに、言い訳に聞こえる伝え方と、「お客さまを仲間として結果引き込んでしまう」伝え方があります。注意が必要ですが、マインドが整った対応者であれば、自然とうまく説明できていると思います。

 

「責任者と話したい」と言われたら

例えば、外国人のお客さまが、あなたの同僚に対してご立腹のご様子です。「君は失礼だ!」などと言っているのでしょうか、その同僚はお客さまに叱られ、俯いています。

 

そこでもし、責任者ではないあなたが、お客さまから、

I need to talk to the chief. と言われたら、どうしますか?

OK. OK. Just a moment. と言って、素直に責任者を呼びに行きますか?

 

正解はありません。 責任者をすぐに呼ばなければいけないような、そのお客さまの「ただ事ではない雰囲気」というものがあれば、それは、その場にいたスタッフにしか感じ取ることが出来ないものなので、素直にすぐに責任者を呼びに行って正解です。

 

別の選択肢として、

まずはあなたがお客さまの話を伺ってみる

まずはあなたが、出来る限り対応する、という行動を取ることも出来ます。

「責任者を出せ」と言われたあなたは、まずは自分にご意見を言っていただきたいと思ったとします。あなたで解決できることかもしれませんし、責任者に丸投げにするより誠意ある対応に結果なるかもしれません。

ここで少し注意することは、「責任者を出せ」というお客さまのリクエストに「NO」と答えることではありません。 「責任者と話したい」というお客さまのお気持ちは、そのまま受け止めます。責任者と話さなければ納得できない程、不快な思いをされたのかもしれません。

ですから、「かしこまりました。もちろん責任者をお呼びします。」という姿勢を、まずは整えます。その姿勢をお客さまに見せます。

その上で、責任者は呼んで参りますが、そのトラブルは、私にも解決はできませんか?その同僚が何か失礼なことをしたとしたら、その原因は、私にもあるかもしれません。お客さまを困らせている(お客さまに迷惑を掛けている)その問題、私も解決させていただきたいです。責任者ではなくても、私にもお客さまに対する責任がありますから。。。という思いです。

 

完璧な英語で言えなくても、全く構いません。

Could I possibly hear your situation?

Of course, briefly is OK…

など、あなたの気持ちをそのまま伝えれば良いのです。

 

あなたの「私もお話を伺いたい。解決したい。」という気持ちを伝えた上でも、やはり「責任者と話したい」とお客さまが仰るのであれば、そこは素直に、「分かりました。すぐに呼んでまいります。」で良いでしょう。

 

※注意 your complaintsは ✖

一点注意していただきたいことがあります。ここでは、間違っても、

Could I possibly know your complaints?とは言わないでくださいね。

これでは、「あなたのクレームを教えてください」となってしまいます。

お客さまは「クレームを言っている」つもりはありませんし、「クレーマー」だと思われたくありません。正当な主張を行っているだけですから。

 

◆責任者ではないあなたが「責任者を出せ」と言われたら

  • まず自分が話を伺えないか試してみる
  • お客さまの要望にNoではなく「私もお客さまの問題を解決したい、できるかもしれない」という誠意
  • “complaints”とは言わない
  • それでも「責任者と話したい」と言われたら、速やかに呼びに行く

 

その他、英語使用における注意点・ポイントです。

 

英語に自信がないとき

 

お客さまに聞き返すとき

 

丁寧すぎは無礼にもなり得る

 

つい謝ってしまう日本人

 

基本的な接客英語に自信がない方は、何か1冊、接客英語フレーズ本を選び、繰り返し目を通しながら実際に使ってみる、という繰り返しをしてみましょう。

また、その本に載っていないけれど自分にとって使い勝手の良いフレーズを書き足し、自分の1冊に仕上げていけば良いと思います。

 

解決場面において最後に大切なことは、あなたの姿勢が後輩育成に繋がるということです。

 

率先した行動を後輩に見せる

後輩にとって、お客さまに親身に寄り添い、誠心誠意仕事に向き合うあなたの背中を見ることは、どのような研修を受けるよりも深い学びを得るでしょう

 

Step.5 寄り添う③

トラブルが解決しても気を抜くのはまだ早いかもしれません。

◆トラブルが一旦解決した時の意識ポイント

  1. トラブルが解決した時のマインドセット(まだ何かできることがあるはず。)
  2. 会話からお客さまに貢献できるヒントを得る
  3. 個として対応(あなたらしさを出しても良い場合がある)

 

トラブル解決後に本題が出る場合がある

お客さまは、トラブルが解決した後で本心や、もっと根深いトラブルの存在を話し始めることが多々あります。

そのような隠れた情報を引き出せるのは、目先のトラブル解決に気を抜くスタッフではなく、「本当にお客さまの問題は解決したのか?」「他に何かできることが残っていないか?」と考えている誠実なスタッフです。

 

更なる貢献を模索する

お客さまとの会話を思い出し、更なる貢献ができないか考えてみましょう。(何も思いつかなくても全く問題ありません。)

最後は、最敬礼をし、感謝の気持ちを丁寧なお辞儀に込めて、お客さまを見送りましょう。外国人のお客さまは、このような接遇態度から、私たちの想像以上のインパクトを受けているものです。

 

悪質クレームの場合

クレームが悪質の場合は、話は全く変わります。スタッフは動揺し、恐怖を感じることもありますが、毅然とした態度で対応しましょう。

 

◆悪質クレーム判断基準

基本的には、個々の社会通念に照らして判断すればよいとありますが、例えば、

  • 欠陥があった商品の代金より、高額な賠償を要求
  • 謝罪として土下座を求めるもの
  • 従業員の解雇を求める要求
  • 実現不可能な要求(法律を変える、子どもを泣き止ませるなど)
  • 発生した事実に対して、相応に対応したにもかかわらず、社長や企業トップをだせという要求

UA ゼンセン一般労働組合同盟による「悪質クレームの定義とその対応に関するガイドライン」

 

悪質クレーム対応時のポイント

  • 出来る限り複数人で対応(スタッフは悪質クレーム発生場所に速やかに集まる習慣を)
  • 可能な範囲で証拠を残す(人手が足りていれば証拠保全も可能になります)
  • 堂々と大きな声で対応し、周りの人々が状況把握できるようにする(証人確保に繋がります)
  • 対応者自身が恐怖(恐喝・身の危険)を感じたら、迷わず警備・警察を呼ぶ(恐怖は2回以上我慢しない)
  • 【日頃から】会社は、迷わず正確に無駄なく対応できるガイドラインを用意しておく
  • 【日頃から】ご要望に応えられない理由を頭に入れておく(法令の説明など)

 

外国人のお客さまによる悪質クレーム対応時のポイント

  • 日本の法律の無理解が原因の場合もありますが、毅然と”No, because ___” “This is not allowed due to ___”などと説明しましょう。悪質であれば、笑顔も申し訳なさそうな表情も必要ありません。
  • 威圧的な態度に圧倒されることもあるでしょうが、世界には”威圧的に自己主張することが正義”という価値感もありますし、”相手の事情を察し広い心で紳士的に振舞うことが評価される”という価値感に接したこともない人もいます。文化が違うだけで、同じ欲求をもった人間同士なので、気にしなくて大丈夫です。
  • ”威圧的な態度や悪質なクレームは通用しない”という日本の常識を、あなたが最初にお伝えする役目があると捉え、毅然と対応しましょう。あなたの勇気ある対応は、見ず知らずの多くの日本人店員を救います。

 

悪質クレーム対応英語フレーズ

  • We can not accept your request, because___.(その要望には応えられません、なぜなら・・・)
  • Your behavior is prohibited by law.(その行為は法令によって禁止されています)
  • We need to call the police/security.(警察/警備に連絡します)
  • I know what you mean, but this is our policy.(お話は分かりますが、これが我々のポリシーです)
  • I understand your feeling, but our top priority is customer’s safety.(お気持ちは分かりますが、我々が最優先すべきはお客さまの安全です)

 

英語の使い方・表現

悪質クレーム対応に欠かせない毅然とした英語対応のポイントは、

  • 笑顔も、同情も必要ない
  • 要望に応えられない ”No” だけではなく、必ず理由 “,because ___” を伝える
  • 動作は重くどっしり感を出す(足のソワソワ感、激しいジェスチャー、顔周りを頻繁に触るなどしない)
  • 文化の違い(日本や世界の文化の無理解)が原因である場合があるので、そこは広い心で受け止める
  • お客さまの目をしっかりと見る(「威嚇の目」ではなく「何があっても私は動じませんという強く優しい目」)
  • 英語は低い声で、ゆっくりと、通じるように話す
  • 重要ポイントは繰り返したり、敢えて日本語で伝える(「あなたの本気」が伝わるように)

 

以下記事をご覧ください。

 

 

【事後】即!!再発防止に動く

後輩にフィードバック

フィードバックをする目的は、後輩が今後、何に気を付ければ良いのかが具体的に分かるようにすることと、今後の仕事に対してモチベーションを上げられるようにすること、などを意識するといいと思います。後輩の良さがお客さまのもとにスムーズに届くために、フィードバックは行います。

 

後輩があなたからのフィードバックを快く思っていないと感じる場合は、あなたの「他者理解力」「他者承認と評価」が不足しているサインです。謙虚に受け止めるしかありません。

「態度が悪い後輩に原因がある」などと、自分以外に原因を見出してはいけません。他責習慣がある人が持続成長することはありません。

 

顧客対応ガイドラインに反映

クレーム対応に正解はなく、対応力を身に付けことが大切です。しかし、それは、クレームを生まない組織体質の構築に手を付けないこととは関係ありません。

  1. 従業員が迷い無くクレーム対応できる材料は最新の状態で整っていますか
  2. 対応を決めるための判断基準は明確に設定されていますか
  3. 判断基準の優先順位は従業員の中で常識にまで落とし込まれていますか

 

対応力向上を強化する前に、組織としてできることを行い、体制を整えることが大変効果的です。しっかりとした顧客対応ガイドラインがあった上で、それ以上の対応はスタッフに任せるのが、持続可能な発展をしていく組織です。

クレームやトラブルを解決するスキルを身につけるだけではなく、クレームを生まない従業員体質と、顧客満足度が上がる組織体質を築いていきましょう。

 

クレームを生まない組織の特徴

クレームを生まない組織の特徴

 

「顧客対応に正解・不正解はない」という自由闊達な風土

まず大切なことは、クレーム対応に、正解不正解はないということを、責任者も会社も理解しておくことです。

その現場に居合わせた責任者がこれがベストだと判断したことを、その場におらず、責任者としての対応もしていない外野が「もっとこうすべきだった」等と言えません。

現場で必死に顧客対応をした責任者やスタッフが、オフィスに戻り、上司から「そういう時は○○しなければいけなかったのに」などと言われるような組織では、顧客対応の質は上がりにくいです。

 

  • 上司から自分が行った対応を非難される
  • 自分の頑張り・必死さ・辛さを理解してもらえない

 

この状況は、本人の中に「承認欲求」を残します。承認欲求を抱えた人は、頑張る理由が「認められて自分の心の穴を埋めるため」「相手を見返すため」となり易く、「自己証明」「自己防衛」「自己実現」のために意識・行動を費やします。

それはつまり、意識がお客さまへの価値提供に集中しておらず、この状態から良質な顧客対応は生まれにくいです。

ですから、まずは「お客さまのことを考え、自分なりにベストだと思い取った行動に正解・不正解はない」という前提を組織で共有することが大切です。

 

上司から承認されない人が陥りがちな状態と、部下を承認できない上司の内面的特徴について、以下記事にて解説しています。

 

組織や従業員にビジョン意識が浸透している

ビジョンがなかったり、ビジョン意識が低い人から生まれる価値は、持続可能な発展には繋がりません。

 

クレーム対応チャート

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