英語クレーム対応「丁寧な表現と丁寧過ぎて逆効果の表現」

接客英語は基本的には丁寧な英語を使います。

しかし、特にご立腹のお客さまには、丁寧すぎる英語が逆効果になることもあります。

英語クレーム対応「丁寧な表現と丁寧過ぎて逆効果の表現」

英語クレーム対応「丁寧な表現と丁寧過ぎて逆効果の表現」

 

お客様に何かを依頼する場面を考えてみましょう。

例えば、

Would you mind reading this caution.(この注意書きを読んでいただけますでしょうか。)

Would you mind reading this caution, please?

 

mind ~ing はそれ自体、既に丁寧な言い方ですね。

そこに更にpleaseを付けるのは、丁寧になり過ぎてしまうので不要、というアメリカ英語と、pleaseは必要、というイギリス英語という差はありますが、ご立腹のお客様に対して、丁寧に言い過ぎてしまうのは気を付けた方が良い場面があります。

 

また、お客さまが、こちらが依頼した動作をしている最中に掛ける声掛けの最後に ”___,please?” と言う場合も、急かしている印象を与えることもあるので注意しましょう。

例えば、

こちらがお願いした通り、お客さまが今注意書きを読んでいる最中に、

Read this caution, please?

と言えば、最後のpleaseで、急かされていると感じさせてしまうことがあります。

このような場合は、pleaseを文頭に入れましょう。

Please read this caution.

 

お客さまに何かを依頼するとき

○  Please read this caution.

○  Would you mind reading this caution?

○△ Would you mind reading this caution, please?(丁寧過ぎる場合も)

 

お客さまが依頼した行動を取っている最中

○  Please read this caution.

△  Read this caution, please?

※Pleaseを文頭に入れる

 

 

航空機内の事例

例えば機内の事例「お客様を誤った席にご案内」を元に考えてみます。

 

ご搭乗されたお客様が、搭乗券を見せて「この席はどこですか?」とCAに尋ねました。

CAは「こちらでございます」と誤った座席をご案内してしまいました。

しばらくすると、その座席に本来そこに座るはずのお客様がやって来ました。

誤って案内された最初のお客さまは、既に荷物も片付け、靴も脱ぎ、リラックスモードに入っていたため、少々気分を悪くしました。

 

気が付いたCAはそのお客様に謝り、荷物を手伝い、正しい座席にご案内しようとします。

そのCAの気持ちを考えると、自分のせいでお客様に迷惑を掛けてしまい不快な思いをさせたのですから、最も丁重な言い方で座席を移動してくださいと言いたくなります。

 

文法的には正解ですが、

Would you please move to the correct seat. please? よりも、確か、

Would you mind moving to the correct seat, please? のほうが、英語の文法的にも、丁寧だったはず。。。

 

確かに丁寧なのですがイライラされているお客様からすれば、「分かってるよ」という気持ちになります。

移動しなければいけないことは分かっている、このCAがわざと間違えたのではないことも分かっている、リラックスしていたところにこんなことになりイライラしてしまうけれど、分かっているんだよ、俺は!ネチネチ頼むんじゃないよ!移動するよ!分かっているよ! という感情になってしまいかねません。

 

 

接客に正解はありませんが、

I am so sorry, but would you please move to the correct seat. Let me help you with your baggage.

(間違って席をご案内したことは謝ります。申し訳ありません。私のミスです。すみませんが、正しい座席に移ってくださるよう、ご協力をお願いします。)

この程度でも良いのかもしれませんね。

臨機応変に、お客様を見極めて、ですね!

 

感じの良い頼み方

例えば、お客様に「ゲートへ向かってください」と依頼するとき、

Would you proceed to the gate, now?

Would you possibly proceed to the gate, now? 

後者の方が感じが良い頼み方ですね。

possiblyを入れ、文章が長くなりましたが、文章が長くなると、英語はより丁寧に聞こえます。

今すぐに行動を起こすことを依頼する代わりに、柔らかく伝えます。

 

また、例えば、

She is busy right now. よりも、

She is busy at the moment. の方が丁寧に聞こえます。

文字数が多くなると丁寧に聞こえます。

 

丁寧   Would you proceed to the gate, now?より丁寧 Would you possibly proceed to the gate, now?

 

丁寧   She is busy right now.

より丁寧 She is busy at the moment.

 

対応力・コミュニケーション力

外国人接客をするならば、英語上級者に越したことはありません。

しかし、真に求められる能力は、

  • その場を見極めて動く対応力
  • お客さまの立場で考えられるコミュニケーション力

このような能力を鍛えることがとても大切です。

 

基本的な対応力を鍛えながら、英語での対応を学ぶ、ということをお勧めします。

 

Would you mind practicing over and over, please?

うるさい、分かってるよ! ですね(笑)

 

 

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