クレーム解決達人 決め手は正しい目的の把握「お客様が怒っている本当の理由は?」
クレーム対応が向いている人とは、どのような人ですか?
と聞かれることがあります。
クレーム解決達人には誰でもなれる
確かに、クレーム解決がうまい人にはいくつかの特徴があり、共通する「在り方」を身に付けています。
コラムテーマ「対応者の在り方」過去記事
でも、最初から「クレーム解決に向いていた」のではありません。
そうなった、のです。
経験を重ねるうちに、そうなった、のです。
だから、なろうと思えば誰だって、クレーム解決達人にはなれるのです。
という前提をまずインプットして頂いた上で、達人の特徴を考えてみます。
お客様は「何のために」怒っているのか??
クレームを解決し、更にお客様の心を満たすことがうまい人は、
お客様と少し言葉を交わすことで、「お客様が何のために怒っているのか」を本能的に見抜いています。
「ホテルの朝食ルームサービスが予約の時間通りに運ばれてこなかった」
という理由で怒っているお客様が3人いたら、怒っている理由は、全員違うかもしれません。
1) 朝食が遅れたことでバスに乗り遅れた、だから怒っている
2) 評判の良いサービスを期待してこのホテルに泊まったのに、期待が裏切られて悲しい、だから怒っている
3) この高級ホテルの従業員ともあろう者が、こんな単純なミスをするとは仕事に対する姿勢が間違っているだろ!と怒っている
お客様が怒る目的を、必ずしもお客様自身が理解している訳ではありません。
表面上は1番(朝食が遅れたことでバスに乗り遅れた、だから怒っている)で怒っているつもりだけど、本当は3番(この高級ホテルの従業員ともあろう者が、こんな単純なミスをするとは仕事に対する姿勢が間違っているだろ!と怒っている)の思いが強い人もいます。そのことに本人も気が付いていない、など。
お客様が怒る理由は?
国籍にもよりますが、外国人のお客様がクレームを言うときは、
感情をぶつける為に店員にクレームを言うより、自分の要求を満たす為に言う方が、勝っていることが日本人より多いと感じます。
当たり前?という気もしますが、そんなことはありません。
自分の感情をぶつける為にクレームを言う人は多いです。
ということは、お客様によって、クレームを言う目的が違うのです。
適切に問題を解決してより良い状態を得るためにクレームを言う人もいれば、
高ぶった感情をぶつけたいからクレームを言っている人(店員を言葉で責めることでスッキリする)もいる。
つまり、クレームのマニュアル本に沿って対応していては、解決できないのです。
お客様の状態、目的に合った対応が求められるのですね。
この、「お客様が怒っている真の目的」を的確に把握して初めて、自分が取るべき態度、対応が分かるのです。
3番(従業員の仕事に対する姿勢に不満を持って怒っている)のお客様に、
乗り遅れたバスの次の出発時間を最初にいくらご案内しても、「そうじゃない。その前にお前が考えるべき問題があるだろ!」となり、余計怒ってしまうかもしれないのです。
まず3番の怒りを収めてから、1番の怒りを解決する、というように怒る目的の変化に合わせて対応しましょう。
お客様が怒っている「本当の目的」、これを知った上で対応したいですね。
何故なら、トラブル対応の基本は、いつも言っていますが、「相手の為を思うこと」と「感謝」です。
目の前のお客様のことを考えると、その方が怒っている目的を把握することは、当然であり、最初のステップだからです。