美容サロンに求められる外国人顧客対応とは

質の高い日本の美容院で髪を切ってもらうために来日する外国人が増加しているそうですね。

私たちは、日本と海外で活動を広げている日本最大の美容サロン関連施設にて、「美容サロンスタッフに求められる外国人顧客対応」を伝えさせていただいております。

その中身を皆さんにご紹介することで、外国人顧客が「やっぱり日本に来て、このお店に訪れてよかった!!」と思ってくれるようなサロンが日本に増えると嬉しいです。

美容サロンに求められる外国人顧客対応とは

美容サロンで働くスタッフの方は、職業柄とてもコミュニケーション能力が高いですね。

お客さまが求めるものや感じたものを察する能力、

それを行動に表すことでお客さまとの距離を縮める能力、

いかなるお客さまに対しても、心の距離を一瞬でなくしてしまう人懐っこさを意図的に使い分けられる能力。

もともとコミュニケーション能力が高い方は、コミュニケーション相手が日本人から外国人に変わっても、あまり苦労をしません。

土台が出来上がっているので、異文化受け入れマインドスキルを身につければ良いだけなのです。

異文化受け入れマインド

異文化受け入れマインドとは、異文化を目の当たりにした時の捉え方を整えることであり、異文化交流(異文化を背景に持つ外国人との接点)をプラスに活かすために必要なマインドです。

異文化交流を異文化摩擦やストレスに変えるか、又は、異文化交流をプラスに活かすことで良いコミュニケーション価値を積み重ねるかを左右するものです。

外国人顧客を受け入れながら事業を発展させたいと願う企業やお店には、必須のマインドです。

これまで従業員に対して、外国人顧客対応に必要なスキル研修等を行っても、彼らの接客スキルが継続的に向上していかないという課題に直面する多くの企業やお店は、スキルだけではなく、マインドを整えることが重要だということに気が付きます。

早い段階でマインドを整える機会を設けた企業やお店は、しっかりとした助走期間を経たことで、理想に近い顧客対応と、支え合いながら成長できる組織形成において、スムーズに走り出すことができています。企業の、顧客対応における成長スピードの差が生まれていると感じます。

語学を使ったコミュニケーションスキル

スキルとは、英語等の語学を使ったコミュニケーション力です。

「英語力」ではなく、「英語を使ったコミュニケーション力」が必要であり、この二つは別物です。

英語上級者が必ずしも良い接客ができるわけではありません。増え続ける外国人顧客対応の戦力にしようと、多くの日本企業やお店が語学堪能な従業員を雇ってきましたが、実際に外国人顧客からクレームを貰ってくるのは、語学堪能な従業員であるというお悩みを聞いています。

他にも、語学堪能な従業員が、外国人顧客と日本人従業員の間の懸け橋になるのではなく、両者の溝を深めるようなパフォーマンスをしてしまっているというサービス現場もあります。

外国人顧客の満足度を上げるためには、英語等の語学力はやはり必要です。「外国語で対応できること」は、大切なサービス品質のひとつです。

しかし、語学力は、心が伴ったサービスを行う人に使われて初めて生かされます。

心が伴ったサービスを行う人にとっては、伝えたいことがスムーズに伝えられるだけの語学力があれば充分なのです。

では、サロンで必要な最低限のコミュニケーションを確認したいと思います。

サロンで必要なコミュニケーション

シーンで分けると、以下のようになるのではないでしょうか。

■予約/電話での道案内

■お出迎え/顧客情報入手

■カウンセリング

■会話(おしゃべり)

■ご要望等の再確認

■お会計

■お見送り

それぞれのシーンで必要な会話があるはずなので、その会話を、少なくとも英語ではできるように、フレーズや英単語を覚えておくようにすると良いですね。

ポイントは、英語で正しくご案内できることではありません。多少英語がぎこちなくても問題ないので、お客さまとのコミュニケーションを楽しむことや、「伝えたいもの」が伝わっているのかを意識することです。

サロン従業員にとって、外国人のお客さまに「伝えたいもの」とは、決して「私は上手な英語でご案内できます!」ではないはずです。

「このサロンに来てよかったと感じてもらうこと」や「このサロンでなければ手に入らない幸せを感じてもらうこと」などかもしれません。

それが伝わることに意識を向けながらコミュニケーションを取ることが、とても大切です。

機械的な対応

例えば、ご来店のお客さまには、まず歓迎とご予約確認を行うのでしょうが、それを「英語で伝えることがゴール」になってしまっている人の接客は、どのようになるのでしょうか。

雨の中ご来店し、濡れているお客さまに、

Good morning! Do you have a reservation?

急いで走ってご来店し、汗だくのお客さまに、

Good morning! Do you have a reservation?

日本人のお客さまに対してであれば、こうはならないはずです。お客さまが外国人!英語!となった途端、機械的な対応になってしまうことがあります。(慣れるまでは仕方ありませんが、単純に経験値を増やすだけでは実は不十分です。外国人顧客に対応する従業員のマインドを、組織として作り上げることが非常に大切です。)

このような機械的な対応をしていては、お客さまの心を潤すほどのサービスにはならないでしょう。

ですから、正しい英語に拘り過ぎるのではなく、お客さまとのコミュニケーションを楽しむことや、「伝えたいもの」が伝わっているのかを意識するとよいですね。

サロンにおける異文化受け入れと英語

それでは、サロンで目にする異文化起因の困惑にはどのようなものがあるでしょうか。

そして、それらをどのようなマインドで受け止めれば、異文化交流(異文化を背景に持つ外国人との接点)をプラスに活かすことができるのでしょうか。

更に、そのような状況ではどのように英語でコミュニケーションを取ればよいのでしょうか。

サロン従業員が戸惑ってしまうこととして、例えば、

・満席の中ご来店し、予約をしていないのに、すぐに切って欲しいと要求するお客さま

・髪質を考えると実現が難しい髪型にしてほしいと要求するお客さま

・施術を受けている最中の友人の椅子周辺に集まり、大きな声で会話をし、他のお客さまの迷惑になっているお客さま集団

・仕上がりに不満がありクレームを言ったり、支払いを拒むお客さま

困惑してしまうことが起こっても、究極は、困惑しないことです。グローバルコミュニケーションマインドが分かると、困惑する出来事などないのだ、ということが分かってきます。(グローバルコミュニケーションマインドとは受容の心でしたね。異文化摩擦が起こった時の捉え方を安定させるコツですね。)外国人との交流が増える時代には、この考え方がどれ程しっかりと身についているかが、サービス品質だけではなく、全てのコミュニケーションの質を左右します。

柔軟な捉え方をした後は、どのように目の前のことを解決していきますか。お客さまへの依頼、提案はどのようにしますか?何にポイントを置いた発想と伝え方をしますか?

最後に、その依頼や提案を伝える時は、どこに意識を向けますか?英語を使う場合は、従業員の思いが伝わる英語を使っていますか?

※具体的なトラブル対応例については、他記事をご覧ください。

ビジョンの明確化とチーム内共有

私たちは、外国人顧客対応研修やコンサルティングをさせていただく際、その効果を更に高め、最終的に自立型教育企業(※下部参照)になっていただくために、あることをご提案します。

それは、ビジョンの明確化とビジョンのチーム内共有です。

つい、現場の接客スキル等を高めることに意識が行きがちですが、ビジョンを作成することで、従業員のスキル習得も、顧客対応を楽しもうとする組織風土作りも円滑に進みます。

真に価値あるサービス体質を築き上げるためには、現場従業員のスキル向上だけに目を向けた「底上げ」は効果が非常に薄く、企業やチーム、管理者層の体質を引き上げておく「屋根上げ」の方が重要なのです。

「屋根上げ」が充分行われている企業では、現場従業員に対するスキル付与研修が必要なくなる場合もあります。

※自立型教育企業とは、可能な限り自社内で研修を完結する企業です。研修内容によっては、敢えて外部の教育機関を活用した方がよい場合もありますが、顧客対応ノウハウは社内インストラクターが研修を行うことが可能であり、効率的です。

絆グローバルでは、様々なサービス現場における英語接客&対応マニュアルの制作も行っております。マニュアル制作には、マニュアルの現場活用をサポートするための研修1回も含まれています。ご相談ください。

美容サロンにおける外国人対応無料マニュアル

外国人のお客さまを大切に想い対応するための以下の無料マニュアルをご参考に、皆様のお店ならではの取り組みを広げていって欲しいと思います。

美容サロン外国人顧客対応基礎英語マニュアル

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