インバウンド対策の盲点「安全対策」

訪日外国人の多くは、観光弱者、情報弱者です。

しかし、インバウンド対策において重要なはずの「安全対策」に手つかずの状態である企業、自治体があまりに多いことに気が付きます。

安全管理意識が日本人以上の外国人の立場で安全対策を

ステイ先のホテルで誤って火災報知器が作動し、深夜にけたたましい音量のサイレンが館内に響き渡る。

CA時代、このような経験を何度もしました。

サイレンの原因が分かるまで、廊下やフロントで情報収集をする外国人宿泊客と、

サイレンが鳴り続けていても、部屋から一歩も出ず、外部状況を全く確認しない日本人宿泊客。

安全な国で生活しているということは、危機意識を奪っていくのです。

機内のお客さまの安全管理意識の違い

外国人と日本人の安全意識の違いは、CAとして長年働いていた機内でも、頻繁に見られました。

外国人のお客さまに安全情報を提供する際は、理路整然と、端的に、事実を、毅然とした態度で伝えます。

現状に安心するかどうかは、CA等から得た情報をもとに、外国人のお客さまご自身が決めます。

日本人のお客さまに対しても当然同じ情報を提供しますが、外国人のお客さま対応時と比べると、CAが抱く「感触」は違います。

「恐らく大したことはないだろう」という考えを持ち始めるタイミングが微妙に早いのが日本人。

マイナス情報を聞くことに対する積極性が微妙に低いのが日本人。

両者の微妙な違いに長年接していると、安全情報を説明する際の方法が、相手の国籍によって変わるようになってきました。

更に、日系の航空会社の機内では、外国人のお客さまは情報弱者なので、より丁寧で、相手の期待度に合った情報提供を意識しました。

インバウンド対策は外国人目線で

企業や自治体のインバウンド対策は、もちろん外国人目線で考えられています。

外国人にとって、なるべく理解しやすいように、不快な思いをさせないように、便利なようにと。

安全対策においても同様の高い意識で、不安を少しでも減らせるように、と考えていたとすると、

避けては通れない手順が出てくるはずです。

そこにいる企業、人が、いかに関わるか、です。

安心は、人を介さなければ、充分得られない

例えば、日本で地震が起こったとします。

外国人は、どこまで充分な情報が得られているかご存知ですか?

残念ながら、日本の殆どの空港、駅、店内では、充分なアナウンス情報は提供されていません。

残念ながら、日本人の多くは、外国人の不安を察して手を差し伸べることをしていません。

しかし、日本旅行中に地震に遭った外国人が、安心を求めて100のTwitter投稿にアクセスするだけより、

そばにいた日本人から、親身になって話しかけられ、情報提供をされる方が、安心を感じやすいと思いませんか。

企業、自治体、市民にできること

それでは、企業、自治体、市民には、どのような取り組みができるでしょうか。

企業(商業施設、空港、百貨店、ホテル等)

■緊急時の従業員行動マニュアルは定まっていますか

従業員によって対応が変わるようでは安心は提供できません。

現場従業員が有事に迷いなく行動できる判断基準や行動基準が必要です。

■安全情報提供方法がしっかり定まっていますか

有事は、誰がどのような手段で情報提供をするのですか。

有事の館内アナウンスは、担当者、文言、情報源と収集手段が定められており、パニック状態でも冷静にアナウンスできるよう練習機会を設けていますか。

最も重要な情報提供ツールのひとつである館内アナウンス、従業員は適切な指導を受けていますか。

■有事における企業使命を意識していますか

研修で関わらせていただいている企業や店舗、自治体にお伝えしていることがあります。

有事においては、周辺の外国人たちへの安心提供を引き受け、地域の外国人たちを守ってくださいと。

当社の利用客ではないから…、等ということを考えないのが、豊かな日本の企業姿勢です。

自治体・市民

■不安を察し、声をかけてあげましょう

日本にいる外国人は情報弱者です。

堂々と笑顔で街中を歩いているように見えても、地震や台風の影響で街や交通機関が混乱していれば、何が起こっているのか理解できず、不安になります。

是非、声をかけてあげましょう。

何て言えばよいの?どうやって話しかければよいの?なんてこと、考える必要はありません。

自分の大切な家族が海外旅行先で、災害に遭って不安で立ちすくんでいる姿を想像すればよいのです。

「大丈夫よ」から始めればよいのです。

It’s OK.  Don’t worry.(大丈夫よ、心配ないよ)

Just a small earthquake. (小さな地震が起こっただけよ)

Train stop. (電車が止まっているみたいよ)

安心、安全を感じると信頼する

安心・安全の提供は、外国人のお客さまにとっては最優先事項ですが、

それを最優先事項として施策を整えている企業、自治体はまだ少ないようです。

是非、安全対策を整えてください。

何から始めればよいか分からない、というのが担当部署の現実のようですが、

実は、これだけでも、他社との大きな差別化になります。

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