外国人への敬意、大丈夫か?/日本人の他者受容力はどう高める
42万人の外国人労働力が足りなくなる
政府の目指す経済成長を2040年に達成するために必要な外国人労働者が、現在の4倍近い674万人に上り、経済成長によって日本で働こうという意欲が薄れる国も予想されるため、42万人の労働力が不足すると、JICAなどが分析しています。
※参考:日本経済新聞「外国人労働力、674万人必要に 40年の成長目標達成には…」2月3日
しかし、日本での労働を選択しない理由は、自国の経済成長だけではありません。
覚悟を決めて来日する外国人がいる
過去、研修で接してきた外国人の多くは、「ニホンジン、イイヒト、アンシンシタ」と言います。
その中には、不安の裏返しで安心した・・・という安堵が含まれていることを、私たち日本人は知らなければなりません。
世界は繋がっています。
日本人による外国人労働者への不当な扱いは、瞬く間に、海外で様子見をしている来日予備軍のもとへ伝わっていきます。
日本人の同僚達から体中を棒で叩かれながら働いている労働者がいるらしいこと。
休みをもらえず働かされていること。
日本人従業員との賃金の差が雲泥であること。
怪我をしても病院にすら連れて行ってもらえないこと。
小さな希望すら言えば怒鳴られること、物が無くなれば真っ先に疑われること。
そして、先輩から教わることは、怒鳴られない質問の仕方、暴力や暴言は記録すること、駆け込み先の連絡先。
だから、来日を決意する外国人の中には、「覚悟を決めて」来る人がいるのです。
息子が不当に傷つけられないか心配する母親の元を離れ、来日するのです。
だから、「アレ?ヤサシイ・・・」と、安堵し、そのことをすぐに母親へ電話で伝え、安心させる。不当に扱われなくて安心した・・・と。
和の国 日本
調和を重んじる国?
その輪には、全ての人を含め始めて「重んじている」と言えるのではないでしょうか。
日本文学研究家のドナルド・キーン氏はいまから60年ほど前、日本人が外国人と接するときの態度について、次のように辛口に論評したそうです。
「日本人は彼らを美化したり軽蔑したりする傾向があるが、それはふつう相手の国籍次第である」
日本人は元々、多様性を受入れることが得意ではない。そこには歴史的背景があり、当然の特徴と納得できます。
そして、その歴史のお陰で、日本人は素晴らしい特徴を山ほど手に入れました。
もしも、日本人が多様性の受容力を手に入れたなら・・・、あなたには何が見えますか?
多様性の受容力、正しく手に入れる時が来ています。
多様性 受容の前に心の整備
しかし、ここで、異文化を知ろう、会話を増やそう、外国語を身につけよう、などという努力を始めるのは気が早いでしょう。
元々受容力が高い人には効果はありますが、そうでない人には、持続的な効果は期待できません。
受容力が低い原因を取り除くことが先です。
それは、自分に向き合い、承認欲求を満たすことを意味します。
グローバル化に対応するとは、本来、ここがスタートなのです。
日本は、「こぞって来てもらえる国」になっていくと信じています。
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