多様性が自由に行き交う社会・組織の作り方/自己承認する人を増やす

多様性として捉える範囲

多様性が自由に行き交う社会・組織の作り方/自己承認する人を増やす

「多様性」と聞いて、あなたは「どこからどこまでを多様性」と捉えていますか?
もし「LGBTQ」「外国人」「身体障害者」だけを思い浮かべた場合は、立ち止まって考えてみませんか。

多様性とは、辞書にはこのように書いてあります。
▶日本語:幅広く性質の異なる群が存在すること。いろいろな種類や傾向のものがあること。
▶英語:diversity/the fact of including many different types of people or things

「性質が異なる」ものが多様性ということです。
例えば、男女は性質が異なるので多様性同士ですし、外国人と日本人も、大人と子供も、先生と生徒も、上司と部下も・・・

お気づきかもしれませんね?

自分以外は皆が多様性

自分以外は皆が「異なる性質」です。

たとえば、
《自分:丁寧な業務》《同僚:仕事が雑》     ➡ちがう
《自分:慎重派》《大親友:後先考えず動く行動派》➡ちがう
《自分:責任感強い》《妹:人に甘えてばかり》  ➡全くちがう


同じ会社の社員同士でも、大親友でも、兄妹でも、人はそれぞれ「異なる性質」です。

受入れる以外の選択肢はない

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多様性とは自分以外全てだとして、どのような場合にあなたは多様性を受入れるのでしょうか?

たとえば、
《相手が日本人》  ➡受入れる /《相手が外国人》➡受入れない
《相手が同業者》  ➡受入れる /《相手が他業者》➡受入れない
《相手が健常者》  ➡受入れる /《相手が車椅子》➡受入れない
《相手がLG》    ➡受入れる /《相手がBT》 ➡受入れない
《相手が顧客》   ➡受入れる /《相手が他人》 ➡受入れない
No way!! そんなはずありません。

「相手が誰か」によって、受入れるのか拒絶するのか?
「相手の特徴」によって、理解するのか差別するのか?
「相手の肌の色」によって、好きになるのか嫌悪感を抱くのか?
おかしな話です。その場合の受入れも、理解も、好きも、ニセモノです。

 

「申し訳ないけど、私はあなたを受入れることはできません。なぜならあなたは・・・《背が普通だから》《男性だから》《髪がくせ毛だから》《鳥取出身だから》《甘党だから》です。」
What!? 意味が分かりませんね。

世の中には「拒絶・差別・嫌悪感」がある

もともと、人を受入れないという選択肢はありません。
しかし、世の中には「人に対する拒絶、差別、嫌悪感」が溢れています。

 

《白人はOK/黒人はNO》《内臓疾患はOK/身体障害はNO》
《異性婚はOK/同性婚はNO》《日本人はOK/アジア人はNO》
《東大男子はOK/東大女子はNO》《男性はOK/女性はNO》

 

このような「拒絶・差別・嫌悪感」が生まれる原因はどこにあるのでしょうか?
原因は、黒人が黒人であること?
同性愛者が同性愛者であること?
女性が女性であること?
その人がその人であることが原因??
No way!! そんなわけがないです。

 

ならば原因は、どこにあるのか?
当然、相手をありのまま受入れられない人の中にある、内面的な問題です。

 

と言うと、差別主義者は自分たちの正当性を必死に主張します。
女性差別が染みついている上司は、別の理由をくっつけて論点をすり替えます。
心が固い偉い人たちは、社会のためなどと言います。
It’s OK. I got it, got it.

 

では、次に進みましょう。

本当の「ありのまま受入れている」とは

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実は、「受入れ」には2段階あります。

  1. 頭で受入れている段階
  2. 自然体で受入れており、相手がもつ価値と可能性を深く認識している段階

1の段階は、「多様な人や価値感を受入れるのが良いこと」だからうけいれているような段階です。
「今は多様性の時代だから」という台詞が出てくる人は要注意です。
「時代だから」人を受入れるのではありませんし、そもそも多様性は太古の昔からありました。

2の段階は、「自分には大いなる価値と可能性がある。だから人にはそもそも価値と可能性がある。」という揺らぎない大前提が染み込んでいる人から生まれます。これが質の高い他者受容です。

Quite stable, reliable, certain, and sustainable.

 

相手のありのままに大いなる価値と可能性があるということを当然のように理解している人から、質の良い他者受容が生まれます。
「私はダメな人だけど、あの人はすごい」これは条件付きの他者受容であり、持続性と安定性に欠けてしまいますが、この人はいい人です。

There is no WRONG.

本質的に多様性を受容している人

実は、多様性に富む多国籍環境で働き安定成果を出しやすい人の異文化受容力は相当高いのですが、その人たちはそもそもの受容力が高いです。

相手が異国籍の場合にのみ高い受容力が登場するのではなく、相手が同じ国籍でも、家族でも、同性愛者でも、誰に対しても受容力が高いのです。

No matter who they are.

受容の前に心の整備を完了させる

人をありのまま受入れられない人や社会がまずすべきことは、多様な人々の特徴の理解でも、異文化理解でも、まさか多様な人とのコミュニケーション機会を持ってみる、でもありません。Don’t skip the point.

このような試みは、元々受容力が高い人には効果はありますが、そうでない人には、持続的な効果は期待できません。
一時「理解したつもり」「受入れたつもり」になって終わります。

人をありのまま受入れられない心の仕組みを解すことが、多様性の受入れで最初に行うことです。(各種取組みもその後大切になります)

Building a foundation is quite normal, isn’t it?

異質=脅威と捉える人は多くいる

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他者受容力が低く排他的・差別的な人を擁護することは意図しませんが、他者受容力が低い人の内面には、心に大きな穴が開いていると感じています。
その穴は、「自分をありのまま受入れ、認め、価値と可能性を信じ切って欲しい」という承認欲求が自分自身によって満たされていない穴です。


これを自己承認不足と言います。自己承認とは、自分をありのまま認め、価値と可能性を自覚していることです。自己承認力がある人は、自己肯定感と自己効力感が高い人です。

➡こちらの記事で解説しています(長いです)

 

承認欲求が満たされていない人は、無意識のうちに本能で、
《認めてほしい》《愛してほしい》《話を聞いてほしい》《自分が凄いと知ってほしい》、そして、《これ以上、穴を広げたくない》と思っています。

《これ以上、穴を広げたくない》が、「異質を排除・攻撃」「うまく行かない原因を他責にする」という行為として現れます。

これは、彼らの本能がそうさせています。異質をありのまま認めるなんて、怖くてできないのです。彼ら自体は役職者で、立派な大人に見えても、《自分を認めてほしい》という本能の欲求(承認欲求)が満たされていない、震えた子犬のような心を抱えているのです。

 

そして、自分で自分の承認欲求を満たす自己承認力が未成熟な人が多いのが、日本という社会です。
日本人の自己肯定感や自己効力感、幸福度が世界的に見て低めであることは、ここに関係しています。(しかし、低めの自己肯定感によって得られた価値や発展は数えきれませんので、悪いことではありません。)

I’m so proud of myself being Japanese!

受容力が高い社会・組織を作るには

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他者受容力が高い人の中に、自己承認力が低い人はまずいません。
つまり、多様性が自由に行き交う社会を作るには、個人の自己承認力を丁寧に高めるしかありません。

大きな誤解の解消から

多くの誤解は、自己承認力や自己肯定感を得るために、

  • 人の役に立つ行動を増やす!(自己有用感を得る)
  • 成功体験を手に入れる!
  • 実績を増やし自信を手に入れる!

などです。

これは、自己肯定感を高める手助けにはなりますが、本質的アプローチにはなっていないのです。

毎日何十人という人々の世話をして役に立っている人の自己肯定感は必ずしも高くありません。人もうらやむ成功を手に入れている人の自己効力感は必ずしも高くありません。

自己肯定感には「火種がそこにある」ことが必要なのです。
火種がないのに、いくら成功体験や人の役に立った実感という「薪」をくべても、炎にはなりません。

火種とは、「自分はありのままでまず価値があり、大きな可能性がある」「人はそもそも大きな価値と可能性をもっている」という前提です。(★★火種は自己存在感と言われることもあります)

 

「人には/あなたには価値があると思いますか?」と聞けば、こう返ってきます。

  • ある外国人:What!? You are not??何を言ってるの?あなたにはないの??
  • 多くの日本人:うーん、難しい質問ですねえ。

You yourself have a live coal?

一人一人の「自己承認力」を高めるしかない

多様性が自由に行き交う社会作りには、一人一人が、火種を確保しながら、自己承認力を高めていくしかありません。家庭から、職場から、学校から、地域から、自己承認力が高い人々の集合体に変えていくしかありません。

他の道を試したくても、ここに引き返すしかなくなると思います。本質を置き去りにして事を進めているからです。

多様性の理解やコミュニケーションも大切にしながら、本質を踏まえること。

本質を踏まえるとは、

  • 火種を確保しながら適切に自己肯定感・効力感を高める自己承認力を一人一人が得ること(主体性の充分な確立)
  • その連鎖を広めること

That’s it! Simple, isn’t it?

理想が見えている人がリーダー

「会社が変わるには、考えの古い年長者が辞めるしかない」

「社会が変わるには、今の現役世代が退くしかない」

このように感じることもあるかもしれません。I know why you feel that way.

そう感じる人は、数え切れない我慢・葛藤・悔しさを乗り越えている人たちでしょう。同時に、そのような経験に押し潰されることなく、世の中にとっての正しい理想が見えている人たちです。

このような人たちの信念や強さが、多様性が自由に行き交う社会作りを大きく後押ししてくれると思います。リーダーですね。

頭が固い人を排除しても問題は解決しない

そして、優秀なリーダーたちは、心の中では気がついています。
頭が固い人を排除しても、組織も社会も理想通りにはならないと。

頭は固くても、私たちがこうして生きている時代を作ってきた人たちです。
傲慢で、想像力に欠け、本質から外れているように見えても、彼らは我慢強く時代を築いてきました。そうあることが、過去の時代を築く人に必要な力だったかもしれないのです。

これからの時代を切り拓く力ではなくても、過去の時代を築く力が備わっている人です。

頭の固い年長者を否定し、排除しても、良い社会が築けない理由は、社会を築いている人の中に「否定と排除の心」があるからです。
《30歳代以下はOK》《年長者はNG》
《受容力高い人はOK》《頭が固い人はNG》
There you go.

 

何かを否定する上で成り立つ社会は、結局、基礎が脆いです。

組織作りと同じです。厄介者の年長者を批判し追いやった風土の上に成り立つ組織に、持続発展は期待できません。

頭の固い年長者の批判をする親を、子供は見ています。
厄介者を追い出そうとする上司を、社員は見ています。
子供の目に社会を築いた年長者はどう映り、社員の目に組織を築いた大先輩はどう映るのか。


年長者や大先輩の「これからの時代を築く上では適していない資質」部分に目を向けることが、子供が社会を作る上でプラスに働くのか。
What do you think?

社会を作る全ての人を受入れ、力をまとめる

多様性が自由に行き交う理想の社会像が見えている人は、リーダーとなるべき人たちだと思います。

しかし、彼らが「この方がいい!」「みんなにこれを広めたい!」と言えば、往々にして周囲から「いやいや、現実見ようよ」と言われます。
当然です。人は変化を恐れる生き物だからです。手を替え品を替え、リーダーの足を引っ張るのが、生き物として正常な人間です。

It’s quite natural like the wind blows.

 

さぁ、理想の社会像が見えている人がリーダーになるために、周りの人たちは、彼らに対する高い評価を言いふらし、力を貸し、優秀な人材を紹介し、資源を彼らに回しましょう。彼らに時代作りを先導させるために。

 

力を尽くし先を行ったリーダー達が疲れた頃、経験豊富な年長者たちが、その底力を貸してくれるはずです。

お互いを認め受入れ合い、尊重と敬意が充分あれば、年長者たちはこう言います。

「自分たちも若い頃、同じような思いだったことを思い出したよ」

「自分にも出来ることがあるかもしれない」

This is the long awaited support!!

 

似たような価値感だけで築かれた社会より、固い考えも交えて築かれた社会の方が、丈夫です。
多国籍企業が多国籍であることにこだわる理由がそこにあります。
もちろん前提は、「そこにいる人たちの力が活かせる環境があること」です。

 

ちなみに、年長者による強力なサポートは、どこから生まれたのでしょう?

それは、頭の固い年長者を「ありのまま受入れ、大きな価値と可能性を認めていた」あなたの姿勢から生まれました。

Yes, everything starts with you.

 

具体的行動

結局、本質を踏まえ、自分自身の基盤を固めていった人から、社会を築き、組織を築くしかないのかなと思います。

「そんな理想通りにいくのか?」と感じる人には、見えてない点が1つあります。それは、基盤が脆ければ今後の活躍は難しいかもしれないということです。世の中が持続可能な発展を重要視し始めた以上、流れは人的資本の本質へと向かうしかないでしょう。

「何から始めればいいのか?」と感じる人は、どうぞ、先導役を任されて下さい。そして、自身と周囲の人の主体性の確立、ビジョン意識、多様性の受容力を深めてください。 

映像で学ぶ

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参考教育

多国籍組織に関して。東京都支援教育に採用され、成功事例として紹介されている「グローバル組織創り教育と内製化サポート」では、まず上層部→日本人従業員→外国人スタッフという順番で、教育をします。順番が大切です。

そして、教育の内容は、異文化理解やコミュニケーションの前に、日本人も外国人も、基礎となる人材基盤を理解します。

これがあれば、外国人スタッフが入社する度に教育を外注するのではなく、自社で、日本人向け&外国人向けの教育を内製化することが可能になります。

基本的な教育は内製化していくことで、強い組織体質に繋げます。

 

疑いもしなかった足元に目を落とし、丁寧に基礎を築いた人たちから、持続可能な発展の先導役は任されていくでしょう!

All right, then. Things are changing for the better.

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