グローバル教育の現状と研修会社の葛藤
グローバル教育の現状と研修会社の葛藤
グローバル教育とはたとえば、多国籍組織創り、多国籍従業員への教育、多国籍従業員への責任者教育、グローバルなビジネス環境でも成果を出せるマインド、外国人のお客さまとのコミュニケーション、等があります。
弊所はそのような教育を行いながら、同時に、教育の内製化をお手伝いするために、グローバル教育に取り組む研修会社・学校・講師へのサポート、教材提供、講義指導を行っています。
自社の発展のみを願うのではなく、グローバル教育の質が向上し、世の中がより良く変化していくことを願う組織や指導者の方と関わらせていただいています。
サポートの際にお伝えしているポイントは主に以下の5項目です。
- 組織創りは教育の順番が重要(経営陣⇒日本人従業員⇒外国籍従業員)
- ビジョン設定は必須であり、ビジョンの位置づけは意識の最上位に
- マインドという基盤が発展を左右する
- マインド教育が先、スキル教育はその後でもよい
- クライアントに教育を内製化してもらうことを理想として関わる
本記事では、サポートをさせていただく中で見えてきた、研修会社さんの葛藤についてご紹介します。
なぜ、敢えて、皆さんにとって関係のないどこかの会社の葛藤をお伝えするのかと言うと、それが、研修を開催する立場にある方にとって、正しいグローバル教育の企画に繋がると思うからです。
そして、正しいグローバル教育の企画は、多様性に強く成果を出しやすい組織創りに繋がり、イコール、研修企画者の目指すものと同じだと思います。
これまで関わらせていただいた研修会社では、クライアントに対し、新しいコンテンツの提供や、研修前後のサポート方法、内製化を前提とした関わり等を実際に始めています。
しかし同時に、様々な葛藤と戦っているようです。
クライアントの意識
まず、クライアントの意識が追いついていないというもどかしさです。
研修会社は、クライアントの持続可能な発展を目指して教育を企画しますが、クライアントが実際に望む教育は、とりあえず目先の効果が得られる従来の教育、という場合です。
持続可能な発展に繋がる教育の方が良いと分かっているのは、両パターンの教育を知っている研修会社です。
目先の効果しか得られない教育が良いと信じてクライアントに提案する研修会社は、その教育しか知らないのでしょう。
教育の目的をどこに置いているか、という違いです。大きな違いです。
または、クライアントにとっての理想を妥協している可能性もあります。
主観ですが、ここは抗う所ではないと思います。
需要と供給がうまく一致する研修会社とクライアントで関わり合うしかありません。
受注が減り、今は苦しくても、クライアントや社会にとって正しい教育を追求する研修会社が衰退していくことはないでしょう。
逆は衰退するかもしれません。
現実を考えると踏み込めないという場合は、理想を手放せば良いです。
方向転換が怖くても自分を信じる力がある場合は、理想を追求してください。
追求したなりの結果が待っています。
講師の意識
講師に頭を悩ませている志高い研修会社コンサルタントがいます。
講義は素晴らしいが利益主義に走っている講師。
クライアントにとっての理想を追求しない講師。
クライアントの将来を見据えていない講師。
研修以外のサポートの仕事は出来ないという講師。
利益主義に走っている講師の講義が素晴らしい訳ありません。見間違いです。
クライアントにとっての理想を追求しない講師は、単に理想が見えていないのでしょう。
クライアントの将来を見据えて講義しないのは、講師自身が今しか見ていないからです。
研修はできるが現場への定着サポートに難色を示す講師の研修は、「絵に描いた餅」の可能性があります。
講師にビジョンと基盤形成の講義をしてみてください。
効果がなければ、自分が講義をするか、信頼できる講師を育てるか、です。探すより早いかもしれません。
需要と供給が一致するクライアントとその講師を、あなたがマッチングするのは止めた方が良いと思います。
そこで得られる利益は、本当の利益ではありません。
志高いコンサルタントが、どのような仕事に時間と意識を使うのかは、慎重に選ぶべきです。
社内上層部の意識
クライアントと向き合い、研修を企画するコンサルタントの意識と、社内上層部の意識がかけ離れていることがあるようです。
クライアントとの関わり方、コンテンツに対する考え方、利益の出し方、全てに於いて理想の逆を指示されると。
「内製化を前提として関わる?何を言っているんだ。継続受注できなくなるだろう!」と言われたと。
クライアントや社会への貢献を二の次にしていると、継続受注どころの話ではなくなります。
しかし、その上司は「継続受注=成果」というビジョンで会社をここまで導いてくれたのです。
「そこまで手厚くすると比較されるから、他の教育と足並みを揃えて」と言われたと。
社内の他のコンサルタントとの仕事の差が広がらないよう、クライアントへの貢献度を抑えろということです。
しかし、そのような同僚や上司も、あなたの組織を支える一員です。
これも主観ですが、志高い従業員で改革を起こすか、その会社を辞めて独立したら良いと思います。
簡単に言うな!と言われそうですが、不可能なことでは全くありません。
ご自身がビジョン意識で生きていれば、自然と答えは出ているでしょう。
ひとつ感じることをお伝えします。
社会のために自社の持続可能な発展を望む会社は、「信頼」で取引し、パートナーを選びます。
その信頼は、一昔前の信頼の形ではなくなってきました。
「その人の言っていることが本当に信頼できるか?」「持続可能な発展に繋がるのはどちらだ?」と、本質を重視する人が、間違いなく増えました。
志高い人は、生きやすくなってきたと思います。
自分がどうしたいか?不安か?怖いか?ではなく、どのようにすれば自分という資源を最大限社会のために活かせるか?でしょうか。
Stop and think.
You really need to struggle with it?
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