グローバル人財基盤形成教育
グローバル人財になるための基盤形成教育
「グローバル環境で活躍する」とは、具体的にどのようなことなのでしょうか。
外国語を使って外国人と共に仕事をすること、なのでしょうか。
英語の扱いに苦労することなく、人とコミュニケーションを取ること、なのでしょうか。
一見、そうなのかな??とも思えますが、
実は、それだけでは「活躍している状態」とは言えないのです。
「活躍する」の定義が何なのか、ということが大切です。
「グローバル環境で活躍する」とは
「活躍する」の定義は十人十色ですが、
グローバル人財基盤形成教育では、まず自分自身にとっての「活躍する」を定義するところから始まります。
以下は、中高校生向けに、分かりやすく説明するために用意した「活躍している人の特徴」です。
活躍している人の特徴 | そうでない人の特徴 | |
将来の仕事 | 自分の能力や魅力を活かした仕事をして
やり甲斐を感じている |
惰性で仕事をしており
やり甲斐を感じていない |
仕事の成果 | やり甲斐を感じて働くことが楽しいので
目標に近づき易く、成果を出しやすい |
楽しいと感じることなく働いており
特に目標も成果もない |
周囲からの
評価 |
「あの人は欠かせない」「あの人と働きたい」
「またあの人に仕事を依頼したい」 |
「仕事がやりにくい」「不愉快になる」
自由に意見を言えない雰囲気を作っている |
人間関係 | 周囲の人を幸せにし、成長させる存在
「あの人のお陰で笑顔になれた」と言われる存在 |
「できればあまり関わりたくない」と
周囲から敬遠される存在 |
コミュニケーション | 日本人、外国人問わず、心を通わす
コミュニケーションを楽しみながら取っている |
限られた、話の合う仲間とだけ
コミュニケーションを取っている |
気持ち | 仕事や人と関わることが楽しい!感謝!
生きることが楽しいと毎日感じる! |
働いたり人と関わることは楽しくない
訳ではないが、幸せを感じるほどではない |
視点 | どうすれば世界の人々が今より幸せになるか | どうすれば自分が幸せになるか |
試練 | うまくいかないことが起こっても成長するための
機会だと捉え、前向きに乗り越えることで、 成長が止まらないサイクルにはまる |
うまくいかないことが起こると
周りの人や環境のせいにする 自分の不運を嘆き、負のサイクルにはまる |
口癖 | 「ありがとう!」「手伝おうか?」「大丈夫?」
「楽しい!」「嬉しい!」「本当に幸せ!」 |
「なんで自分ばっかり」「面倒くさい」「何かいいことないかな」「はーあ」 |
話題 | 人の幸せ、自分の成長、更なる成果に繋がる
明るい話題の会話をし、益々元気になる |
自分の不運を嘆き、傷を舐め合う仲間と
人の悪口を言って元気になる |
生きがい | 自分の存在が人のためになっている時、
周囲の人々の笑顔が見られた時に感じる |
自分の利益になることが起こった時、
自分の欲求が叶った時に感じる |
見た目 | 目の輝き、イキイキとした表情、
言葉では言い表せない魅力/オーラがある |
暗い表情、不幸せそう、眉間にシワ、
言葉では言い表せない近寄りにくさがある |
心 | 心が豊か、安定、広い、温かい | 心がギスギス、不安定、狭い、冷たい |
「活躍する」の定義とは
「活躍する」の定義は、人によって異なっていて当たり前なのですが、
弊所の教育では、
「自分の高い能力や魅力を最大限活かし、社会や誰かのためにイキイキと活動している」
と定義しています。
そのような人々は、結果として、先ほどの表の「活躍している人の特徴」のような状態になっている、
ということです。
「活躍する」ために必要な要素
そのために必要な要素が何か?と考えると、大切なことに気がつきます。
「英語などの外国語ができるだけでは、足りない」と。
外国語、知識、スキル、人脈、情報、などは、グローバル環境で働くためには必要な要素です。
しかし、そのような「うわべ」だけでは「活躍する」域には、まだ辿り着かないのです。
語学力のようなスキルを、いくら充分身につけていたとしても、
それを何のために、どのように使い、活かすのか?を決めるのがマインドです。
マインドが非常に重要だということなのです。
基盤形成教育が導入されるとき
これまで、多くの企業・団体様が、「グローバル人財基盤形成教育」を受けてくださいました。
これまで、基盤形成教育が必要だと判断されてきた理由は以下のようなものです。
- 語学堪能な社員が必ずしも期待に応える仕事をしていないという現実を、埋める術が分からなかった。
- 管理職の語学力がまだ不充分であっても、外国籍従業員をマネジメントしなければならない状態になってしまった。目の前の仕事で成果を出すために、語学以外の要素も身につける必要があった。
- 若手従業員が、会社の方針と異なり、海外赴任やグローバル環境で働くポジションに対して後ろ向きだった。理由は、語学力に自信がないだけではなく、それ以外の考え方が根強いと分かったため、グローバル環境で活躍することがどのようなことなのかを学び、自分の将来へ繋げてほしいと考えたから。
- 多国籍組織において、社内教育担当やマネージャーには英語力が高い従業員を配置したが、現場がうまく回っていない問題が多発した。優秀だと思って採用した外国籍従業員が次々に辞めていった。良いマネージメントを行うために必要な、語学力以外のスキルや考え方を学ぶ必要があったから。
- 【学校】教育理念に「グローバルに活躍できることを目指している」と掲げているので、英語教育に力を入れてきたが、英語がいくら上達しても、「これで生徒がグローバルで活躍することができる」と自信を持って言えなかった。大切なものを補えていないと感じていたから。
グローバル人財基盤形成教育【基礎】
グローバル人財基盤形成のために必要な教育は、基礎教育とアドバンスト教育があります。
アドバンスト教育は、基礎教育を踏まえた上で行う教育です。
基礎教育は4つの内容に分かれており、1から順番に受けます。
※中高生向けはこちらの教育カリキュラムをご覧下さい。
1.異文化理解・受容教育
《対象者》外国人とコミュニケーションを取る方(お客さまが外国人/従業員が外国人)
- グローバル環境で働く上で最も重要な要素「様々な異文化をスムーズに受入れる考え方」を身につけます。
- 外国人の日本人観を理解し、その背景にある日本人の特徴や文化、歴史について学びます。
- 異文化受容についての考え方を理解するまでが30%。異文化受容をスムーズな行動化/習慣化に繋げるための練習を重ねることで残りの70%を埋めます。
- 所要時間:3時間
2.グローバルビジョン教育
《対象者》グローバル環境で働く方
- グローバル人財としての理想のゴールイメージを明確化し、理想実現への方法とモチベーションを高めます。
- 外国人の日本人観について認識し、外国人とのコミュニケーション力を高めます。
- 英語学習のモチベーションを高めます。
- 所要時間:6時間
3.チーム意識教育
《対象者》グローバル環境で働く方
- 高い品質の維持、高CSサービスの提供に欠かせないチームの力について学びます。
- 理想の多国籍チームを創る要素を学び、社内コミュニケーションの練習を行います。
- 組織創りを最後に阻む壁の存在、One Teamの考え方を学びます。
- 所要時間:6時間
4.グローバルCS教育
《対象者》外国人のお客さまに物やサービスを提供する会社・団体の方
- 外国人から選ばれ続けるサービスに必要な8要素を学びます。
- グローバル社会で選ばれる組織に必要な要素を学びます。
- 英語に対するマインドブロックを外し、語学習得意欲を高めます。
- 選ばれるサービスを提供するためのロールプレイを繰り返し、自信をつけます。
- 所要時間:6時間(3時間のショートバージョンにアレンジ可能)
アドバンスト教育
多国籍従業員対話指導教育
《対象者》多国籍従業員を指導する社内教育担当者・人事担当者・マネージャー
- 外国籍従業員に対する指導が成功するために必要な9つのマインドを学びます。
- 対話指導英語コミュニケーションスキルを練習します。
グローバル&ダイバーシティ環境で活躍できるリーダー育成研修
《対象者》中堅社員、チームリーダー、管理職、幹部社員。日本国内や海外現地法人で外国人社員を受け入れマネジメントする可能性のある社員。ダイバーシティ、多様性を活用し、メンバーのモチベーションと結束力のアップを求められるリーダー。
- 多様性を活用し、協働し合える職場風土を創るための、職場ですぐに活かせるコミュニケーション、モチベーションアップ、信頼関係構築の方法を身につけます。
外国籍社員及び日本人社員合同グローバル・ダイバーシティ研修
《対象者》外国籍従業員と、共に働く日本人従業員(合同)
- 日本文化、日本的思考・行動の理解を深め、「日本企業で働く力」を育てます。
- 外国籍従業員と日本人従業員(上司・先輩社員)の間の相互理解と信頼関係を構築します。
外国籍従業員向け~Workshop on Japan and Japanese Business Culture~
《対象者》日本国内、海外の拠点で勤務する外国籍従業員
- 日本的経営、働き方、行動特性とその奥底にある日本文化の本質を学びます。
- お互いの強みを融合させた組織作りができるマインドを養成します。
- 自分自身の役割について明確にします。
- 日本で働く上で大切なコミュニケーションスキルを学びます。
《新入社員向け》グローバルビジョン研修
- グローバル環境で活躍する自分自身のビジョンを明確にします。
- そのアクションプランを明確にします。
- 英語学習への意欲を高め、学習方法を学び、英語への抵抗感を低減します。
- プロのビジネスパーソンとして必要な他の能力、コミュニケーション、ダイバーシティ、信頼関係の構築、等の基礎も同時に学びます。
社内教育の担当者へ(人事部/人材開発部)
グローバル人財基盤形成教育は、社内の現場で働く従業員・若手従業員・マネジメント層の方が受けることが「必要だ」と考えられがちです。
しかし、それは「理想」ではありません。
従業員が、社外の教育を受ける必要がないことが「理想」です。
つまり、グローバル人財としての基盤がある先輩・上司・会社と接することこそが、
一番の「手本」であり、効果的な「教育」なのです。
(グローバル人財としての基盤とは、イコール語学力ではありません。)
グローバル人財基盤形成教育は、トップ→ダウンで行い、
組織の「底上げ」ではなく「屋根上げ」をすることが重要なのです。
屋根上げをしていれば、長い目で見れば、底上げ対策を取る必要がなくなります。
屋根が低ければ、底上げした能力の伸びしろが制限されてしまいます。(これが、教育が現場で活きない1つの要因でもあります)
しかし、現状では、組織の屋根上げをすることに大きな抵抗を感じたり、物理的な障害もあり、
実行できない組織・団体が多いのではないでしょうか。
問題意識と責任感の強い教育担当者は、矛盾に苦しんでいると思います。
「上が変わらないから駄目なんだ」「会社が変わらないと」という言葉も聞いたことがあります。
しかし、「上」や「会社」を責めることはできないのです。
会社があり、会社を作り保ってきた人々のお陰で、今の自分の仕事があり、生活も生まれているのですから、感謝の対象です。
この基本的なスタンスを教育担当者が踏まえていることは大切です。
そして、「見えているものが異なる」「視点が違う」という現実を理解することも大切です。
社内の教育担当者は、自社の社員のことを考えた教育の実施や企画のプロです。
そのプロの目に映る「理想の組織像」も「真の課題」も、他の従業員には見えないのです。
ですから、教育担当者が考える必要な教育が、現場から反発を受けたり、
上層部から「優先順位を考えて」と却下されるのです。
理想の組織像を、出来る限り社内で共有してください。
「ビジョン構築と共有」です。
会社のビジョンがあれば、それを「人財面」「組織体質面」「社内風土」という観点から、
教育担当部署のビジョンに落とし込んでください。
そこから、教育担当者お一人お一人の個人ビジョンを明確に設定してください。
今はとりあえず底上げでも良いのでグローバル人財基盤形成教育を行った方が良いのであれば、
ビジョンまで手をつけなくても良いでしょう。
その代わり、弊所では、教育を受ける従業員の上司層以上の方や教育担当の方に向けた「説明会」を行っています。
ネットや関係者に当たって調べても、なかなか参考になる成功例が見つかっていなくても、
本気で組織の屋根上げを行い、グローバル化が急速に進むこれからの環境で、社会・世界から真に選ばれ続ける組織になるための強さを築き上げることが重要だと既に考えている段階であれば、
ビジョン構築と共有を行い、教育を走らせる前の地盤作りを行ってください。
この部分は、教育担当者の思いの代弁者として、外部の人間の存在をうまく使うことが効果的です。
講師