【外国人従業員との信頼構築社内会話例】「なぜマスクをするの?」

「多様性を組織の強みに!」

多国籍チームビルディングの教育が大切にしていることは、

強いグローバルチームを作るためには、外国籍従業員に対する教育だけではなく、

彼らを迎える日本人従業員の準備が大切だということです。

多国籍チームで働く上で、日本人に必要なマインドをしっかり構築して初めて

コミュニケーション等のスキルが活きるのです。

スキルを活かすも殺すもマインド次第ということを、いつものようにしつこくお伝えした上で、

本日は、コミュニケーション会話例を考えてみたいと思います。

「ナゼ マスク シナケレバイケナイノデスカ?」

外国籍従業員が、日本人従業員(あなた)にこう聞いてきました。

「なぜマスクをしなければいけないの?しなくてもいいですか?」

あなたなら、どのように答えますか?

  1. 「マスクはしなければいけません。ルールですから。」
  2. 「しなければいけないの。私もマスクはいやだけど、仕方ないの。ルールだから。」
  3. 「マスクはしなければいけない(理由がある)のだけど、どうして?マスクが苦手なの?」

社内の様々なルールに対して、外国籍従業員が「なぜ〇〇しなければいけないの?」と日本人従業員に質問してくることは、とても多いのではないでしょうか。

その都度、日本人従業員が1番のように「ルールだから」と答えていては、

なかなか強い組織(多様性を活かた従業員の働きによって成果を出しやすい組織)には近づいていかないかも?しれません。

 

外国籍従業員が知りたいことは、

「マスクをすることがルールになっている理由」

「マスクをしなければいけないルールにどこまで従わなければいけないのか」

「なぜマスクが大事なのか」

「そもそも、なぜルールがあるのか?」「なぜルールが大切なのか?」

等ということではないでしょうか。

「ルールだから」は答えにならない

「ルールだから従わなければいけない」という理屈は、日本人以外の多くの外国籍従業員には通用しません

世界の中で、規律意識が高い国が日本であり、日本の文化で育った日本人です。

日本に入国すれば、外国人の規律意識が急に高まることはありません。

なぜなら、日本人の規律意識の高さは、日本の歴史・文化・価値観等の要素が影響しているからです。

 

1番のように「マスクはしなければいけません。ルールですから。」と答えてしまえば、

外国人従業員はこう感じてしまうかもしれません。

”この人にこれ以上聞いても、疑問は解決しないな”

そして、「はい。わかりました。」と言って、立ち去るでしょう。諦めて。

 

このようなコミュニケーションを蓄積することは避けて頂きたいと思います。

成果を出す組織には必須である「従業員間の信頼」を構築しにくいからです。

寄り添いは大切

では、2番はどうでしょう。

「しなければいけないの。私もマスクはいやだけど、仕方ないの。ルールだから。」

これは、1番より、良い所があります!

それは、外国人従業員の気持ちに寄り添っている感じがするからです。

マスクをしなければいけない理由は、1番同様「ルールだから」に留まっているため、

この点は改善した方がよいと思います。

しかし、「私もいやなのよ・・・でも一緒に我慢しましょう。」という寄り添いがあるので、

外国人従業員はこう思うかもしれません。

”うーん。疑問は解決しなかった。でも、この人はいい人そうだ。”

質問してきた理由をしっかり理解する

では、3番はいかがでしょうか。

「マスクはしなければいけない(理由がある)のだけど、どうして?マスクが苦手なの?」

まず、YES、NOを答えています。

「マスクはしなければいけないの?」と聞かれているので、

まずは「マスクはしなければいけないの」とYESと答えています。

が、そこで終わらせず、「マスクはしなければいけないのだけど、どうして?

と、相手の事情を聞いています

ここが大切なのです。

 

怖がらなくても良いのです。

相手の事情を聞けば、「マスクをしないことを許さなければならなくなる・・・」と心配する必要はありません。

相手の話を聞き、マスクを嫌う気持ちや事情を知ったら、それを改善するために自分や会社にできることを考える、行う、相手に伝える、そして、こちらも手を尽くすから、あなたも頑張ってマスクをしてもらえる?と伝える。

そして、大切なことは、マスクをしなければいけない理由をきちんと伝えることです。

相手の事情を聞けば、相手は心を開きやすくなり、こちらの話を聞こうという気になり、

結果、ルールも守ってみようとなりやすいのではないでしょうか。

会話例

青が外国人従業員、オレンジが日本人従業員です。

 

すみません、田中さん。マスクは、しなければいけないの?マスクをしなくてもいいですか?

マイケルさん、おはよう!※①あー、マスクね。マスクは、そうなの、しなければいけないの※②だけれど、どうしたの??※③

マスク、できればつけたくないです。

そうなのね。マスクが苦手なの?※④

そうです。

マスクは、今流行っている新型コロナにあなたやお客様が感染しないために、つけて欲しいのよね※⑤

分かるけど。

でも、確かにマスクはいやよね※⑥私も化粧は取れるし、蒸れるし、いやよ※⑦。だからこんな工夫してるの。

あそう。

マイケルさんは、マスクのどこがいやなの?蒸れるから?※⑧

それもある。それに、顔を隠しているみたいでいやだね。滑稽だよ。

そうね※⑨私の工夫、マイケルさんもできそう?※⑩結構蒸れにくくなるわよ。

うん。まあ、できるよ。

顔を隠すのは、滑稽かしらね。まあね。

おかしいよ。みんなでマスクして。

そう見えるかもしれないね※⑪。でも、マスクが不快でも、顔が隠れてしまっても、私は自分がマスクをすることで、マイケルさんやお客様がコロナに感染しないなら、その方が100倍いいわ!

解説

※①「マイケルさん、おはよう!」

まずは相手を人として、家族のように受入れる気持ちで、挨拶などを。

※②マスクは、そうなの、しなければいけないのだけれど、

相手からの質問に対してまずはYESかNOで答えましょう。マスクは、どうしてもしなければいけないのです。

※③どうしたの??

でも、相手の事情にMAX興味をもって聞きます。

外国人従業員のことを大切に、家族のように感じれば、「どうしたの?」が出てくるでしょう。

※④そうなのね&※⑨そうね&※⑪そう見えるかもしれないね

相手の答えは、まず受け止めます。「そうなのね」「そうだったのね」

そして、そう思う理由を聞きましょう。「マスクが苦手なの?」

※⑤あなたやお客様が感染しないために、つけて欲しいのよね

「つけなさい!」ではなく、「つけなければいけないのよ」でもなく、

「つけて欲しいの」と伝えてはいかがでしょうか。

マスク着用は、あなたが作ったルールではないでしょうが、

会社のルール、社会のルールを、あなたの口から説明するのです。

あなたに心を開いている外国人従業員であれば、すんなり聞き入れるでしょう。

※⑥でも、確かにマスクはいやよね&※⑦私も化粧は取れるし、蒸れるし、いやよ

寄り添いです。嫌なのはあなただけではないですよ、私も一緒ですよ、という気持ちです。

そして、自分なりの工夫や、前向きに取り組む考え方等を伝え、「嫌だけど前向きに捉え行動している社員の背中」を見せてはいかがでしょうか。

※⑧マスクのどこがいやなの?蒸れるから?

相手が本当の事情や気持ちを話すまで、ある程度・・・で会話を切り上げず、とことん相手の事情に向き合いましょう。

この姿勢が見られただけで、相手の中で、勝手に問題が解決することもあります。

※⑩私の工夫、マイケルさんもできそう?

相手の問題が分かったら、ひとつずつ、親身に解決していきましょう。

相手の問題がいくつあり、どのような内容かということは、相手より自分の方が把握し、本気で解決しようという姿勢が大切です。

簡単な英語

マイケルさんが、日本語より英語の方が得意であれば、簡単でも良いので英語で会話してみましょう。

英語にこだわる必要はなく、たまに日本語、たまにジェスチャー、たまに翻訳アプリ、

たまに英語が得意な他の社員を活用しながら、とにかく、コミュニケーションを取ることが大切です。

 

Why we need mask? (マスクしなければいけないの?)

Michael,good morning! oh,mask? yeah,we need to wear it,but why?

[マイケル、おはよう!あ、マスク?そうなの、つけなければいけないのだけど、どうして?]

I don’t need it.(つける必要ないです)

Oh, you think you don’t need it. oh, is it because… you feel uncomfortable or something…

[ああ、必要ないと思うのですね。それは、えーっと、不快だからかしら?それとも、、?]

Yeah, it’s not comfortable.(そうだよ不快)

Yes, I understand you. It’s not comfortable… because I feel like it’s steamed in the mask.You,too?no?

[ああ、分かるわ。不快よね。私は蒸すのが嫌よ。あなたも同じ?違う理由?]

Yeah,

To prevent it, I do this. It’still better. You can try?

[私はこんな工夫していますよ。マシになるわよ。やってみますか?]

・I know it’s not easy to wear masks every day, but I want you to wear it to prevent infection.

[毎日マスクじゃいやですよね。でも、あなたに感染症にかかって欲しくないからマスクしてほしいんですよね、私。]

・It’s to protect you, protect customers, and protect the staff members including me^^

・[(マスクをすれば)あなたが守られるし、お客様のことも、同僚のことも守れるのよ、私も含めてね^^(だからマスクして)]

*マスク face mask / mask

*感染しないように to prevent infection

*感染拡大防止 Preventing the spread of infection

*(新型)コロナウイルス  Coronavirus / Novel Coronavirus / COVID-19

*一緒に(この危機を)乗り越えよう! We will get through this together.

 

※参考「新型コロナウイルス感染症について」多言語テンプレート|(一財)自治体国際化協会

 

update notice
最新の更新を
プッシュ通知で受け取る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください