本記事は、

  • 外国籍従業員に必要な教育とは?
  • 日本語・日本ビジネス教育をするだけで本当に成果を出せるようになるの?
  • そもそも、外国籍従業員と働く際の「理想の状態」とは?

このような疑問を解決します。

 

記事を書いている私は、

  • 20年以上グローバル人財マネジメント・育成・採用を経験
  • 現在は、企業・高校・自治体にてグローバル教育
  • グローバル組織創り教育は東京都公共事業に採用
  • 学校や自治体向けのコミュニケーションセミナーは、講義中に既に次回日程が決まるほど、ご好評頂いています(_ _)

 

 外国人スタッフに必要な研修・順番・落とし穴&組織の役割

外国人スタッフに必要な研修・順番・落とし穴・組織創り

 

日本で働く外国人を、最近益々見かけるようになりましたが、一体どれくらい増えているのでしょうか。

日本の現状

日本にいる外国人の数

2016年の在留外国人は、238万人。これは、過去最多です。

永住者は、72万7111人。これは、約10年で10倍に増加しています。

そして、外国人労働者数は、108万人!これも過去最高です。(届け出義務以降)

外国人労働者の多くは、製造業、 卸・小売業、宿泊・飲食サービス業で働いています。  

これからの日本

少子化による労働人口の不足や、制度変更(永住権取得に必要な日本滞在期間の短縮化や在留資格の項目追加等)によって、今後、日本における外国人労働者の数は、増え続けると予想されています。

つまり、外国人と働く場面が増えるということです。  

 

多国籍従業員を抱える日本企業が感じる課題

外国籍従業員の現状

  • 日本人の異文化無理解にモチベーションダウン
  • 不安や不満を感じる (個 としての存在認知 /業務手順への疑問/サポート体制が不足/マインドケア不足/日本人の感覚への疑問)
  • 疎外感を感じる
  • 仕事る対する成長意欲が低い
  • 適切な報告をしない
  • 日本語が上達しない
  • 上司からの指示が理解できない
  • 提案をする場がない
  • 日本人従業員との間に溝を感じる

 

 

日本人従業員の現状

~採用段階~

  • 採用基準が不明瞭
  • 質問力不足
  • 見極め力不足
  • トラブルを防ぐ&魅力が伝わる会社説明ができない
  • 異文化無理解

~入社段階~

  • 外国籍従業員が求める説明の不足
  • トラブルを防ぐための説明の不足
  • 外国籍従業員の不満を見逃している

~入社後~

  • 外国籍従業員が納得する説明をしない
  • 分かりやすい指示をしない
  • 外国籍従業員の要求に適切な対応をしない
  • 評価結果の説明に不備がある
  • 外国籍従業員のミスに適切な対応をしない
  • 他日本人従業員へのケアを軽視している
  • 無意識のうちにチーム力を低下させている

 

このような現実がある中、日本人を含む多国籍従業員が、 高いパフォーマンスを継続的に発揮し、 会社が掲げる企業目標を達成するためには、 どのような教育が求めらるのでしょうか。

多国籍従業員から成る企業が、多様性を強みに変え、持続可能な発展をし、企業目標を達成するために理想だと 思う従業員教育を、主に「外国籍従業員が受ける教育」という視点でご紹介します。  

 

日本で働く外国人には、どのような教育が必要か?

日本で働くのだから、当然、「日本のビジネスマナーを教える」 「日本人のおもてなしを教える」などが挙げられるでしょう。  

 

落とし穴

それらの研修はもちろん必要です。

しかしながら、「順番」を間違ってしまっては、 その研修の効果は薄れてしまいます。  

最悪の場合は、良かれと思って行ったそれらの 研修によって、外国籍従業員と日本人の間に溝を作ることにもなりかねません。  

 

日本のサービス、日本人のやり方、日本人のおもてなし、これらを伝える前に、日本人と外国籍従業員に、 「伝える」「伝わる」「受け止める」ための土台を先に作る必要があります。  

 

外国人社員に必要な研修内容と大切な順序★★

◆Step.1

  1. 自文化認知・紹介
  2. 個人ビジョン・役割確認
  3. 会社ビジョン
  4. 日本の企業文化・CS文化
  5. 社内コミュニケーション・チームビルディング

◆Step.2

  1. ビジネス日本語
  2. CSマインド・ビジネススキル
  3. 表現・プレゼンテーション
  4. 上級CS・トラブル対応
  5. マネジメント・リーダー

 

日本人が必要な受入れ準備を行った後、外国籍従業員に対して最初に行うべき研修は、お互いの強みを融合させた組織作りが出来るマインドを養成するための教育です。(上記Step.1)  

日本的経営、働き方、行動特性と その奥底にある日本文化の本質を学び、日本文化を基に、自分の文化を振り返り、 他者に説明できるようになった先に、日本文化の中で働く、自文化の強みを持った 自分(外国籍従業員自身)の理想の姿が イメージできるようになります。  

「多国籍従業員と共に働くために必要なマインド」 =「日本人と働く外国人社員に必要なマインド」 という、「土台」を先に作りましょう。

 

Step.1で土台を築いた上で、Step.2で 具体的なスキル付与を行ってください。

 

土台が必須!!

土台を創ることを省略し、 日本人のサービスを教育し、 How Toやスキルを伝えても、自発的に考え、遣り甲斐を感じ、遣り甲斐を自ら生み出し、自律自走する外国籍従業員にはなりにくいです。  

それはまるで、泥沼の上に家を建てるようなものです。しっかりとした土台(地面)がなければ、 その上に輝く家は建ちません。  

阿吽の呼吸・暗黙の了解が通じない外国籍従業員と良好な職場環境を築くと言うことは、土台を丁寧に築く必要があるということです。

地震が起きても崩れない、 家の「基礎」を築いてください。    

 

教育の目的

日本人を含む多国籍従業員が、高いパフォーマンスを継続的に発揮し、

企業目標を達成し、企業価値を高め続けること

 

目的を達成するために従業員に求められる要素例

◆日本人従業員に求められるもの

  • 会社のビジョンと従業員が求められている期待値の理解
  • 異文化をスムーズに受け入れるマインド
  • グローバルチームを率いるしなやかなリーダーシップの発揮
  • 高いサービスパフォーマンスの発揮
  • グローバルコミュニケーションスキル

 

◆外国籍従業員に求められるもの

  • 自文化の説明と、日本文化(企業文化/接客文化)理解と尊重マインド
  • 会社のビジョンと従業員が求められている期待値の理解
  • 日本で働くためのコミュニケーション&接客スキル(例:CS、察知力、ビジネスマナー、ビジネス日本語、チームコミュニケーション)

 

教育全体像&施策イメージ

以下の順1~4の順番で行うことが非常に重要です。

1.経営陣によるビジョンと行動基準の決定と提示

2.受け入れ体制整備(日本人従業員へのマインド&スキル教育)

3.外国籍従業員へのマインド&スキル教育

4.継続した取り組み

 

参考 東京都公共事業採用教育「多国籍従業員教育とその内製化」  

 

上位層に求められるもの

    • 良質な企業ビジョンを明確に設定し、全従業員が目指すべき方向性を示すこと
    • 行動基準を設定し、全従業員が安心して働きやすい環境を創ること
    • 経営層が率先して異文化理解/多国籍チーム作りに取り組み、手本を示すこと

強い多国籍組織を創るには、入社する外国籍従業員にばかり教育を行うのではありません。  

経営陣が充分な準備をした後、日本人従業員が受け入れのための準備を整えます。  

ここまでが、しっかりと出来ていれば、外国籍従業員に対する教育はさほど必要ありません。

現場にいれば育つ組織が出来ているからです。  

 

期待できる結果

企業目標達成

  • 選ばれる品質提供
  • 企業価値向上
  • 持続可能な発展をする組織基盤形成 など

 

従業員の成長と強い多国籍チームの形成

◆日本人従業員の成長

  • 企業ビジョンと自分の役割理解
  • 外国籍従業員の役割理解
  • 異文化を受け入れるマインドがある
  • 多国籍チームを作るイメージがある
  • コミュニケーションスキルがあるor習得意欲がある

 

◆外国籍従業員の成長

  • 日本文化/企業の特徴と魅力の理解
  • 企業ビジョンと自分の役割理解
  • 日本人従業員を受け入れるマインドがある
  • コミュニケーションスキルがあるor習得意欲がある
  •  

◆強い多国籍チーム

  • 企業ビジョン達成に求められる各自の役割を理解
  • お互いの良さを生かした強い多国籍チーム形成
  • 同じ方向を向いて努力する従業員たち

 

しっかりと土台を築いた外国籍従業員なら、日本人の仕事のやり方、サービスの 細かい手順等のスキルを学んだ時、ひとつひとつの手順に対する理解 (理由や文化背景など)がスムーズに行えるため、 吸収力がグンとアップします。  

スキルを学ぶことで精一杯なのではなく、学んだスキルを「自分ならどう活かすか」 考え始めます。 「他の日本人社員の中で働く自分の存在意義」を 意識し始めます。  

これは正に、会社の財産です。

 

理想の多国籍チーム

しっかりとした研修を、正しい順序で行えば、お互いの強みを「融合」した組織が生まれます。

自分の思いや主張を、適切な方法で、しっかりと周囲に伝え合い、他の社員に対して興味と配慮を持ち、より良いアウトプットを達成するために 互いに力を出す、そんな組織。

 

そして、

日本人の先輩に人生相談をして心が軽くなり、母国の母親から届いたという非常にニガイお茶を 「〇〇先輩の健康のために!」と笑顔で 大量に分け与え、「日本に来てあなたに出会ったから 私の人生は楽しくなりました。 あなたは私の恩師です。」と涙目で伝え、「あなたが困難に遭った時、私は必ず助けます。」 と手紙を書く、そんな外国人が生まれます。  

 

【中国人スタッフが退社する日本人の先輩に宛てた手紙】

 

〇〇さん

私はあなたが会社をやめるとしるとき、かなしかった。

あなたは私の悩みをいつもきにした。

私が家族の問題のことをはじめて人にはなした。

あなたは私のことを泣いた。

いっしょに考え、泣いてきもちがよくなった。

あなたは私の恩師です。

あなたのおかげで私は私と家族がすきになった。

あなたが困るとき、問題を抱えるとき、

私はあなたを必ず助けます。

 

このようなチームが提供するサービスだから、 お客さまの心にまで届くのです。  

 

 

教育が正しく行き渡らないことで起こる結果

  • 正しい研修を取り入れたにも関わらず、従業員の能力や態度が結局変わらない
  • 教育で伝えた内容を、外国籍従業員や日本人従業員が重要だと理解していない
  • ”良好な職場コミュニケーション”の意味が分からず、”求められる仕事を行う”意味が分からず、自分なりの勝手なやり方で働く外国籍従業員が増える
  • 外国籍従業員がルールを守らない、ルールをルールと思っていない反抗的な態度を取る、人によって態度を変える
  • 職場にルール・監視・命令・脅し・罰則が生まれる
  • 職場から信頼し合って働く風土が消える
  • お客さま満足度が下がる、売上が下がる
  • 優秀な従業員から辞めていく
  •  多様性が組織の悩みの種になる  

 

折角教育をしても、成果が出る教育を 取り入れなければ、もったいありません。  

半年前、1年前に取り入れた研修と 同様の研修を別の研修会社に依頼することで 少しの方針転換をし、根本解決が先延ばしになる。従業員に対して罰則や監視を取り入れるようになる。 負のサイクルです。  

このサイクルにはまってしまった組織を変えるには、 時間と労力と、何よりも相当の覚悟が必要になります。

責任者、人事担当者、教育担当者側に、相当の覚悟が必要になるのです。  

 

こうなる前に、正しい教育を行ってください。

もし、既に組織が負のサイクルにはまっている場合は、手を打ってください。

正しい教育を行うことは、多くのお客さまを 喜ばせることが出来る貴社の事業が、 お客さまの元へしっかりと届くことに繋がるのです。  

 

 

ポイントおさらい

  • 多様性を組織の重荷ではなく、強みにするためには土台が必須
  • 「頑張るのは外国籍従業員」は間違い
  • 土台創りは経営陣、日本人が先に行う
  • しっかりした土台があれば外国籍従業員への教育はたいして必要なくなっていく  

 

 

最終的には教育を内製化する

外国人と共に働く機会や、外国人顧客に対応する機会が、今後増えることは必至でしょう。

外国人が新たに入社する度に教育は必要になります。

外国籍従業員が社内でリーダー等の 責任あるポジションに就くことも、当然増えます。

その度に教育を外部に委託するのではなく、社内教育担当者が教育を行うことが理想です。

 

組織が「多国籍である」ということは、 最強チームを創る上では大きなチャンスです!

いかなる環境変化にも耐えられる 多様性豊かな強い組織を築きましょう。

 

具体的教育・研修のご紹介

会社ビジョンを踏まえた上で行います。

◆日本人従業員向け 受入れ教育(4~20時間)

1.異文化理解・受容・・・導入/様々な異文化/日本人の異文化対応力と文化背景 

2.主体性・ビジョン・・・グローバル環境で働く上で欠かせない主体性とビジョン意識

3.グローバルCS・・・グローバル高CS達成に必要な8要素

4.グローバルチーム創り・・・理想の多国籍チーム/安定と連携のチーム力/One Teamの意識

5.多国籍従業員指導・・・外国籍従業員に対する対話指導のポイント/実践指導コミュニケーション

 

日本人従業員向け 受入れ研修

 

 

◆外国籍従業員向け教育(2日間~)

◇Step.1(入社前後に2日間)

  1. 自文化認知・紹介
  2. 個人ビジョン・役割確認
  3. 会社ビジョン
  4. 日本の企業文化・CS文化
  5. 社内コミュニケーション・チームビルディング

◇Step.2(必要に応じて実施・各4時間)

  1. ビジネス日本語
  2. CSマインド・ビジネススキル
  3. 表現・プレゼンテーション
  4. 上級CS・トラブル対応
  5. マネジメント・リーダー

 

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