【グローバル人材⑱】チームの力【必要性・チーム単位・航空会社・孤独な人】
本記事では、以下のような疑問を解決します。
- チームの力はなぜ必要なのか?
- チームの力が厳しく問われる場合とは?
- チームに属していない人は不利なのか?
Contents
【グローバル人材⑱】チームの力【必要性・チーム単位・航空会社・孤独な人】
今までのコラムで紹介したテーマは、
- 時代は変わっていく・変えていく
- そもそも「活躍する」とは??
- 人としての基礎=マインド・心を育てる
- 自分を知っていますか?「主体=本当の自分」の探し方
- ビジョンを定める・ビジョンシートを描いてみる
- ビジョンを叶えていくために
- 表現力/発表する時のポイント・聞く時のポイント
などでした。
これらの内容を踏まえた上で、これからは、「チーム」「仲間」「組織」の力をうまく使って、自分や周囲の人の成長に繋げることの良さをご紹介します。これは、チームスポーツをする人たちにとっては、当たり前のことかもしれません。
◆「必ずチームに属するべき」ではない
チームと言っても、必ずしも全員がチームの中にいるとは限りません。組織に属していても、独りの人もいます。
ここでお伝えしているのは、全員がチームの中にいなければいけない!ということでは決してなく、もしあなたがチームの中にいて、そこで成長していくことに対し、自分の気持ちが「しっくり」来ているのであれば、チームの力を意識してみることを考えてみてはいかがでしょうか?ということです。
◆仲間のビジョンを応援する
以前のコラムで、自分のビジョンを叶えることだけに集中するより、仲間のビジョンが叶うよう本気で応援してみてはいかがでしょうか?とお伝えしました。
しかし、チームに身を置く人が、一人で成長するより、チームで成長した方が良いのは何故でしょう。それぞれで何が異なるのでしょう。
「一人単位で頑張る」&「チーム単位で頑張る」
まず、一人単位での成長と、チーム単位で成長する状態を、比べてみましょう。
一人単位 | チーム単位 | ||
ラグビー チーム | 状態 | フォワードのAさんには 高い能力があるが 他選手は練習不足 | フォワード全員が 高い能力がある |
結果 | スクラムが簡単に 崩れる | スクラムで相手陣地に 攻め入れる | |
外国人を 迎える地 | 状態 | 町の住民Aは心温かく 外国人観光客を 迎えるが他の住民は迷惑顔 | 町のどの住民も心温かく 外国人観光客を迎える |
結果 | 日本に対して冷たい 印象をもち また日本に来たいとは 思わない | 日本人の優しさに触れ また日本に来たいと思う | |
飲食店 | 状態 | 料理は世界一だが 接客スタッフに笑顔はない | 料理も接客スタッフも 世界一の品質を目指している |
結果 | 料理はおいしいが、 お客さまは 居心地悪さを感じる | 料理もおいしく、 居心地もよい お店だと高く評価される |
表を見て、何を感じましたか?
チームの中のなるべく全員が高い能力や豊かな心をもっている方が、仕事やスポーツなどありとあらゆる場面で、良い結果が生まれやすくなると思いませんか。
◆企業やスポーツで
ですから、たとえば、持続的な成果を挙げようと考える会社は、以下のような準備にも、真剣に取り組みます。
- チーム力を高める(Team Building)
- チーム全員のビジョンを高め合わせる(Team Vision)
- 組織の風土創り(Team Culture)
ラグビー日本代表を2019年ワールドカップでベスト8に導いた、ジェイミー・ジョセフ監督の以下の言葉。
「選手の能力がバラバラでも、同じ方向を見ていれば、チームは必ず強くなる」
これは、Team Visionの大切さを表わした言葉と言えます。
Team ability enables a lot.
チームで成長「自分の能力を高める」or「自分とメンバー両方の能力を高める」
チーム内のなるべく全員の能力が高い方が良いことは分かりました。では、ひとりひとりの能力を高めるための努力を、「自分の能力を高めること」を意識して行うのか、「自分と他のメンバーの能力も一緒に高めること」を意識するのか、どちらの方が効果が出やすい=チームが成長しやすいと思いますか。どちらにしても、ひとりひとりの能力は結果としては高まるのですよ?
それぞれで、どのような効果の差が生まれるのでしょう。
自分の能力を高める意識 | チームメンバーの能力も 高める意識 | ||
逆上がりの 練習 | 状態 | 失敗を経験し、 自分なりのコツを掴む | 自分で失敗し、 仲間の失敗も見て、 自分や仲間が見つけた コツ共有し、 多くの情報を元に 自分のコツを掴む |
結果 | いずれ逆上がり できるようになる | 比較的早く、自分も仲間も 逆上がりできるようになる | |
英会話力 向上 | 状態 | 自分が学習した 単語やフレーズを 使って会話をする | 勇気をもって会話に 飛び込んだり 自分の知らない単語を 使う仲間を見て自分の 会話の引き出しが増える |
結果 | 自分の経験から学ぶ | 自分の経験で得られる以上の ものが得られる |
チーム単位での成長を意識することは、自分や仲間にとって、成長しやすい環境創りに繋がるかもしれませんね。
航空会社にとってのチーム力
私が約18年働いた航空会社というのは、仕事の質が安全に直結する世界です。そこでは、チームの力を高めることは、社員に必須の能力とも言えます。
- チームの信頼関係は、報告の質を変え、共有情報の質を変え、安全を守りも脅かしもします
- チームの風土は、メンバーの可能性を引き出すことも、彼らを萎縮させることも容易にでき、それは保安業務の質を変えかねません
- 世界中で起こった航空機墜落事故のあまりに多くは、チーム力不足が原因しているという事実があります
Team trust is vital for people dealing with safety.
ですから、航空会社には、チームの力を築くための教育・訓練が豊富にあります。経験を積んだ責任者であれば、初対面のチームであっても、瞬間的にチーム力を構築できるようになります。航空会社社員にとって、チームの力があることは理想なのではありません。安全を守るために、必須の要素なのです。
チーム力の必要性
チームの力はなぜ必要なのでしょうか?それは、良い仕事をするためです。人が気持ちよく働くためです。それによって何が起こるのでしょうか?
◆チームの力の必要性
チームの力は、信頼関係、互いを高め合う風土、互いを尊重し思いやる風土、同じビジョンの共有から成り立ちます
⇒ チームの力は、良い活動環境を築きます
⇒ 良い活動環境では、人は成長も、力の発揮も、気づきや情報の発信もしやすくなります
⇒ 人が成長し、力を発揮し、発信が活発な環境では、成果が生まれやすくなります
⇒ 成果によって、メンバーは自信と誇りを得て、更にチームの力が強まります
⇒ チームの力が強くなれば、更に成果が生まれやすくなります
⇒ 強いチームの力の元で生まれる成果には、持続性が期待できます
⇒ 持続的に成果を出すチームが掲げるビジョンは実現しやすくなります
⇒ 実現したビジョンによって、幸せになる人々や社会が生まれます
だから、チームの力があることは、社会にとっても良いことです。
もしあなたが今、組織・チーム・学校・クラス・部活などのチームの中に身を置く人であれば、「チーム単位で成長する意識」について考えてみてはいかがでしょうか?
一人は不利なのか
とは言っても、必ずしも全員がチームの中にいるわけではありません。(しつこいですが・・・)成長へ向けて一人で頑張っている人は不利なのか???
いいえ、違います。一人でも、まっすぐ前を向き、視点を上げ、ぐんぐん成長していく人もいます。成長意欲が高く、志が高い人は、時に、敢えて独りを選ぶことがあります。
仲間がいるかor独りか、それは成長には本質的には影響しません。
仲間がいる人は、チームの力をプラスに使えばいいのです。
独りの人は、静かな時間をプラスに使えばいいのです。
大切なことは、あなたが成長したいかどうかです。
The point is not whether we’re in team or not, but if we want to grow? and grow for what.
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