【異文化基礎知識】ムスリム対応・タイ僧侶・アレルギー対応・宗教食
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【異文化基礎知識】ムスリム対応・タイ僧侶・アレルギー対応・宗教食
外国人のお客さま応に難しさを感じる要因の一つに、「異文化が分からない」というものがあります。
たとえば、
- こちらは良かれと思って行ったことが、異なる文化背景を持った外国人のお客さまには迷惑だった…
- ドイツ人には喜んでいただけた対応が、アメリカ人には響かなかった、ベトナム人は気付いてさえくれなかった…
- この中国人のお客さま、さっきは「yes」って言ったのに、今は「no」って言っている…
- この外国人のお客さま、ものすごい笑顔で堂々とルール違反をしている…
なぜだろう…異文化が分からない…
外国人のお客さま対応をスムーズに行うためには、色々な国の文化を頭に入れなければ!
よし!まずは中国人の文化から!?
異文化理解はどこまで必要?
異文化理解は大いに必要ですし、ビジネスを共に進める相手国の理解も必要です。
ただし、多国籍のお客さまが訪れるような接客現場社員のお客さま対応力を上げるために、
ひとつひとつの国の文化を学ぶことや、ひとつひとつの国のクレーム文化を知ることは、どこまで重要でしょうか?
「異文化理解」は異文化に対応できる自分作りのため
訪れる外国人のお客さまの国の文化の数だけ異文化理解を深めること、可能ならばひとつひとつ外国の文化を勉強をすることは大切だと思います。
ただし、様々な異文化を理解し頭に入れることと、理想の対応が出来るようになることは、イコールではありません。
実は、世界中の様々な異文化に関する知識が全くなくても、外国人のお客さまに対して、理想の顧客対応を行うことは可能です。
この点は、今回詳しく触れることは致しませんが、ポイントは、
「いかなる異文化が目の前に現れようと、スムーズに対応できる自分作り(=異文化対応力)こそが大切」ということです。
つまり、異文化自体の理解が重要なのではない、ということです。
真の異文化理解については、以下記事をご覧ください。
日本人にも色々いる
たとえば、日本人は時間を守る国民だと思われていますが、沖縄の私の友人は時間におおらかな感覚を持っている人が多いですし、私の友人の中には時間通りに約束に現れることが殆どない人もいます。
でも、全員日本人です。
中国人にも色々います。アメリカ人にも色々います。
業務上必要最低限な異文化情報を踏まえておけば一旦は分であり、それよりも、目の前に現れた全てのお客さまに対して、相手の異文化を受け入れ、理想の顧客対応を安定的に行う自分創りの方が、何倍も求められます。
異文化基礎知識
ただし、外国人のお客さまに日頃から対応する方は、知らないことによってトラブルにつながる可能性がある異文化情報は理解しておくとよいでしょう。
タイの僧侶
国際線の新人CAは、タイ便に初めて乗務する際には必ず、タイの僧侶の方について教わります。
- 女性はタイの僧侶に触れてはいけません
- 必要以上に話しかけないように
- なにかをお渡しする際は、なるべく右手を使うように
- お子さまであってもタイ人の頭をなでないように
CAを辞めた今でも、タイの僧侶の法衣を見ると、一瞬身が引き締まります。
触れないように…右手で渡す…頭、ダメ…
特別食
世界には様々な特別食があります。
単なる趣向(好き嫌い)ではなく、宗教上・健康上配慮が必要な食事は、理解しておくと良いでしょう。
たとえば、
- ユダヤ教食
- ヒンズー教食
- イスラム教食
- ベジタリアン(卵・乳製品抜き/卵・乳製品含)
- インド風ベジタリアン
- アジア風ベジタリアン
- グルテンフリー食
- アレルギー対応食 など
ムスリム
私たち日本人にとってあまり馴染みのないムスリム(イスラム教徒)について理解をしておく必要はあると思います。
もちろん、ムスリムのお客さま自身が、ご自分の食べるものを選びますし、サラート(決まった時間のお祈り)もご自身で行いますし、ストリクトな方もいれば、こちらが拍子抜けするほどゆるい方もいますから、私たちが必要以上に心配する必要はありません。
ただし、基本的な情報は理解しておきましょう。
ムスリムが口にしてはいけないもの、決まった時間に決まった方向に向かってお祈りをする、などです。
※参考
ハラル(料理)対応
飲食店の方で、例えば、今後来日数増加が見込まれるインドネシア人などのイスラム圏のお客さまを集客したい場合は、ムスリム対応について検討しても良いでしょう。
「ムスリム対応」「ハラル料理」と聞くと、日本人の私たちには高いハードルのように感じられるのですが、可能な範囲でムスリム対応を行う、それだけで充分、集客効果はあります。
日本人が普段食べているカレー、ラーメン、寿司、丼物、焼き鳥、ファーストフード、居酒屋メニュー等の「人気定番料理をハラル流に表現するとどうなるのか?」
たとえば、調味料の選択、メニュー開発、調理指導を受けてみるのもお勧めします。
日本人は、パリに行ってまで、和食を食べたいとは思いません。ビストロへ行きたいし、フレンチを食べたいです。
イスラム圏の方も同じで、「日本に行ったら、(ハラルに基ずく)和食を食べたい」と思うものかもしれません。
まとめ
- 異文化理解は異文化自体を理解するためではなく、いかなる異文化にも対応できる自分創りが目的です
- 業務上必要最低限な異文化情報さえおさえておけば充分であり、目の前に現れた全てのお客さまに対して、相手の異文化を受け入れ、理想の顧客対応を安定的に行う自分作り=対応力が大切です
- 最低限の知識は身に付けましょう
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