【ビジョンに徹する】4段階のビジョン意識と真のグローバル人材

「ビジョンに徹する」4段階のビジョン意識

「ビジョンに徹する」4段階のビジョン意識

 

持続可能な発展を支える人材や組織にはビジョンをもつことが必須ですが、同じ「ビジョンをもつ」にも、人によって1~4の段階があり、グローバル人材に適した段階は、4「徹する」です。

 

しかし、

「ビジョンはもっているが成果が思うように出せない」

「彼はビジョンはあるようだが何かが違う」

このように感じたことはありますか?

 

その時、ビジョンの種類を確かめ、「ビジョンの種類は間違っていないのだが・・・」と、更に混乱してしまうことがあるでしょう。本記事では、その混乱を解消していきます。

 

「ビジョンがある人・ない人」記事はこちらから

 

 

「ビジョンの種類」を再確認

まず、ビジョンの種類を再確認します。

たとえば、「自分がこうなりたい」「評価されたい」「出世したい」「有名になりたい」「信頼されたい」「良い仕事をしたい」「〇〇のサポートをしたい」などは、個人の目標・コミットメント・行動宣言であり、良質なビジョンとは少し違います

 

ビジョンとは、相手・社会・世の中などの、どこかの誰かの幸せが実現している情景です。

 

自己犠牲しろということでは全くありません。ビジョンを実現しようと誰かの幸せが叶うことを目指し、努力を重ねている人ならば、自分ごとの目標など、適当に、気づけば、ビジョンへ続く道の過程で叶っています。

 

お客さまや世の中の幸せを叶えることから意識がブレず、実際に尽力し続けている人から、評価・良い人脈・豊かさ・信頼などが、去って行くわけがありません。これからの時代、ビジョンに徹し生きながら、貧しい人生を送る人を探す方が難しいでしょう。

「ビジョンの種類」記事はこちらから

 

ビジョンの「持ち方」4段階

それでは、

「ビジョンはあるのに、何故か成果が出ない」

「ビジョンはあるのに、何かが違う」

という場合はどうすれば良いのか?

 

それは、ビジョンの「持ち方」を見つめ直すことです。ビジョンの抱き方、ビジョン意識には、4段階あります。

◆4段階のビジョン意識

段階1 ビジョンを「掲げる」

段階2 ビジョンを「もつ」

段階3 ビジョンを「深める」

段階4 ビジョンに「徹する」

 

 

段階が1から4へ上がるほど、ビジョンの抱き方としては良質であり、これからの時代を発展を導く人材が目指すと良いものでしょう。 また、時代を導く意識がなかったとしても、仕事でうまくいきたければ、ビジョンの持ち方は上げていくしかないでしょう。

では、ひとつずつ説明します。

 

段階1 ビジョンを「掲げる」

ビジョンを「掲げて終わっている」段階です。

 

例えば、

「ビジョンを掲げる会社に勤めているから、自分にはビジョンがあります」

「ビジョンは毎年元旦に決めています」

ここで終わっている段階ということです。

 

「じゃああなたのビジョンは?」と聞くと、手帳を見なければ思い出せなかったり、「え~っと、より良い社会のために・・・」などとあやふやな言葉が出てくれば、段階1です。

 

「より良い社会」「世の中」「お客さま」などの言葉が含まれているビジョンであれば種類は間違っていませんが、絵に描いた餅では意味がありません。

 

 

段階2 ビジョンを「もつ」

自分の仕事がビジョンに繋がっていると仕事中に分かっていれば、段階2です。

 

多忙なときでも、ふと手を止めれば、「この仕事の先に、世の中の幸せがある」と辛うじて分かっている状態です。

 

しかし、この仕事が、「どこの、誰の、何に、どのように」役立ちビジョンへ繋がっているのかがあやふやなので、「この仕事はきっと〇〇に繋がっているだろう」「自分の仕事が〇〇の役に立ったかどうかは、自分が死ぬ時になれば分かるだろう」などと、行き当たりばったりな考えをしています。

場合によってはビジョンに通じていない仕事をしている可能性が意識の中にあるようです。自分が人生においてビジョンを叶えるかどうかは、五分五分なのでしょう。この心許なさは、「働く自分」と「ビジョン」の間が埋まっていないことが原因です。

自分の仕事がビジョンに繋がっていると仕事中に分かっていれば、段階2です。

 

グローバル人材の基盤形成教育を通し、多くの方のビジョンに接してきましたが、段階1又は2は多いです。責任ある役職にいようと、会社の舵を取る立場でも、何十年も働いているベテランでも、関係ありません。

 

それが悪いと言うことではありません。色々な人によって歴史が作られ、私達が暮らす社会が作られました。全ての働きに感謝と敬意を抱きます。

 

ここで今、ビジョンをもつ段階を示しているのは、前述の通り、これからの時代を持続可能な発展へ導くグローバル人材のためです。彼らが、ビジョンの持ち方には段階があることを知り、世の中の多くがどの段階にあるのかを知ることが必要だからお伝えしています。

 

段階3 ビジョンを「深める」

「働く」と「ビジョン」の間が埋まっているのが段階3です。

 

ビジョンを叶えていくために、Aの仕事、Bの仕事をしています。

「Aの仕事では、〇〇な人が☆☆の状態になることが目標であり、それがビジョンへ繋がっている」

「Bの仕事では、□□の地域社会が★★の状態になるように尽くす」

という、具体的な目標と、その目標が達成された際の〇〇な人や□□の地域社会の情景が頭に明確に描かれている状態です。

段階3 ビジョンを「深める」

 

仕事の一つ一つに、理想イメージを定め向き合っていれば、ビジョンは深まります。これが、とことん相手の立場で考え動いているかどうか?と繋がっており、つまり、ビジョンはあるのに成果が出ないという道を排除する意識です。

 

段階1又は2の状態の意識では、全ての仕事がひとまとめにされ、「仕事は全部とりあえずビジョンへ通じているだろう」という考えです。この段階では、相手の立場に立った考え方が、まだ身についていないと言わざるを得ません。本人は「相手の立場で考えている」と思っていますが、現れる言動や成果が真実を表わしています。

 

 

ここで、グローバル人材が知っておいた方が良い大切なことをお伝えします。

 

ビジョンを深められないことがある

ビジョンを深めることは、人によってはとても簡単で楽しい作業です。一方、深めたくても深められない人がいることも、グローバル人材は理解しましょう。理由は主に2つあります。

 

◆理由1 自分のビジョン意識を疑っていない

多くの人は、自分の課題には目をつぶりたいものです。「僕はビジョンを持っているから大丈夫」と、自分を疑う余地がなければ、なかなかビジョン意識を深めることも、その他の成長へ向かうことも難しいでしょう。

自分のビジョン意識を疑っていない

 

しかし、人の気持ちを他者が強引に成長へ向かわせることは難しく、逆に頑なにさせる結果に陥りかねません。会社や上司の指導方針によるでしょうが、早道だと感じているのは、周囲がとっととビジョン意識で成果を出していくことです。

悪く言えば「置いていく」になりますが、それが奮起か淘汰に繋がっていきます。奮起に行かせたければ行かせたいほど、指導者は、強引さや圧力ではなく、忍耐が必要です。

 

◆理由2 主体性の確立が完了していない

ビジョンを深めようとしてもできない人の多くは、主体性の確立が未完了です。この段階の人は、生きるために、自分の目標、願望、欲望を叶えることや認められること(承認欲求)を無意識に最大の関心事としています。認められること、評価されること、目に見える成果を出すことなどが、まず埋めたい願望です。

そうして自分が満たされなければ、”人の☆☆が叶っている情景”など心から描けるものではないと思います。

 

ちなみに、主体性の確立とは、目標を掲げたり、成功体験を増やしたり、主体的に行動しようと意識することでは決してありません。ありのままの自分を認め、評価し、労い、大切に扱い、そして、自分の価値と可能性を、自分が一番信じている状態です。

欠点も課題もまだまだ残っているとか、未達成の目標があるとか、周囲の人が自分をどう評価しているか、などは関係ありません。現時点の自分をありのまま認め、評価しているかどうかが主体性の確立です。それができていれば、心の中に、埋めなければいけない穴がありません。だから、自然と他者貢献へ視点が向かいます。心に穴があれば、それを埋めることが生きるために最優先です。

主体性の確立を省略して良質なビジョンは抱きようがありません。

こちらの記事で解説しています。

 

色々な人と関わりながら理想を現実に変え、ビジョンを叶えていく真のグローバル人材にとって、ビジョンを深められない人にはそれなりに理由があるということを知っていることは大切です。

↓こちらの記事が参考になれば幸いです。

「理想を現実にする最も確かで持続可能な方法」記事はこちらから

 

段階4 ビジョンに「徹する」

最後の、ビジョンに「徹する」段階では、意識も行動もビジョンからの逆算で適切に選択できている状態です。

 

ビジョンを実現する上でプラスに働かないような考え方、時間の使い方、作業、人脈、内面的課題、エゴなどをビジョンへ続く道から排除して現実を整えているかどうかです。

ビジョンに「徹する」段階では、意識も行動もビジョンからの逆算で適切に選択できている状態です。

 

これは、ビジョンを実現する上で、最も効率的で、何をしても失敗しないかのような状態で、良質な人脈や仕事、サポートが容易に得られる段階です。

 

しかし、ビジョンに徹するなど、現実を考えると、なかなか理想通りにはできないと思います。会社勤めであれば全てが自分の思い通りには行かないでしょうし、受注のためにはどうしても排除できない事情などもあるものです。ですから、無理をすることはありません。今できる範囲で意識するだけでも充分だと思います。

世の中には、現実を考えれば不安になりつつも、信念に沿って生きざるを得ないタイプの人がいます。怖くても、挑戦をしない後悔の方が恐ろしいと感じている人です。そういう人たちが道を切り拓きます。その後、マンパワーが必要になったときに、サポートへ回る役目もあります。

すべての人の役割、選択が間違いではありません。気持ちに沿えばよいと思います。

 

これからの時代を発展へ導くグローバル人材へ

ビジョンに徹するのは、現実を考えると難しいものですが、これからの時代を発展へ導く真のグローバル人材・リーダーであれば、「その現実から創っていく」という意識をもつことが大切です。

 

「理想は分かるけど現実は難しい」この言葉には要注意です。持続可能な発展を担える人材は、この言葉に流されません。現実から創っていくものだという前提をもっているのが、時代を任せられる人材です。

そして、優秀な人材は、その台詞を発する人から距離を取り、自分が身を置く環境や人員配置を変えていきます。多くのお客さまや社会にとっての理想を叶えるためです。徹することから生まれるひとつの行動です。

「当たり前は変わっていく」記事はこちらから

 

「時代を創る意識」記事はこちらから

 

ビジョンへ続く道の上から、不要なモノを排除し、必要なモノだけに絞る力は、ビジョンを叶える力です。ゼロからでも、たった一人でも、ビジョンを叶えられるという自分を信じる力が必要です。この力は、主体性を確立する過程で得られます。

持続可能な発展を支えるためには、もう力任せではなく、内面的課題を丁寧に紐解き解消することが必要になりました。ビジネスで成功したい、出世したい、有名になりたい、すべてに繋がっています。

「グローバル人材の定義と必須6大要素」記事はこちらから

 

以上が、ビジョンを「持つ」の4段階です。今のあなたは、どの段階ですか?ビジョンに徹し、スムーズに成果が出る流れに乗っていますか?

もしそうでないと少しでも感じる場合は、ビジョンを考えなおす前に、主体性の確立に向き合った方が早道かもしれません。主体性が本当の意味で確立していれば、湧き出るビジョンから生まれるスムーズな流れに乗っているはずだからです。

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