【地域創り】外国人との良好な異文化コミュニケーションに必要な8要素
【地域創り】のコラムは、「外国人の増加」と「地域住民の幸せ」が両立する地域創りとその連鎖におけるポイントを紹介しています。
本記事は、以下の疑問にお答えしています。
- 外国人とのコミュニケーションに必要な要素は?
- 語学上級者になれば良質なコミュニケーションが取れるようになるのか?
- コミュニケーションをどのように地域創りへ繋げるのか?
Contents
【地域創り】外国人との良好な異文化コミュニケーションに必要な8要素
以前のコラムで確認しましたが、地域創り・異文化コミュニケーションの目的は以下2点です。
- 外国の方と日本人住民が関わる中で、多くの幸せを感じること
- 1を通した、更に心豊かな地域創りとその連鎖
こちらの記事で、このコラムの目的/目標をご確認ください。
今回は、外国人との良好なコミュニケーションに必要な要素について考えていきます。
実際に、外国人と良好なコミュニケーションを築きながら、ビジネス関係を維持していたり、サービスを提供し続けている日本人に備わっている能力とは何なのでしょうか。
それは、マインドというどっしりとして丈夫な土台と、その上に成り立つスキルです。
良質なコミュニケーションの大前提はマインド
外国人との良好なコミュニケーションを築く上で大切なポイントは8つあります。
◆外国人との良質なコミュニケーションを築く上で大切な8つのポイント
- 受け入れの心(異文化理解・他者受容)
- もてなしの心(おもいやり)
- (少しの)スキルと知識
- 思い込みなし
- 対応(コミュニケーション)に正解はない!
- ビジョンがある!(理想の地域像・自分像)
- 日本を誇り、自分を誇る!(自文化理解・自己承認)
- チームの力がある!(地域の力)
この8要素は、とてもシンプルなことばかりです。
◆8要素のシンプルな中身◇1.受け入れの心(異文化理解・他者受容)
- 国籍・文化・タイプに関わらず、相手のありのままを好意的に認める心
- 外国人との関係だけに関わらず大切
- たとえば、【地域創り】外国人との良好な異文化コミュニケーションに必要な8要素が足りない場合、外国人とのコミュニケーションの際、「迷惑な人たちだ」「〇〇すべきだ」「なぜ〇〇しないのだ」等の考えになりやすいです。
◇2.もてなしの心(おもいやり)
- 相手のことを、自分の大切な家族や親友と捉え接する心の習慣
- もてなしの心が足りない場合、「何を言っているのか訳が分からない」「私には関係ない」「これくらいしておけばいい」等の考えになりやすいでしょう。
◇3.(少しの)スキルと知識
- コミュニケーションに役立つ語学力や異文化情報などは、身につけていることで、相手との関係を築きやすいです。
◇4.思い込みなし
- 英語に対するコンプレックス、美しい英語を目指すべき、などという、日本人に潜む根深い思い込みが、外国人とのコミュニケーションにプラスに働くことはありません。世界で行き交う英語の実態を知ること、そして、思い込みが生まれた背景を知ることで英語に対する不要な思い込みの解消が大切です。
- 日本を訪問先・居住先として選ぶ外国人たちが求めている価値は、必ずしも日本人の想定と一致しません。外国人の方が何を価値と感じるのかを知ることは大切です。
◇5.対応(コミュニケーション)に正解はない
- 真面目な多くの日本人が求める「ひとつの正解」「推奨」を、コミュニケーションにおいては「十人十色が正解」と理解した人々からなる風土創りが大切です。
◇6.Visionがある(理想の地域像・自分像)
- ビジョンなくして、理想は実現しません。それは、地域だけではなく、いかなる組織も、人も、事業も同じです。
- 地域のビジョンや仲間(他住民など)のビジョン、更には、他の地域や人々のビジョンを知ることは、自分のビジョンを叶えていく上で、大きな後押しとなります。
◇7.日本を誇り、自分を誇る!(自文化理解・自己承認)
- 良質な異文化コミュニケーションは、自分軸と自分軸の交わりです。つまり、自分のこと、日本のこと、地域のことを知り、自分なりの想いをもち、人に語ることができるか?というのは、多様な時代の基本です。
- 他者の受入れ(異文化理解・他者受容)にも繋がりますが、まずは自分が自分自身のことをありのまま認め、受入れているかどうか(自己承認)は、他者受容の能力に直結します。
◇8.チームの力がある!(地域の力)
- 地域創りは地域ぐるみ=チームで行うこと、そして、自分のチームに存在する仲間とその役割を知ることは、地域に良質な異文化コミュニケーションを浸透させる上では大切です。
外国人とのコミュニケーション「マインドとスキルの関係」
質の良いコミュニケーションには、語学などのスキルだけではなく、マインドが非常に重要ですが、スキル向上に関しては、努力も成果も手ごたえを感じることが比較的容易なのですが、マインドに関しては、「マインドを高めよう!」と気合を入れても、どのような努力や心がけが必要なのか、成果はどのように確認するのか、分かりにくい部分です。
従って、結局はスキル向上にだけ注力することになってしまう方が多いのです。
そして行き着くところは、せっかく努力して得たスキルが理想の成果に結びついている実感が持てず、スキル向上に対する意欲さえ低下してしまう、という悪循環です。
なぜ、スキルが理想の結果に結びついている実感が持てないかと言えば、それは、スキル向上と同時にマインドを成長させる意識が低かったからです。
スキルが目標達成のために役に立つ仕組み
外国人との良好なコミュニケーションは、語学力が高い日本人ばかりが生み出しているのでしょうか??
語学力が高い日本人イコール、外国人の心が喜ぶコミュニケーションを生み出す人なのでしょうか??
それは、必ずしもイコールではありません。
英語が上級レベルでも、その英語が相手の幸せのために使われていないことがあります。
スキルを身につければ、掲げた理想イメージが自動的に叶うわけではありません。
身につけたスキルが、目標を達成するために役に立つかどうかは、そのスキルを使うための土台=マインドがしっかりとしていることが大切です。
地盤がしっかりとした土地の上には、どんな大きなビルも建ちます。
しかし、ぬかるんだ土地では、小さな犬小屋でさえ崩れてしまいます。
スキルが目標達成のために役に立つかどうかは、そのスキルを何のために、どのように使うのかというマインドの状態によって左右されるのです。
スキルとマインドが整っている状態
グローバル教育を行っている私は以前、多国籍チームをマネジメントする立場にいました。
その頃の私は、特に不自由を感じることなく英語を使うことができていました。
しかし、私がマネジメントするチームでは頻繁に問題が起こり、メンバーの士気は低く、成果は出ませんでした。
リーダーの私は誰よりも豊富な知識を身につけ、当時の英語力にも問題はありませんでしたが、皆から敬遠される存在でした。
私のスキルや知識は、日の目を見ることができないでいました。
しかし、数多く良質なグローバルコミュニケーションを研究し、マインドの重要性に気がついた時から、私は足かせが取れたように前進を始めました。
それまで存在感が薄かったスキルと知識は、私の背中を力強く押してくれる存在に変わりました。
マインドが整っていればスキルが活かされ物事がスムーズに進みやすくなるということを、私は学びました。
外国人と日本人が共存共栄する良い地域を創るためには、そこに居る人々の語学力や異文化知識が最重要なのではありません。
語学力や知識を正しく活かすマインドがとても大切なのです。
コミュニケーションを地域創りへ繋げるために
良質な異文化コミュニケーションを理想の地域創りへ繋げるためには、8要素を理解した人々の集合体を作ることが大切です。
1.受け入れの心 2.もてなしの心 3.(少しの)スキル
4.思い込みなし 5.対応に正解はない! 6.ビジョンがある!
7.日本を誇り、自分を誇る! 8.チームの力がある!
結局は、そこにいるより多くの人々の心が同じような「理想の地域像=ビジョン」を共有し、そのために必要な意識・行動を良く理解していることが、ソフト面における、理想の地域を創る唯一の手段です。
富士箱根で、地域ぐるみの地域創りを実現したVisit Japan大使・髙橋氏の著書は、これからの時代に持続発展する地域創りの参考になると思います。
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