【地域創り】思い込みをなくす!英語に対する意識と外国人の期待値
【地域創り】のコラムは、「外国人の増加」と「地域住民の幸せ」が両立する地域創りとその連鎖におけるポイントを紹介しています。
本記事は、以下の疑問にお答えしています。
- 英語に対するコンプレックスをなくすには?
- 英語を前向きに使ってみようと思うには?
- 地域としてできることとは?
Contents
【地域創り】思い込みをなくす!英語に対する意識と外国人の期待値
これまでの記事で、外国人との接点でお互いが多くの幸せを感じるためにも、心豊かな地域創りにも、心=マインドが大切で、地域創りに欠かせない良質な異文化コミュニケーションには8つのシンプルな要素が必要だとお伝えしました。
「外国人との良好な異文化コミュニケーションに必要な8要素」記事はこちらから
心が大切とは言え、8要素の③「スキル・知識」に含まれる語学力も、あるに超したことはありません。
心のこもったコミュニケーションを、スムーズに継続させるからです。
相手を思う優しさが、スムーズに伝わるからです。
今回は、③スキルの中の基本「英語力」について考えながら、8要素の④「思い込みなし」に触れていきます。
日本人らしさ「相手に悪い・・・」
外国人をもてなしたい気持ちはあるのに、英語が思うように使えないということはよくあります。
そこで自信を無くしたり、恥ずかしくなったり、申し訳なく思ってしまう…そのような人々が多い国、それが日本です。
同じ「外国語が使えないので外国人と話せない」という状況下にいても、そのことを、「困ること」「自信を失うこと」と位置づけるのか、それとも、「通じなくて当然!」「これぞ正に異文化交流!」と明るく捉えるのかは人によります。
ふたつにひとつなのですが、多くの日本人は前者です。
それは、多くの日本人には、充分なコミュニケーションが取れないことを「相手に対して申し訳ない」と思う優しさがあるからです。
日本人は英語が通じないことに「困る」国民
でもこれは、日本人の素晴らしい特徴とも言えます。
通じなくて申し訳なくなるのは、相手の気持ちや状況を親身に思っているからこそです。
英語を正しく話さなければ…と思っているのは、常に高みを目指す日本人のDNAの表れです。
このような日本人の特徴が、今の日本のもてなしや技術を築く基になっているのです。
では、困らなくて済むポイントを挙げます。
英語を使う際の意識ポイント①「外国人の期待値を知る」
まずはじめに、外国人は日本が英語圏でないことは百も承知です。
そして、多くの外国人は日本語の魅力を、日本人には気付かないような視点で見つけています。
日本人は美しい日本語を話すのです!しかも上手にペラペラと!これは、かっこいいことです!
そして、もうひとつ。
外国人はなぜ日本に来るのでしょう?日本で何を知り、何を感じたいのでしょう?
例えば、来日したアメリカ人が日本のお店を訪れた時、日本人店員がHi!、Welcome!と言えば、歓迎の気持ちに喜ぶでしょう。
でも、彼らにとってHi!もWelcome!も、アメリカにいれば毎日のように聞くことができます。
日本人が話す「いらっしゃいませ」「こんにちは」という音は、日本に来なければ聞けないのです。
もちろん英語で歓迎することも素敵なもてなしです。
でも、ありのままの日本を保つことも大切な価値提供であり、これも相手を想ったもてなしなのです。
外国人たちは、豊かな日本を自分の目で見て、日本人の価値観に触れて、日本人の幸せを知るために、日本に来ています。
ありのままの日本を保ち見せることも、大切なもてなしです。
だから、私たちは「日本を誇り、自分を誇る」(8要素の⑦)
ありのままの日本・日本人・あなた自身を、自信を持って保つこと、意識していなかった日本らしさ・あなたらしさを、堂々と見せることが大切です。
どのような「日本らしさ」「あなたらしさ」「地域らしさ」がありますか?
そして、もうひとつのポイントは、
英語を使う際の意識ポイント②「世界における英語の位置づけを知る」
多くの日本人が英語にコンプレックスを抱く背景には、発音の難しさ・活用機会の乏しさによって、先進他国の欧米の人々と対等に関われない、という自信のなさがあるのではないでしょうか。
多くの欧米人の母国語は英語なので、日本人が英語で対等に話せないのは当然ですし、欧米人は日本語を上手に話せないので、優劣ではありません。
また、日本人には素晴らしいDNAがあり、思いやりと和の精神が大変豊かで、これは、世界の中でも高く評価されています。
が、「劣」を感じてしまうのが日本人の謙虚さです。
その英語、世界における位置づけを確認してみましょう。
◆多様な英語が行き交う世界
文部科学省によると、世界人口における英語ネイティブは4億人。世界70億人のうち6%です。
一方、英語を公用語・準公用語等とする人口は21億人です。
世界の中で3~4人が英語を使っており、その中の3割程度が英語ネイティブ、7割近くがノンネイティブです。
つまり、世界にも、日本にも、多様な英語が行き交っているということです。
ですから、以下のように言うことができます。
- 【英語ネイティブは世界のたった6%】世界のたった6%の英語ネイティブは、ノンネイティブの英語をしっかり聞き取り理解しなければ仕事にならない
- 【英語の訛りは素晴らしい個性】たどたどしく話す外国人の日本語が、日本人に日本語の魅力を再確認させてくれることがあるのと同じ
- 【一方、流暢な英語で得られるもの】仕事の効率と質が上がる・仲間との絆が得られる・自分の中から溢れてくる自信と楽しさ
◆ジャパニーズイングリッシュ万歳
インド人の英語がインド訛りなのは、「俺はイケてる国・インド出身だ」という意味です。
フランス人の英語が鼻に掛かったフランス訛りなのは、「私は世界一クールなフランス語を母語とするフランス人よ」という意味です。
日本人の英語がジャパニーズイングリッシュなのは、「私の国は心豊かな日本です。だから私もいい人です」という意味です。
関西人が東京へ進出し、東京弁を話すと、「魂を売った」と冗談を言われます。
学校で習ったような、美しい英語を話せることが良いことだという前提を取っ払ってみましょう。
そして、ジャパニーズイングリッシュ万歳。魂は、売りません。
◆実際にグローバル環境で活躍している人
余談ですが、今や日本から一歩も出なくても、日本はグローバル環境ですが、多国籍の外国人と共に働く中で実際に成果をしっかりと出している人は、相手の語学力に左右されてはいません。
相手の日本語や英語が聞き取りにくくても、必死に耳を傾け、質問を繰り返し、相手の意図を正しく理解するために手を尽くします。
この時間を最小限に留めるために、自分自身の語学力を磨きながら、コミュニケーションの土台となる信頼関係を大切に築いています。
地域としてできること
外国人との良好な異文化コミュニケーションによる豊かな地域創りのために、地域にできることは、何でしょうか。
たとえば、以下のようなものがあります。
- 地域の店舗などのインバウンドサポートをする際は、外国人に合わせ外国語を使うことを前提とするのではなく、ありのままを見せること=日本語で接することを、まずは誇り高く示すことを価値と伝える
- その上で、日本語が通じない方のためのサポートツールとして語学・翻訳ツールを使っていただく
- 地域の方に、今そこにある素晴らしい価値に多く気づき、誇りをもっていただく
- 地域や住民の「想いやビジョン」を広める(コミュニケーション等の好事例は想いを広めるための補足情報として伝える)
- 地域に「受け入れの心・思いやり・自文化への誇り・地域の力」等を浸透させる
いかがでしたか?
英語に対する意識、日本人として温めるべき価値について、何か感じていただけたでしょうか?
そして、これまでの【地域創り】の記事をご覧いただく中で、あなたにとっての「理想の地域像・自分像」(ビジョン)は明確になってきましたか?
理想の地域創りを望むあなたのビジョンが明確になっていることが、実はとても大切です。
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