東京都支援教育「グローバル組織創り教育」事例発表

グローバル組織・人財基盤形成教育と教育内製化へ向けた取組みサポート

昨年、東京しごと財団の教育支援事業として、教育を希望する某人財教育会社に対し、

グローバル組織・人財基盤形成教育と教育内製化へ向けた取組みサポート」を行わせていただきました。

今回、内製化を目指した教育種類は、2種類でした。

  • 外国籍従業員向けビジネス教育
  • 日本人従業員向け受入れ教育

コロナ禍のため、数ヶ月にわたる教育取組みを全てをオンラインで実施しましたが、

先日、成功事例・推薦教育として事例発表させて頂きました。

例紹介記事

 

1.教育の目的は「組織創り」

外国籍従業員が入社する場合、多くの企業が行うことは外国籍従業員教育でしょう。

しかし、これによって必ずしも、従業員の意識・能力の向上や業務における成果などという会社が目指す状態が手に入るわけではありません。

多様性を組織の強みに変えるにはステップがあります。

 

まず行ったことが、組織が何を目指すのかというビジョンの確認です。

例えば、「外国籍従業員が日本のルールを理解する」という目先の目標を会社の最上位目標とするのか、

それとも「日本人含む多国籍従業員がそれぞれの能力を最大限活かし、会社が掲げるビジョンを達成していくこと」を目指すのか。

当然、後者を目指すことが会社を持続可能な発展へ導くのは言うまでもありません。

 

国籍関係なく従業員がその能力を存分に発揮し成果へ繋げるには、目先のスキル付与教育ではあまりに不足が多いのです。

そこに居れば従業員が育っていく組織を創ることが不可欠です。

そこには、組織の基盤となる考え方や風土を築くことと、多国籍従業員が共に働き成果を出すために必要な教育を内製化することが含まれます。

 

ここを理想論で片付けず、先送りにしない強さが、その会社の持続可能な発展を可能にしていきます。

 

2.重要なのは教育を行う順番

会社を持続可能な発展へ導くために教育や取り組みを行うならば、順番が重要です。

  1. まず会社ビジョンを確認しました。ビジョンによって従業員が目指すべき地点が定まり、足並みが揃いやすくなります。ビジョンは「〇〇な会社になる」などの自分ファースト視点ではなく、その上の「お客さまや社会の幸せ」まで視点を上げて設定します。
  2. 次に、社内教育担当者が意識合わせを行いました。担当者の人選が可能であれば、発展を目指す意欲の高さと他者を尊重し思いやる心の豊かさで選ぶのが良いでしょう。内製化していく教育と組織創りに必要なマインドを、先立って理解していただきました。
  3. そして欠かせないのが、社内説明会です。組織創りは、教育担当や外国籍従業員の直属の上司が担当者ではありません。彼ら含む従業員全員が担当者です。教育担当者が行う指導の効果が持続するためにも、従業員全員を当事者にするのです。
  4. 教育を最初に受けたのは日本人従業員です。異文化理解、グローバル品質、多国籍チーム創り、指導者マインドを確認し、多様性を成果へ繋げるための受け入れ体制を先に築くのです。
  5. 最後に外国籍従業員が教育を受けました。教育で得た学びを現場で活かすために、彼らを受入れる日本人従業員の後に教育を受けるのです。

 

3.教育内容は「組織と人財の基盤創り」をベースとする

組織を持続可能な発展へ導き会社ビジョンを達成することを教育の目的とするならば、

全ての教育は「組織や人財としての基盤」を築くための内容でなければなりません。

 

例えば、異文化理解教育においては、外国の異文化情報の付与に重きを置く教育より、いかなる異文化に直面してもスムーズに違いを受入れ成果を出すためのコミュニケーションに繋げていくマインド養成を重視しながら異文化情報を付与します。

指導者育成教育では、指導力を高めるためのスキル付与に重きを置くのではなく、良質な指導に必要なマインド養成をポイントにしながらスキル付与を絡めるのです。

基盤の上で初めてスキルが役立つという教育スタンスは、非常に重要です。

 

一般的に、教育を受ける従業員はスキルや新しい情報によって自身の不足を埋めようと望みます。

しかし、スキルを探している段階の従業員は、得たスキルを活かせる段階に辿り着いていないことが多いのです。

マインドが充分備わっていれば、既に持っているスキルで成果を出せることが多くあります。

 

最後に重要なのは伝え方です。

従業員のありのままを認め敬意を払っている人財が教育を行うから、従業員は理解しやすいのです。

社内教育担当者自身が指導者マインドを充分踏まえることが重要になります。

 

4.組織創りのための教育や取り組みを内製化していく

教育担当者・責任者・現場の日本人従業員が一連の多国籍組織創り教育を受けた後、外国籍従業員教育が始まります。

外国籍従業員教育は弊所の講師が実施しますが、教育担当者は、ただその研修をオブザーブするのではなく、以下の視点を持ちながらオブザーブし、弊所からの課題もこなしていきます。

  • まずは教育担当者自身が教育内容を誰よりも深く理解すること
  • 自社仕様にアレンジする視点
  • 社内における「伝わる」伝え方とは
  • 自分なりの伝え方

 

教育に使用する教材等一式は、ご希望に応じ、弊所がご提供しました。

最終的には、必要に応じて講義指導、対話指導を行いながら、教育担当者が効果的に研修を実施したり、従業員との対話指導が行えるよう、技術・マインドの仕上げを行います。

 

5.取組みを振り返って

今回教育を希望した某人財教育会社は、当初から教育を内製化する重要性を唱えていました。

会社の永続的な発展を考えると、組織創りや教育を外部に委託し続けることは理想ではないからです。

 

日本人含む多国籍従業員にとって成果を出しやすい組織創りと、そのための教育は、現在の日本では先行事例があまりに少なく、実績や歴史のある教育会社自体が未だ正解を求め模索している段階です。

まずは、効果的な方法を知り、そして、組織創りは決して押しつけでは成功しないことを踏まえ、行動を起こすことが大切です。

そこから先の、自社にとっての正解を追求していく過程が財産となり、会社を永続的な発展へと導くでしょう。

 

理想の組織・人財の基盤創り

理想の基盤創りは、「それができれば理想だよね」で片付けられることが、あまりに一般的で、現実的思考です。

99点の現状から、100点の理想への1点を埋めるための労力・時間を考えると、そこに挑もうという会社は少ないでしょう。

しかし、思っている程、組織創りのために全従業員に改革を!という重々しさはないかもしれません。

そして、意識の低い従業員を、結果として、淘汰していく流れを創るものになるでしょう。

 

その1点を「たった1点のために・・・」なのか「未来を創る基盤」と捉えるのかは、視点の違いです。

ひとりひとりの視点の集合体がその会社を構成し、ただそれだけのことであり、無理に行うことでは決してありません。

それぞれのタイミングがあるものですし、実際に今行動を起こせる会社は、ごくわずかです。

 

しかし、今、たった1点のために、目を背けたくなる自社の課題に向き合い、

持続可能な発展のために、組織の基盤を創り上げようと行動を起こしている会社がいます。

そこで働く従業員は、一生開けるつもりのなかった「蓋」に自ら手を掛け、自身を持続発展する人財にレベルアップさせようとしています。

彼らが、少し先の未来で結果を出し、持続可能な発展サイクルに入ったとき、

「たった1点の基盤創りが会社の持続可能な発展には欠かせない」という常識が、世の中に生まれていることでしょう。

 

そこから新しい価値感が生まれ、真基準として世の中の役に立てればいいなと思います。

 

 

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