【グローバル人材㉗】自文化への思い【多様性・異文化受容/世界の苦しみ】
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【グローバル人材㉗】自文化への思い【多様性・異文化受容/世界の苦しみ】
前回のコラム「揺るぎない『異文化受容力』を得る方法」でお伝えしましたが、自分や自文化のことを良く知り、自分なりに大切に想ってることが、他者を受入れる際の心の広さや豊かさに繋がります。
では、日本人であるあなたへ質問です。
◆【質問】日本人のあなたへ
- あなたは、自分が生まれ育っている国・日本について、何を知っていますか?
- あなたの口から語られる日本とは、どのようなものですか?
- 日本はいつどのように生まれたのですか?
- 日本には、どのような特徴があるのですか?何を大切にする国ですか?
- 日本という国は、あなたにとってどのような存在なのですか?
- 日本という国は、あなたにどのような影響を与えていますか?
- あなたは日本という国が好きですか?
- あなたは自分の国を誇りに思っていますか?
- あなたは、歴史を積み重ねた日本人のことを、どう思っていますか?
あなたは堂々と自分の国を語ることができますか?
日本を語れない日本人
心苦しいですが、みなさんに伝えます。
現在193の国連加盟国の中で、日本は、2000年以上にわたる最も古い歴史を持つ国であるにもかかわらず、自国の建国について知らない国民が非常に多く存在しているという、外国人から見ると「異様な国」です。
海外で「私は自分の国の建国の由来がわからない」と言うと軽蔑されます。
他の国ではありえないことなのです。
日本を知らないことの重大性に気付かない日本人
自国の成り立ちを知らず、特に学んでもこなかった日本人たちは、日本にいればそれが当然なので、何の問題意識ももちませんが、外国人と接するようになると、その特徴は、様々なコミュニケーション摩擦を引き起こす種になっていることがあります。
しかし、自国を知ることが重要だとは思いもしない多くの日本人は、目の前で起こっている問題の原因がどこにあるのか、皆目見当がつかないのです。
たとえば、信号を守らない歩行者が多い国では交通事故が多いのですが、その国の人々は信号を守る大切さを知りませんし、信号によって守られた交通秩序を見たことがないので、事故を防ぐ方法がよく分からないのです。
その国を訪れた外国人は、信号を守れば良いだけなのに・・・と思うのですが。
信号を守ることが、自国を知ることです。
自国を知らない日本人
多くの日本人が、なぜ日本の成り立ちや歴史について知らないまま生きているのか、知っていますか?
日本人の不勉強が原因だと簡単に片付けることはできない理由があるのです。
国連加盟国の中で、自国の成り立ちが教科書に記されていない国は、日本だけだそうです。
日本人は、今いる大人たちも、子供の頃から日本について教えられなかったそうです。
戦後の大人たちの中には、子供たちに日本の歴史や良さを教えるのではなく、日本の愚痴を聞かせ、若者の悪口を聞かせてしまうようになった人が多く生まれたと言われています。
もちろん、だからといって、昔の大人を責めるのは違います。
その方たちが、その時代を生き抜き家族を守るためには、必要な道だったのかもしれません。
そして私達は、先人が創った時代の上に生きています。
自分が知らない人生を生きた人々の批判は決してできません。
ただ、そのような背景が隠れているということを知り、今後に活かせば良いのです。
外国人が抱く日本人に対する違和感の共通点
外国人の中には、日本人のことを高く評価する人も多くいますが、一方では、他国の外国人には感じない「日本人に対してのみ感じる違和感」をもつ人もいます。
私自身が直接外国人から聞いたり感じたりしたことも含み紹介します。
◆外国人が日本人に抱く悪い印象例
- 自分の意思がないようだ
- あいまいにごまかす
- 異文化受容力が低い
- 自信がなさそう
- 大人が幼い考え方をしている
- 目的意識が低い
- 物事を前に進める思考より止める思考
- 人と人として意見を交わすことができない
- 主張が変わりやすい
- 人目を気にしすぎる
- なんとなくフワフワしている
- 自分の道をしっかり歩んでいないように見える人が多い
- 交渉、折り合いがアンバランス
など
このような特徴は、「自分が自分であることに自信が持てない」という心の深くにあるモノが原因しています。
なぜ自信がもてないのかと言うと、「自分に自信をもつに足る情報を知らないから」です。
つまり、「自分のことを知らないから自分に自信がもてない」のではないでしょうか。
自分のことを知るというのはつまり、「日本のことを知る」ということです。
日本を知らない日本人は活躍できない
日本を知らない外国人に自国を語るとき、「良く知らない」とか「日本が好きとか嫌いとかない」などという表現をする人の話を、もっと聞きたいと思う外国人は少ないでしょう。
自分のことを説明できない人に魅力を感じないからです。
自国についても同じです。
自分や自国を説明できない人が、間違っているのではありません。
ただ、周りは魅力を感じないのです。
ただ、積極的に意見を求めたいと思わないのです。
そして、ただ静かに、その場にいながら「場外」に位置づけられているのです。
自国を愛せない人がいることを知る
多様な人々と関わる上で、いつも心に留めておいた方が良いことがあります。
確かに、自分の国について知っていることは大切なことですが、人は必ず自分の国を誇りに思い、愛しているわけではない、ということです。
すさまじい恐怖や危険に遭うことなく暮らしていれば想像できないかもしれませんが、世界には、自分が生まれた国を恨み、苦しみ生きる人々がいます。
国という、あまりに大きな存在に苦しみ、生きる力を失う人々がいます。
自文化を恨み、やり場のない苦しみや痛みに苦しむ幼い子供が沢山います。
そのような人々に「自国を誇れ」など、決して言うことはできません。
無邪気に文化を根掘り葉掘り聞くことはできません。
世界の悲しみや苦しみを知る
自分の力ではどうすることもできない環境や文化、風習などによって、苦しい人生を強いられている人々のことを、あなたは知っていますか?
日本を含む世界に目を向け、世界にはどのような苦しみがあるのかを、調べてみてください。
時には辛い気持ちになってしまうかもしれません。
無理をせず自分のペースや気持ちに従ってください。
チームの中で支え合って進めても良いでしょう。
辛い気持ちを整理し、力に変える
苦しむ人の存在を知ったとき、気持ちが辛くなる人がいます。私もそうです。
しかし、その辛さに引きずられるのではなく、自分を突き動かす前向きな力に変えることもできます。
ビジョンシートに向き合ってみてください。
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