【グローバル人材㉛】協調性を養うための行動1【今に精一杯向き合う】
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【グローバル人材㉛】協調性を養うための行動1【今に精一杯向き合う】
前回の記事「協調性とは」では、以下をお伝えしました。
- 協調性の必要性を理解した上で協調性を養うことが大切
- 「活躍する」「成果が出る」の仕組みは以下の流れ(能力を発揮する環境が必要)
- 環境創りのために協調性始め、記事のテーマ(主体性・多様性など)が必要
- 周囲の人の関わり方NGポイント
◆協調性とは
- 異なった環境や立場に存する複数の者が、互いに助け合ったり譲り合ったりしながら、同じ目標に向かって任務を遂行する素質
- 単なる「仲良し」ではなく、目標に向かう上で必要な互いの関わり
◆「活躍する」「成果が出る」流れ
1.個人が高い能力とマインドを身につけている
2.自分や仲間の能力や魅力が発揮されやすい環境がある
➥1と2の上で・・・3.自分や仲間の能力や魅力が発揮される
➥3の結果・・・・・・4.発揮された自分や仲間の能力や魅力が、成果を生み、目標を達成する
5.時と共に、能力は持続向上し、環境はより良質に発展する
6.更に成果を生み出しやすい人財と環境ができる
7.発展が持続可能になる
8.チームや個人のビジョンが叶っていく
9.より良い未来が創られる
2「自分や仲間の能力や魅力が発揮されやすい環境」のために、協調性ある行動や考え方が必要でした。
そこで、協調性ある行動として、具体的にいくつかご紹介してきました。
前回の記事でもお伝えした「発表の聞き方」や、仲間の発表などを聞いた後の「empowerment(勇気づけ)」が、それに当たります。
今回と次回の記事は、協調性を養う具体的行動を解説します。
「協調性ある行動」と「協調性を養う行動」は別物
まずお伝えすべきは、「協調性を養う方法」については、大切なことを見落としている場合があるということです。
◆「協調性を養う行動」は「協調性ある行動を取ること」ではない
多くの場合、「協調性を養うための行動」と言えば、以下が挙がりがちです。
- 人と積極的にコミュニケーションを取る
- 自分の考えを相手に伝える
- 人の考えを聞く
しかし、これらの行動は、「協調性を養う行動」ではなく、「協調性ある行動」です。
◇「協調性ある行動」には、2パターンある
- 充分養われた協調性のもとで発揮される場合
- 無理やり発揮される場合
- 無理やり協調性ある行動を取っても、持続性はなく、協調性を養う効果は期待できないどころか、逆効果を生む場合もある
- 協調性ある行動を持続的に自然と取れるためには、人との心の距離を縮めつつ、協調性を養う以外にない
◇単に協調性ある行動が取れれば良いのか?
協調性ある行動を取ること自体が目標であれば、協調性を養うことを省略しても間違っていません。
しかし、一過性のスキルとして協調性ある行動を身につけても通用しませんし、本人にとっては苦しいでしょう。
協調性を養うことを省略し、協調性ある行動を取ることだけで充分だと思うことは、たとえるなら、サッカーの基本も知らず、体力もついていないのに、選手と同じユニフォームを着て激しい試合に出ている状態です。
いずれ怪我をします。
◇協調性を養うために
- 協調性を養う行動は、協調性ある行動を取ることではない
- 養われつつある協調性を確かなものにする段階で、協調性ある行動を通した経験をする
- 協調性を養う方法は、意識面と行動面に分かれている
- 意識面については、協調性とは何か・必要性を理解すること➡「協調性とは/養い方10の意識ポイント」
- 行動面については、当記事と次回記事でご紹介する行動(承認力)を意識すること
以上のことを踏まえ、協調性を養うための具体的行動1について解説していきます。
具体的行動(1) 常に目の前のことに精一杯向き合う
◆「常に目の前のことに精一杯向き合う」とは・・・
- 目の前の事柄が何か?相手が誰か?などによって「自分の力配分を変えない」ということ
- 目の前のこととは、勉強や部活など、自分がすべきことや、自分がやると選んで進んでいる道のこと
- 目の前のことを「上手に、完璧にする」ということではありません
- 目の前のことに「自分なりに精一杯、本気で、真剣に向き合う」ということ
- 「今、自分は精一杯、本気でやっている」と自分に言えるかどうかが大切
たとえば、サッカーの部活動で、
- 格下チームとの練習試合には60%の真剣度
- 格上チームとの練習試合には80%の真剣度
- 格上チームとの公式戦には100%の真剣度
- 練習試合前の練習には50%の真剣度
- 公式戦前の練習には90%の真剣度
・・・強いチームが生まれる訳がありません。
目の前の小さな練習から本気で、真剣に取り組む。
その「真剣の積み重ね」「精一杯の積み重ね」が、チームや選手の未来の力を創っているだけです。
未来に役立つ経験はどれ?
ここまで確認すると、このような考えが挙がってくることがあります。
「自分が目指す未来に役立つものには真剣に向き合おう」
このように考えること自体が、「目の前のことに精一杯を積み重ねていない発想」です。
自分が向き合うと選んだものの中から、精一杯向き合うものを、選んでいるからです。
実際に、イキイキと活躍している人たちに聞いてみても、
「過去における、あれと、あれが、今の自分に役立っている」などとは答えられません。
彼らは、決まってこう言います。
「過去の全ての積み重ねが、今の自分に繋がっている」と。
精一杯向き合うモノを選り好みし、力配分をコントロールするという時間の積み重ねが、未来で自分を待っています。
目の前にあるモノには精一杯向き合うという時間の積み重ねが、未来の自分に高い景色を見せてくれるのでしょう。
Every moment of your past was necessary, and you’ll know that far in the future.
精一杯向き合う姿勢と協調性の関係
精一杯目の前に向き合うことが、自分にとって良いことは分かりました。
しかし、協調性を養うことと、どのような関係があるのでしょう?
◆精一杯向き合う姿勢と協調性の関係
1.目の前に精一杯向き合う場合の行動自体が協調性ある行動
(ただし、協調性ある行動を取ることを目標にしたアプローチとは効果の持続性が異なる)
2.協調性ある人は、目の前に精一杯向き合う人が圧倒的に多い
◆1.目の前に精一杯向き合う時の行動自体が、協調性ある行動
以前の記事、「【表現力】発表は聞く人が重要」で、就職採用面接における人事担当者の厳しい視点をご紹介しましたが、記事に登場する「他の就職活動生=ライバルの発表を真剣に聞く学生」が、目の前に精一杯向き合う姿勢と協調性ある行動がイコールだという良い例です。
こちらの記事をご覧ください↓
◆2.協調性ある人は、目の前に精一杯向き合う人が圧倒的に多い
冒頭で確認した通り、協調性とは、「単なる仲良しグループ」ではなく、異なった環境や立場に存する複数の者が、互いに助け合ったり譲り合ったりしながら、同じ目標に向かって任務を遂行する素質」です。
仲間と共に同じ目標に向かって尽力し持続的・安定的に成果を出す人のほとんど全員が、協調性ある行動を取ります。
(力で強引に人を動かし単発的な成果を出す人のことではありません)
(「ほとんど全員」と言いましたが、「全員」と言っても良いかもしれません)
- 安全維持のためには協調性ある行動の集合体が不可欠だと痛感している人たちが、人の協調性を見抜く視点が、「目の前に精一杯、丁寧に向き合う心の習慣があるかどうか」です。(チームの力の必要性・航空会社)
- 優秀な人材を見抜き会社を発展へ導く人事担当者たちが、成果を出しやすい人材を見抜く視点が、「相手や事柄によって力配分を変えることなく、目の前に精一杯向き合う姿勢があるかどうか」です。
Very simple but sure.
息抜きもしっかりしながら、「今はやるとき」には精一杯向き合っていますか?
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