【中国人のお客さまのクレーム】外国人クレーム対応/無理な要求
本記事では、
- 外国人のお客さまからクレームを頂いた際の対応と心得を知りたい
- 悪質クレームの場合はどうすれば良いの?
このような疑問に答えていきます。
※悪質なクレームが疑われる場合は、当記事ではなく、↓こちらの記事へ飛んでください!!
この記事を書いている私は、
- 20年以上のグローバル人財のマネジメント・採用・教育の経験
- 航空機関格付け調査Skytraxにて日本で唯一5つ星★獲得のANAで品質調査便責任者の経験
- 世界一のレストラン・デンマークnomaの海外初出店舗にてグローバル顧客対応教育実施(ミシュラン星★獲得/World Restaurant Award等受賞)
Contents
【中国人のお客さまのクレーム】外国人クレーム対応/無理な要求
日本のインバウンドビジネスを大きく支えてくれている中国人観光客。
中国人のお客様を接客するときは、少しコツが必要かもしれません。
コツと言っても、小手先のhow toを学ぶだけでは不充分で、学習効果の継続は期待しにくいです。
是非、「お客さま対応」の研修を行うときは、対応時のポイントと同時に、接客担当者として必要なマインドも一緒に身に付くような研修を行ってください。
では、日本人接客担当者が直面している、中国人接客の難しさとは、どのようなものでしょうか。
中国人のお客さまの変化
私がCAになったのは約20年前、その頃と比較しても、10年前、5年前と比較しても、中国人のお客様の英語力はとても高くなっています。
以前は、中国人のお客様が中国語で機内で怒り出すと、日本人CA達はお手上げでした。
お客さまの仰っていることが全く理解できないのですから。
その後、中国人CAの採用が始まり、中国便には必ず中国人CAが乗務するようになりました。
しかし、今は、多くの中国人のお客さまは、英語をお話しになります。
この変化のお陰で、中国語が出来ない私は、中国人のお客さまのクレームの構成が理解できるようになりました。
中国人のお客さまの主張内容を整理できるようになったということです。
中国人のお客さまの主張
中国人のお客さまを普段から接客している方は、既にお分かりかもしれませんが、中国人のお客さまのクレームは、ある不快な出来事を理由にして、それとは関連のない要求を主張される場面が、多国籍のお客さまより比較的多いように感じます。
ドラッグストアでのクレーム例
たとえば、ある中国人女性Aさんが店員に、〇〇という商品があるか?尋ねたところ、「それはありません」と言われました。
ところが、Aさんの友人中国人女性Bさんが、別のお客さまがその〇〇という商品をレジにて購入しているところを見かけました。
「どういうことよ!?」とAさんは店員にクレームをつけ、要求を主張しています。
その要求は、
- 本当はあるのに、私には「ない」と嘘をついたのはヒドイ!
- 代わりにその商品をディスカウントしろ!またはサンプルを沢山くれ!
という内容でした。
誤ったことを私に言ったのだからディスカウントしろ、ということです。気持ちは分かります。
簡単にディスカウントしてもOKならば良いですが、店員さんとしては、なかなかそうもいかないのでしょう。
また、
中国人の威圧的な口調
中国人のお客さまがクレームを言うときは、とても威圧的に感じることがあります。
それは、中国人の話し方に、文化的・言語的な特徴があることが原因なのですが、それを理解していたとしても、やはり日本人には威圧的に感じられます。
対応時の2つのポイント
ポイントは2つあります。
①圧倒されないこと
◇圧倒されないために
圧倒されないためのマインドのコツは、ここでもやはり、「お客さまの立場で考える」ことです。
『私は今物凄く非難されている、怖い、どうしょう…』こうなると圧倒されてしまいます。
このとき、対応者の意識は「自分」にあります。自分が頭の中心にいます。
一方、
『このお客さまは物凄く怒っている、それほど辛く不愉快なのだ、そんな目に遭ってしまい可哀想、申し訳ない…』
このとき、対応者の意識は「目の前のお客さま」にあります。
不愉快な目に遭って怒っているお客さまの気持ちが頭の中にあります。
この時の対応者は、圧倒されません。
その代わり、どのようにすれば、このお客さまの気持ちが落ち着くだろうと考え始めています。
このように、圧倒されないコツを、自分なりに身に付けると良いですね。
②話を主導し、論点を整理してみせる
◇話を主導し、論点を整理して見せるために
話の舵はお客さまではなく、こちらが握ります。
そして、お客さまの主張や状況を冷静に整理し、更にはそれを分かりやすく、お客さまに示します。
このドラッグストアのクレームの場合で、主張の整理の仕方を考えてみましょう。
論点は2つ、
- 店員が間違ってご案内してしまったこと
- ディスカウントして欲しいという要求
です。
ここから説明しても良いでしょう。
※ただし、怒っているお客さまに対して、理路整然と話すときは、話し方(表情、ジェスチャー、言葉遣い、マインド)に注意が必要です。
次に、1については、〇〇します。
この場合は、「間違ったことを伝えてしまったので謝ります」となりますが、もし何か理由があったのならば、伝えましょう。
そして本題、2については、〇〇します。
この場合は、お店のルールや、代替手段などを説明することになるでしょうね。
代替手段は、いくつかの可能性を提示し、お客さまに選んでいただくと良いかもしれません。
ルールを説明する時の2つのポイント
お客さまに「決まり」を説明するのは気が重いものですよね。分かります。
難しい決まりを説明し、理解していただき、納得までしていただかなければいけません。
このような時に、スムーズに理解していただきやすいポイントがあります。
①客観的に、大枠から話す
◇客観的に、大枠から話すとは
たとえば、航空機内では、上空にて客室乗務員がお客さまの着席クラスを変更することはできません。
エコノミークラスのお客さまに、ビジネスクラスにアップグレードしてと言われても、規定では禁止されています。
ただし、この規定は、航空会社によって異なるため、普段乗っている中国の航空会社はアップグレードOKなのに、なぜダメなんだ!となってしまいます。
なぜだ!?と言われても、それが弊社のルールなのですから、仕方ありません、理解していただくしかないのです。
このような時には、
- まずは、ルールというものをCA自身がしっかりと理解をした上で、分かりやすく説明できなければいけません。そして、そのルールの背景を伝えると良いでしょう。運送約款や、安全性を優先する考え方等に基づき決まっているのだということです。
- また、そのルールについて世界での例、日本での場合、弊社の場合、という風に、大枠から中枠、小枠と説明する。
このように説明すれば、理解していただきやすいでしょう。
②気持ちは寄り添いつつも、冷静に説明をする
◇気持ちは寄り添いつつも、冷静に説明をするとは
お客さまは、「主張を通そう!相手が折れるまでクレームを言おう!」ではなく、
「この人の説明を理解しよう」という頭になってくれます。
気持ちは理解されているので、既に半分、心が満たされ始めているからです。
ここで大切なことは、こちらの説明を聞いてくださったお客さまには、感謝の気持ちで寄り添うことです。
お客さまの国のルールとは異なるのですか?それは分かりにくく、窮屈な思いをされたことでしょう。
実際このルールにはメリット・デメリットがあるのでしょうね。
など、お客さまの立場で考えてお話すると良いですね。
外国人顧客クレーム対応教育
クレームやトラブル対応に正解はなく、対応力を身に付けるしかありません。
クレームをプラスに変える対応を、実際に目で見て、感じて、マインドを踏まえながら練習し、自分の物にしていくしかないと思います。
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