【グローバル人材㉒】多様性とは【異文化の範囲と背景/人としての価値】
本記事では、以下のような疑問にお答えします。
- 多様性とは、外国のことだけなの?
- 多様性の受入れは、なぜ必要なの?
- 異文化の背景には何があるの?
【グローバル人材㉒】多様性とは【異文化の範囲/人としての価値や優劣】
これまでのコラムで、「活躍する」「主体性」「ビジョン」「表現」「チーム力」について紹介しました。
つまり、自分自身に向き合って生きていく習慣や考え方などを主に確認しました。
次は「多様性」について考えていきましょう。
多様性とは、辞書にはこのように書いてあります。
(日)幅広く性質の異なる群が存在すること。いろいろな種類や傾向のものがあること。
(英)diversity:the fact of including many different types of people or things
◆あなたの身近な多様性
あなたにとって「性質の異なる」人には、身近にどのような人がいますか?
思いついた人を簡単に挙げてみてください。
Just list up what you think diversity.
今のあなたから見た多様性
では、下の表を見て、今のあなたの正直な気持ちに近い方を選んでみましょう。
人として優位なのは? | 尊敬/尊重の気持ちを持つ相手は? | ||
学校 | 友達 | ▢英語ができる人 ▢数学ができる人 ▢背が高い人 ▢勇気がある人 ▢上記の全員が同じレベル | ▢英語ができる人 ▢数学ができる人 ▢優しい人 ▢勇気がある人 ▢上記の全員 |
先生 | ▢校長先生 ▢担任の先生 ▢鈴木先生 ▢上記の全員が同じレベル | ▢校長先生 ▢担任の先生 ▢鈴木先生 ▢上記の全員 | |
外国人 | 国籍 | ▢アメリカ人 ▢ベトナム人 ▢中国人 ▢日本人 ▢全ての人が同じレベル | ▢アメリカ人 ▢ベトナム人 ▢中国人 ▢日本人 ▢全ての人 |
文化 | ▢日本文化 ▢アジアの文化 ▢西欧文化 ▢全ての文化が同じレベル | ▢日本文化 ▢アジアの文化 ▢西欧文化 ▢全ての文化 |
性質が異なる人やモノを比較してみて、いかがでしたか?
- 人としての優位性に順位をつけることに、違和感を感じましたか?
- 尊重する対象を選ぶことに、疑問を感じましたか?
You felt uncomfortable judging people?
自分以外は全て多様性・異文化
まず、多様性・異文化の範囲ですが、遠い人、外国人、などとイメージすることもあるでしょう。
しかし、同じ日本人同士でも、東京の人と沖縄の人は、全く異なる特徴や考え方を持っていることもあります。
東京の人、と言っても、全ての人が同じ考えをしている訳がありません。
家族の中でも、見事に真逆の価値感をもって生きていることがあります。
自分以外の全ての人が、自分とは「性質が異なる」のではないでしょうか。
つまり、自分以外は全てが異文化・多様と言えると思いませんか?
多様性の受入れ
多様性の受入れ、異文化受容、とは、外国人とのコミュニケーションにおいてのみ大切なことではありません。
環境問わず、魅力・能力を最大限活かしながらイキイキと活躍している人たちは、自分以外の人全てを「受入れるべき多様性」「愛すべき異文化」と捉え、心温かくコミュニケーションを取っています。
◆多様性の受入れ
- 相手の国籍によって、その人に優劣をつけたり、尊重するかどうかを計ることはありません。
- 相手の特徴によって、人としての優劣をつけたり、尊重するかどうかを決めることはありません。
- 相手が誰であれ、全ての人が人として「優」です。
- 相手が誰であれ、自分以外の人は全て尊重する対象です。
- 人との違いは、「多様性の時代だから受入れるしかないんでしょ」ではありません。
この、当たり前に思えることが、実際、世の中には浸透していないかもしれません。
だから、
- 傲慢な親は子供の人格を軽視し、辛く当たります。子供が年下で体が小さいからです。
- 肌の色や言語を理由に、人種差別が横行しています。肌の色と言語に優劣をつけているからです。
- 不自由な身体を理由に、差別が起こります。人の価値を身体の機能で決めているからです。
- 経験値を理由に、パワハラを正当化します。経験値が人としての価値だと思っているからです。
- 地位権力を得ると、人により傲慢さが現れます。地位権力が人の価値だと思っているからです。
年齢も、体格も、肌の色も、不自由な身体も、経験値も、地位権力も、ただの特徴です。
- 5歳がいて、100歳がいます。生まれた時代が違うだけです。
- 力のない子供がいて、力士がいます。体格が違うだけです。
- 英語を話すイギリス人がいて、中国語を話す中国人がいます。育った国が違うだけです。
- 足が速く英語が得意な子がいて、絵がうまく国語が得意な子がいます。特技が違うだけです。
- 大きな社会貢献をする会社の足が不自由な社長がいて、体育会出身の優秀な営業マンがいます。役割が違うだけです。
ただの特徴です。人としての価値には関係ありません。
特徴を、相手を差別し、傷つける武器に使うことが、視野の狭い行為です。
特徴を、相手を良く知り、尊重を深めるキッカケに使うことが、多様性の受け入れです。
A feature is just a feature, not more or less.
異文化の背景
世界の人々は、全く異なる習慣・価値感をもっています。
自分とは完全に異なる存在、異質、理解できないと思うこともあるでしょう。
それらは目に見える違いとして、とてもインパクトがあります。
当然、それらの異文化行動や価値感には、歴史に基づく理由が必ずあります。
しかし、それらの背景は、目には見えません。普段は、海の下に隠れているからです。
しかし、海の底では、全ての島々は繋がっています。
全ての人は、同じ人間で、同じ欲求をもつ存在です。
全ての人間が共通して持っているものは、欲求です。
安全でいたい、痛い思いをしたくない、空腹は満たしたい、人から認められたい、愛されたい、楽しくいたい、役に立ちたい。
国籍も、肌の色も、身体的特徴も、価値感も通り越し、「人間は皆同じ」ということです。
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