「他部署・同僚批判」行き交う組織が多様性に対応する簡単3ステップ
「悪口を言っているんじゃなくて、私はただ事実を言ってるだけ!」
この台詞が出てくる人は、往々にして、悪口大会の首謀者かもしれません。
本記事では、以下のような疑問を解決します。
- 同僚や他部署の批判をする人の心理とは?
- 批判的な人がいたら、自分はどうすれば良いのか?
- 組織が多様性に対応するためには?
記事を書いている私は、
- 20年以上グローバル人材マネジメント・育成・採用を経験
- 現在は、企業・学校・自治体にてグローバル教育
- グローバル組織創り教育は東京都公共事業に採用
Contents
「他部署・同僚批判」行き交う組織が多様性に対応する簡単3ステップ
組織内の批判的な風潮
組織の中で、他部署の仕事のやり方や同僚に対して、批判的なコメントをする人がいます。
しかし、悪口大会が良いことではないことを自覚しているその人達は、こう言います。
「今後のために、事実を言ってるだけ」
「あの人が悪いっていってるんじゃないの、ただ、私たちとは違うってこと」
「あのやり方はもう通用しない、時代は変わってるんだから」
「多様性の時代だから、あーゆーのもアリだってことなんでしょ」
there you go.
このような場面、誰しも経験あるのではないでしょうか。
その時のあなたの心情は?
そのような時、あなたは何を思いますか?
・生産的ではない話題を続ける人とは距離を置こう
・人の批判じゃなく、事態を改善するために行動すればいいのに
・そういう行動が組織の風土を悪くしているのに気付かないのだろうか
どう思うか、ということに正解はないのですが、もしもあなたが、周りの環境・組織・社会・地域を、より良く築きたいと思っている場合や、組織や人財が持続可能な発展・成長をするための基礎が大切だと思っている場合は、これから挙げる考え方を読んでいただけると、何かの役に立つかもしれません。
同僚や他部署の批判をする人の心理
あなたが理解できない人の、内面的な特徴(一体なぜあの人は批判的なのか?どのような思考回路なのか?)は、分析可能ではありますが、重要ではないと思います。
何に於いて重要ではないのかと言えば、それは、あなたの能力や資源を有効活用する上で、です。
自分と異なる行為をする人の心理背景や文化背景を理解しなければ納得できないというのは、多様性に満ちたこれからの時代を生きづらくします。
ということを踏まえた上で、分析していきます。
①人によって見えている範囲が違う
あなたが理解できない人は、あなたとは見えている範囲が違います。
◆他者批判による影響
- あなたが他者批判を快く思わないのは、それが招く組織風土・社員の意欲・業務品質・顧客満足度・企業価値などの低下が予測できるからです。それはあなたが、長期的な視点で考え・感じているからです。
- 批判的な人が他者批判をするのは、それによって、愚痴の吐き出し・目先のストレス発散・同志との団結などが得られるからです。それは彼らが、目の前の欲求を叶えたいからです。
what they want is different.
たとえば、事務仕事においても同じです。
「効率よく数をこなす作業」が今日一日を考えると最高のやり方だという人もいれば、丁寧な仕事を積み上げなければ信頼に関わるのだと考え、視野広く、数年・数十年を通した「会社の信頼の構築」を見据えて働く人もいます。
同じ仕事をしているように見えても、見据えているものが違うのです。
②異文化受容・他者受容をしていない
他者批判をする人は、無意識に「相手を受入れていない」、つまり、異文化受容・他者受容をしていません。
(異文化とは必ずしも外国のことではなく、自分以外は皆が異文化です。)
◆異文化受容・他者受容が出来ない背景
- 異文化受容は、頭では大切だと分かっていても、「心ができない」という場合が多い
- 相手を受入れようとする前に、自分の中に「人を受入れる土台」が未整備
- 「人を受入れる土台」とは、自分の価値を適切に評価し、認め、誇り、愛し、伸ばすサイクル(=自己承認)
他者批判を繰り返す人々は、自分に対する評価や承認、愛着や誇りが、高くない場合が多いのですが、高くないことに、どうこう口出しする権利は、誰にもありません。
その人が時間をかけて積み上げた過去が、今の状態を創っているのですから、それがその人の今までの人生の積み重ねです。
良い悪いではなく、ただそれだけのこと、理由・事情があった、ということです。
③様々な言い分・価値感
そして、当然ですが、人によって異なる価値感で生きています。
◆他者批判の理由
あなたから見れば「批判」でも、彼らにとっては「正義」かもしれません。
あなたから見れば「非生産的」でも、彼らにとっては「小さな草の根運動」かもしれません。
あなたから見れば「組織風土の低下を招くモノ」でも、彼らにとっては「活力の源」かもしれません。
both is ok.
両者は真逆のように見えますが、どちらも認め受入れるべきものだと思います。
人として幸せ・安全に・社会的役割を果たしながら生きていきたいという、同じ基本欲求をもつ人間同士です。(マズローの欲求5段階説)
問題意識があるから、他者批判をし、問題点を指摘するのです。
問題意識があるから、批判から生まれる悪影響を最小限に収め、最も効率的な解決を模索しようとするのです。
人が変われば、欲求を叶える手段が違うのです。
自分を癒やすためにケーキを食べる人もいれば、ジョギングする人もいます、そのようなものです。
人それぞれにもっともな理由があります。
多くの日本人にとって、ゴミのポイ捨ては「悪」でしょうが、国が変われば、清掃員の仕事を生む「正しい行い」です。
多くの日本人にとって、時間を守ることは「良」でしょうが、国が変われば、自分を時間で追い込む「愚か」な行為です。
それぞれが、自分なりに幸せを追求し、生きています。
あなたがいて、彼らもいて、あなたの組織です。
批判的な人がいたら、自分はどうすれば良いのか
では、批判的な人が周りにいた場合の3つの対処法です。
①成果が出る仕組みを理解する
まずはじめに大切なことは、「どのような状態のときに人は最大限の力を発揮し、成果を出しやすいのか」を理解していることです。
◆成果が出る流れ
- 個人が高い能力とマインドを身につけている
- 自分や仲間の能力が発揮されやすい環境がある
- 自分や仲間の能力や魅力が発揮される
- 発揮された自分や仲間の能力が成果を生み、目標を達成する
- 時と共に、能力は持続向上し、環境はより良質に発展する
- 更に成果を生む機会が増える
- 発展が持続し、ビジョンが叶っていく
- その個人・組織によってより良い未来が創られる(ビジョン通りになる)
too basic?
2番の「能力を発揮しやすい環境」とは、自分の考えを発信できる環境、そこに居れば力が湧いてくる環境、成長しやすい環境です。
そのような環境にとって必要な要素・望ましくない要素とは何でしょうか?
◆能力を発揮しやすい環境にとって
【必要な要素】
- 承認・敬意・尊重・感謝・思いやり・自主性・多様性・協調性・ビジョン
【望ましくない要素】
- 命令・監視・脅迫・誘導・罰則・批判・否定
sure it is.
このようなことは当然過ぎて、多くの人は理解しているかもしれません。
しかし、現実はその通りには進まないものです。
- 理想の環境の条件は理解しているけれど、そのための行動を取れるかは別です。なぜなら、人には「好き嫌い」「限界」がありますし、「周りに影響される」からです。
- 理想の環境の条件を理解しているから、そのための行動を積み重ねていく。なぜなら単純に、その方が自分や他の人の能力が発揮されやすく、成果が出やすいからです。
後者は、淡々と、成果を優先させる思考の持ち主かもしれません。(ビジョンに徹する)
一方で、前者の、
- 「好き嫌い」がある人は正義感の強い人
- 「限界」を感じる人は冷静で謙虚な人
- 「周りに影響される」人は調和が取れる人
かもしれません。
良い悪いではなく、単なる特徴です。
これを踏まえた上で、次に必要なものは、
②「あなたが」異文化理解・他者受容する
他者批判をする人は、無意識に異文化受容・他者受容をしていないと言いましたが、そこは重要ではなく、大切なことは、あなたが異文化理解・他者受容を当たり前のようにしていることです。
◆「あなたが」異文化理解・他者受容する
- 自分の価値を適切に評価し、認め、誇り、愛し、伸ばす、このサイクルに入る
- その上で、他者の可能性や良い面に目を向けながら、ありのまま認め受入れる
start with you.
異文化理解・他者受容は、「とりあえず何でも受入れる」「ストレスでも我慢して受入れる」ということではないのですが、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
また、真に協調性ある人は、成果が出やすい環境作りをしている人ですが、そのような人は自己承認から生まれる他者承認力を持っている人です。
協調性ある行動を以下記事にて解説しています↓
他者批判を繰り返す人々の欲求を、認めること。責めないことが大切です。
人の心にある「あの人を認めない」という火種は、本人が思っている以上に、組織風土を乱します。
◆ちなみに・・・
異文化受容を試みても定着しない時は、たいてい基盤創りを省略している時です。
「異文化受容」には2ステップあり、1番を省略することは避けた方が良いです。
- 情報・知識を乗せる「基盤・土台」を築くこと(マインド形成)
- 様々な異文化を理解したりコミュニケーションを学ぶこと(スキル・情報付与)
③理想=ビジョンからの逆算で考え動く
さいごに、「これが最も理想実現に繋がるのか?」という自問自答から言動を選ぶという、逆算行動です。
- 自分が彼らの批判的な言動を「認めない」ことが、組織にとってプラスに働くのか?
- 彼らのことを「諦める」ことが、自分・彼ら・同僚の能力を最大限引き出すことに繋がるのか?
- 彼らと「距離を置く」ことが、どのようなプラスを生み出すのか?
と、考えてみましょう。
◆理想からの逆算行動
- 自分の「好き嫌い」ではなく、自分の理想(ビジョン)にとって必要な考え方や振舞いが何なのか?という理想からの逆算で考え行動する
- リーダーだから求められることではなく、役職関係なく、これからを創る視点で働く人に必要な要素
vision-based.
ビジョンの逆算から動くためには、ビジョンがあることが前提です。
◆ビジョンの設定と共有
vision changes results.
日本人の批判的な言動を繰り返す同僚相手には、適切なアプローチをしないけれど、外国籍従業員とはビジョン設定と共有を通して、強い組織創りを行う。それは充分ではないでしょう。
アプローチする順番は、どちらでも良いと思いますが、批判的な言動をする身近な(日本人の)同僚にアプローチしなければ、そのツケは必ず回ってきます。
組織が掲げるビジョン・理念ではなく、「自分のビジョン」が出てこなければ、それはまた別の話になります。
「理想は分かるけど・・・」と思ったら
「理想は分かるけど実際そう簡単じゃない」
「こっちが大人になったって、彼らが変わらないんじゃダメ」
この台詞が出てくる人は、これまで相当我慢し、耐えてきた人だと思います。
このような方に支えられ、組織も社会も、ここまで成り立ってきました。
無理をしない
無理はしないで良いと思います。
「そんな理想通りになんていかないよ」と思うときは、誰にもあります。
時が経ち、頑張ってみようと思えれば動いてみれば良いですし、思えなくても過去の頑張りを自分で認め、何も無理して動かなくて良いでしょう。
理想を叶えたいという思いが強い人に任せてみる
きっとどこかに、「これで理想が叶っていくのなら、よし!頑張ってみよう!」と思える人がいます。
そのような人に、今は、舵取りを任せてみましょう。
先を任せた彼らが疲れたときは、経験豊富な人達のサポートが必要になります。
その時は、強力な助けになり、長い間培ってきたその能力を、新しい組織・時代を築くために活かしてください。
◆「理想通りにはいかないよ・・・」と思ったら
- 無理せず、過去の自分の頑張りを認め、休む
- 出番が来たら、その経験値と能力で大きなサポートとなる
you did enough.
「組織を変えたい」と思ったら
もしあなたが、「組織を変えたい」「もっと皆の能力が活かせる場を作っていきたい」と思ったら、あなたの力を活かすときです。
自分の実績や立場に不足があると感じても、大丈夫です。
あなたには、理想が見えているという強みがあります。
道のりは、思っている程険しくないかもしれません。険しかったらごめんなさい。
でも、きっと大丈夫です。
just believe in yourself.
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